2017 年 2 月定例会 地方創生・行財政調査特別委員長報告に対する討論

2017年(平成29年)2月定例会地方創生・行財政調査特別委員長報告に対する討論[2017年3月15日]
議事録及び録画中継は県議会のホームページにてご覧になれます。

 日本共産党の尾村利成でございます。

 日本共産党県議団を代表して地方創生・行財政改革調査特別委員会の委員長報告に反対する討論を行います。
 
 委員長報告では「島根県の社会減の最大の要因は、20歳から24歳までの若年層における県外流出であり、若者が島根で住み続けたい、帰ってきたいという魅力ある環境を整備し、それを積極的に情報発信していくなど、若者の回帰や、流入・定着に向けた取り組みを強化すること」との意見、要望を報告されました。この報告に対し異論はありません。
 しかしながら、報告では若者がなぜ県外流出するのか、その原因が解明されておらず、実効ある処方箋が示されていません。
 今日、県内において非正規労働者は4割に達し、経済的自立が困難と言われる年収200万円未満で働く労働者も4割に上っています。すなわち、若者の安定雇用対策が不十分です。
 また最低賃金の地域間格差も問題です。最低賃金の最高が東京の時給932円であり、島根は全国最低ランクの718円です。最低賃金において、全国加重平均額の823円を上回っているのは7都府県だけであり、島根をはじめ40道県は加重平均に届いていません。
 健康で文化的な最低限度のくらしには、時給1400円以上が必要との指摘がなされています。生計費を満たさない格差最賃が、賃金の低い地方から都市部へと働き手を流出させ、地方・地域の経済を疲弊させている実態を直視すべきであります。
 よって、若者の回帰や、定着を進める道は、最低賃金を引き上げ、安定した雇用をどうつくるかにあります。
 島根県の企業の99.9%は中小企業・小規模企業です。中小企業に対し賃金助成や社会保険料の負担軽減などの特別補助を行うなど抜本的な支援策を講じることを求めるものです。

 次に、財政健全化についてです。
 委員長報告では「国による地方創生支援や地方財政対策なども勘案しながら、引き続き財政健全化に務め、県債残高の縮減を図ること」とされています。
 私は、財政再建にあたって、一番になすべきことは、「県民合意のない事業」「県民の理解と納得なき事業」を精査・見直すべきと考えます。
 今議会、本会議質問でも取り上げましたが、松江北道路建設は、県民合意のない事業の代表例です。「建設ありき」「計画ありき」ではなく、地元住民の意見を真摯に聞き、合意なき場合は、計画の見直し・中止を決断するべきであります。
 県政がこの姿勢、この立場に立ってこそ、財政再建を進める県の取り組みに対して県民からの協力と信頼をうることができるのではないでしょうか。

 次に定員削減についてです。
 委員長報告では「嘱託職員及び臨時職員あるいは再任用職員のバランスのとれた人員配置を行う」との意見、要望がなされています。
 県は、平成14年度(2002年度)以降、一般行政部門を中心に1500人程度の定員削減に取り組んできました。この削減は、昨年4月1日現在1144人の削減実績となっています。
 正規職員が削減される一方で、臨時職員、嘱託職員などの非正規職員は年々増加し、今日では職員全体に占める非正規職員の比率が約3割に達しています。
 職員の大幅削減は正規、非正規職員への過重負担となっており、劣悪な労働条件からモチベーションは上がらず、結果として県民サービスの低下につながりかねない現状となっています。
 職員の時間外勤務の状況を見ると、今から10年前の平成17年度(2005年度)の本庁の一人当たり年間平均時間外勤務時間は、149時間でした。これが、平成27年度(2015年度)には233時間へと大幅増加となっています。
 年次有給休暇の一人当たり平均取得日数は、本庁で平成17年(2005年)は9,6日、平成27年(2015年)は、9,1日へと減少しています。
 職員の削減が、職員の労働条件悪化となっていることは明白であります。 
 これ以上の職員削減は中止すべきです。そして、正規職員をはじめ臨時職員、嘱託職員の労働条件の改善を強く求めるものであります。

 最後に、委員会のあり方、議員のあり方についてです。
 地方創生・行財政改革調査特別委員会はこの2年間、森山委員長を先頭に、地方創生や地方分権のあり方、行財政改革の課題などの調査に汗を流してこられました。その調査結果が本日報告され、委員会としての意見が述べられ、提言がまとめられたところであります。
 この意見が、執行部をはじめ、県民の皆様に受け入れていただくためには、委員会と議員の信頼が担保されていなければなりません。
 即ち、私ども県議、県議会が県民への信頼なくして県民の期待に応えることはできないのであります。
 今、「政治とカネ」をめぐって、8億円を値引きした国有地売却など政治家の関与が明らかとなった森友学園疑惑、東京豊洲市場の利権疑惑、全国各地で明るみとなった政務活動費不正問題など、国民から厳しい視線が向けられています。
 政治に信頼を取り戻すためには、私ども議員が疑念を持たれた際、政治的・道義的責任を果たし、説明責任を果たさなければなりません。
 私ども議員は、一点の曇りなき県政・県議会をつくり、県民の負託に応えるべきであります。
 このことを強調し、討論を終わります。

尾村としなりの政策 プロフィール 1962 年大田市生まれ。
1985 年北九州市立大学法学部政治学科卒業後、松江民主商工会に就職。
島根県商工団体連合会事務局長、消費税廃止県各界連絡会事務局長、日産生命被害者の会事務局長など歴任。

ホームに戻る
Copyright © Toshinari OMURA. All Rights Reserved.