2017 年 11 月定例会一般質問 (憲法を生かした県政運営について、島根原発・核燃料サイクル・避難計画について、財政運営指針について、介護保険について、農業・食料自給率について、水道事業について)

2017年(平成29年)11月定例会一般答質問
録画中継は、県議会のホームページにてご覧になれます。
http://www.shimane-pref.stream.jfit.co.jp/

日本共産党の尾村利成でございます。

【1.憲法を生かした県政運営について】
 質問の第一は、憲法を生かした県政運営についてです。
 本日未明、北朝鮮は、弾道ミサイルを発射しました。北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて許されません。いま、一番危険なのは、米朝両国の軍事的緊張が高まる下で、双方の意図に反して偶発的な衝突が発生し、それが戦争へと発展することです。
 北朝鮮問題解決の道は、国際社会が一致して経済制裁の圧力を強めることです。経済制裁強化と一体に、「対話による平和的解決」をはかることこそ唯一の解決策です。
 しかし、安倍首相は11月6日の日米首脳会談で、軍事力の行使を含む「全ての選択肢がテーブルの上にある」とのトランプ大統領の立場を「一貫して支持する」と発言し、「対話のための対話は意味がない」と表明するなど、「対話否定論」を繰り返しています。
 国に対し、憲法9条の精神に立った「対話による平和的解決」をはかるよう強く求めるべきであります。所見を伺います。また、県として、憲法9条を生かした平和行政をすすめる知事の決意を伺います。
 県内でも、憲法に反する無法な米軍機の低空飛行訓練や美保基地の機能強化など、危険な動きが具体化しています。
 県西部を中心にした低空飛行訓練によって、子どもたちは爆音におびえ、住民の安全が脅かされ続けています。
 このような中、10月11日、米海兵隊岩国基地所属の米軍機が、広島県北広島町上空で、火炎弾「フレア」を発射しました。米側によれば、フレアとは、高温かつ即座に燃焼するおとり用の装備であり、航空機のパイロットの命を守るために不可欠な訓練であると言っています。
 北広島町での訓練地域には、診療所や郵便局、民家が点在し、近くに学校もありました。住民からは「自分が狙われているようだ」「これまで見たことがなく、不安に感じた」との声が上がりました。事態を重くみた北広島町議会は、訓練中止を求める国への意見書を可決し、広島県も国に対し、訓練中止を強く要請しました。
 米側が、フレア訓練は必要不可欠という以上、島根県上空において、これまでにこの危険なフレア訓練が実施された可能性があります。県内上空でフレア訓練が実施されたことがありますか、その有無を伺います。県として米軍にフレア訓練、そして、低空飛行訓練中止を強く要求すべきであります。所見を伺います。
 次に、2007年に日米地位協定によって、米軍基地化された美保基地についてであります。
 米軍の核兵器搭載型B52戦略爆撃機と航空自衛隊のF15戦闘機が日本海上空で共同訓練を実施していたことが判明しました。日米共同訓練強化によって、日本海は危険な状況にあります。
 防衛省は今年3月、美保基地に国内初のC2輸送機を3機配備し、11月1日に新たに1機配備しました。計画では、本年度にもう1機配備し、2020年度までに計10機を配備することとしています。
 美保基地へのC2輸送機、空中給油機配備などの日米軍事一体化の推進は、軍事的緊張を高めることにつながります。万一、米朝間での軍事衝突が起こった際、日本が自動的に参戦し、戦争当事国となる危険をもたらします。美保基地の軍備機能強化は中止すべきであります。所見を伺います。

【2.島根原発、核燃料サイクル、避難計画について】
 次に、島根原発、核燃料サイクル、避難計画について伺います。
 県は7月11日、島根原発1号機廃止措置計画に対する事前計画を「了解」しました。
 私は、この計画は、一つに、島根原発再稼働を前提としている、二つに、使用済み核燃料の再処理技術は未確立である、三つに、高レベル放射性廃棄物は埋める場所も処分方法もない、などの問題点を指摘してきました。
 7月の計画了承から、もうすでに計画は、つまずいています。
 青森県の日本原燃・六ヶ所再処理工場において、配管ピット点検の放置や虚偽記載をめぐって保安規定違反が発覚し、原子力規制委員会は、再処理工場の適合性審査を中断しました。
 計画では2018年度上期に再処理工場が稼働するとの見込みでありましたが、稼働は絶望的です。
 また、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地絞り込みに向け、経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)が各地で住民向けに意見交換会を開催しています。 しかし、この意見交換会に日当や謝礼を約束して参加者を集めていた「やらせ」が発覚したのであります。
 「やらせ」と言えば、2009年の島根原発プルサーマル住民説明会を思い出します。この説明会には総勢361人が参加しました。しかし、実にその半数にあたる180人が中国電力の社員とグループ企業の人たちでありました。
 原発推進勢力は、国民多数が反対するプルサーマルや核のゴミ問題などで「やらせ」を行っているのであります。自分たちに有利な世論づくりを企てる不公正なやり方は、絶対に許されるものではありません。
 使用済み核燃料の再処理や核のゴミの処理は行き詰まっています。破たんした核燃料サイクル政策から撤退すべきであります。県として抜本的な検証を行うべきではありませんか。
 宍道断層の長さは5回の見直し、訂正が行われました。もともと、存在しないとされた宍道断層は39キロメートルの評価となりました。相次ぐ宍道断層評価の訂正に、県民の不安と疑問が渦巻いています。
 住民説明会を開催するなど、宍道断層延長の経緯や宍道断層と鳥取沖断層との連動性の有無、基準地震動策定について、県民に対する丁寧なる説明責任を果たすべきであります。所見を伺います。
 11月17日から2日間の日程で、原発事故を想定した原子力防災訓練が行われました。島根原発には使用済み核燃料が保管されている以上、繰り返し訓練を実施しなければなりません。
 訓練を実効性あるものにするためにも、豪雨災害、大地震と原発事故が重なった際の複合災害を想定した訓練、ならびに避難対策、防災計画の確立が急務であります。所見を伺います。
 多くの県民は大地震の際、橋は大丈夫か、落ちないか、また、道路が寸断されないか、落石は大丈夫か、また、豪雨時に土砂災害が発生しないか、などの様々な不安を抱えています。
 県土木部の資料をまとめてみました。原発から30キロ圏内の自治体には県が定める緊急輸送道路上における耐震対策が必要な県管理橋梁が71橋梁あります。そのうち、耐震対策実施済みの橋梁は38橋梁に過ぎません。
 また、落石等通行危険箇所の要対策箇所は537箇所あります。そのうち、対策済みの箇所は191箇所しかなく、整備率は35%です。
 また、土砂災害要対策箇所は2,173箇所あり、そのうち、整備済み箇所は389箇所で、整備率はわずか18%です。
 余りにもハード対策が遅れており、災害に強い県土とは言えないではありませんか。この状況下で、大雨や大地震と原発事故が重なれば、県民の命と安全に重大なる危険が迫ることとなります。
 現状は災害対策が貧弱です。原発再稼働など論外であります。所見を伺います。

【3.財政運営指針(地域経済活性化による財源確保)ついて】
 次に、財政運営指針についてです。
 県は10月に平成34年度末までの財政運営指針を定めました。指針は、地域経済を活性化させ、財源を確保するとしています。地域経済活性化の道は、地域にある資源、技術、人材を生かし、地産地消・地域循環型経済で、域内での経済循環を生み出すことです。
 先ほど、災害・防災面でのハード対策の不十分な現状を指摘しました。公共投資において、域内経済循環をつくるためには、地元業者の受注機会が増える防災・減災型公共事業こそ最優先すべきであります。雇用創出効果が高い生活密着・小規模事業を推進すべきではありませんか。
 地域経済を活性化する事業の一例をご紹介します。それは、「しまね長寿の住まいリフォーム助成事業」であります。
 「しまね長寿の住まいリフォーム助成事業」は地元業者の仕事おこしとなり、地域経済循環を促進するものです。仕事おこしによって、所得を得た業者が納税するなど自治体税収を増やす施策でもあります。リフォーム助成事業の経済効果など事業評価を伺います。本事業の拡充を求めます。所見を伺います。

【4.介護保険について】
 次に、介護保険について伺います。
 今年5月に成立した改定介護保険法は、現役並み所得者の利用料3割化、生活援助の人員基準の引き下げ、入院ベッドを削減するための受け皿づくりとしての「介護医療院」の創設、市町村に介護費用抑制の目標を定めさせる仕組みを導入するなど、利用者や事業者の願いに反するものです。
 来年度は3年に一度の介護報酬改定を迎えます。この間の連続する介護報酬引き下げにより、事業所の倒産件数は過去最高となり、小規模事業者の廃業もあとを絶ちません。
 介護現場では人手不足が常態化し、職員の過重負担を招き、介護サービスが低下する「悪循環」となっています。
 介護保険に対して様々な不安の声が出されています。
 特養ホームの施設長からは「介護報酬のマイナス改定が繰り返され、施設独自での改築・耐震改修はとてもできません」、利用者からは「利用料が1割から2割になり、サービスを半分に減らしました」、介護福祉士からは「利用者さんからの笑顔でやる気が出て頑張ることができます。しかし、給料の割に仕事がキツく、やり甲斐はあっても、いつまで続けられるのかと不安になります」など悲痛な声をお聞きしました。
 介護保険制度を建て直す立場から、以下5点伺います。
 第1に、国民年金の平均受給額は月額約5万円です。年金の少ない人が最後まで入居できる施設は特別養護老人ホームしかありません。年金が減らされる下、高額なユニット型の個室よりも、低額な多床室を希望する入所者が増えてきています。
 しかし、国はユニット化を推進しており、多床室の特養整備には、国・県からの整備補助金がありません。現場からは、多床室への施設整備補助を実施する声が寄せられています。県として、低所得者のセーフティネットの役割を果たしている特養多床室への施設整備補助制度をつくるべきではありませんか。所見を伺います。
 第2に、改定毎に引き上げられる保険料についてです。
 介護保険料は低年金者の負担能力を大きく超えています。事実、平成28年度末の県内の介護保険料未納者は4,145人に達し、そのうち、87人が保険料未納により、保険給付差し止めや3割自己負担などの「ペナルティー」を科せられ、必要な介護が受けられない事態が生まれています。
 過酷な保険料滞納者へのペナルティーを見直すときです。低所得者が介護保険から排除されない対策を講じるべきです。所見を伺います。
 第3に、介護労働者の処遇改善についてです。
 介護労働者の平均賃金は全産業平均を月10万円も下回っています。低賃金と長時間・過密労働が深刻な人手不足に拍車をかけ、制度の基盤をも脅かす重大事態となっています。
 介護労働者が自らの専門性を発揮し、誇りを持って働き続けられるよう、介護報酬とは別枠の、国費の直接投入による賃金引き上げを国に求めるべきです。また、県として、配置基準を上乗せしている事業所に対して助成するとともに、労働環境を改善するための積極的支援策を講じるべきではありませんか。
 第4に、要介護認定者の割合を減らすなど、国が給付抑制を自治体に誘導する問題です。
 国は「要介護認定率の低下」をすすめるため、自治体に要介護度の改善を競わせ、給付抑制に結果を出した自治体に報奨金を与える仕組みをつくろうとしています。
 来年度からスタートする島根県第7期介護保険事業支援計画においては、要介護認定率の引き下げ目標設定など給付抑制を市町村に押しつけないこと、そして、地域で必要、十分な介護提供体制を確保すべきであります。所見を伺います。
 「介護の危機」打開の道は、介護報酬の抜本的増額と底上げ以外にありません。何より、介護保険の国庫負担割合の引き上げが求められます。介護報酬の増額・国庫負担金引き上げを国に強く求めるべきであります。所見を伺って、次の質問に移ります。

【5.農業、食料自給率について】
 農業、食料自給率について伺います。
 飢餓が深刻といわれる北朝鮮の穀物自給率は84%です。それに対し、日本の穀物自給率はわずか28%に過ぎず、北朝鮮よりも低い水準にあります。
 食料自給率では、アメリカが130%、ドイツが95%、イギリスが63%であり、38%である日本の食料自給率は先進国中、最低水準です。
 21世紀の世界は「カネさえ出せば食料をいつでも輸入できる」状況ではありません。途上国・新興国の経済発展に伴う食料需要の増加、人口増、温暖化による異常気象など、今後の世界で食料がひっ迫・不足する危険があります。
 食料の6割以上を輸入に頼る日本が、国内の農林水産業を潰して、外国から大量の食料を買い付けることは「飢餓を輸出」することに等しいものです。日本が食料自給率を上げることは、日本のことだけでなく、国際社会に対する責任ではないでしょうか。
 このような中、安倍政権は、TPP11(環太平洋連携協定)や日欧EPA(経済連携協定)、日米FTA(自由貿易協定)に突き進み、農産物のさらなる輸入拡大をすすめ、国内農業には「外国産と競争できる農業」をつくるとして、画一的な大規模化やコスト削減をすすめています。
 日本農業を再生するために、TPP11、日欧EPA、日米FTAなど農産物の際限ない輸入自由化路線を中止し、コメの需給や流通に政府が責任を持つべきであります。食料自給率向上を第一にした政策へと転換すべきではありませんか。所見を伺います。
 「安全な食料は日本の大地から、島根の大地から」つくるべきであります。現在、島根県の食料自給率はカロリーベースで65%です。島根県の食料自給率を引き上げるために、市町村や農業団体、消費者団体との連携を強化し、積極的な年次目標と計画を設定すべきであります。所見を伺います。
 島根県は、生産条件の不利な中山間地域が大宗を占めています。国がすすめる大規模化とコスト削減だけでは島根の中山間地農業は守れません。
 米どころ新潟県は、本年度から県独自の所得補償制度として、「公的サポート」モデル事業をスタートしました。
 この事業は、営農条件が不利な中山間地域でも、農業で他産業並みの所得が確保できるよう、集落営農組織などに10アールあたり15,000円を支給するものです。新潟県知事は「大規模農業を支援するだけでは、中小規模が大半の中山間地などの農業が立ちいかなくなってしまう。中山間地域を支えるためにも、そこで人が暮らせるようにしていくことが大事」と述べ、「農業の維持発展のためには所得補償制度が必要である」と語っています。
 島根県においても県独自の中山間地農業を支える所得補償制度の創設を決断し、県として農家への応援メッセージ、「営農エール」を送るべきではありませんか。
 また、国に対しては、10アール当たり7,500円のコメの直接支払交付金について、元の15,000円に戻すなど、戸別所得補償制度復活を求めるべきであります。そして、農産物価格と農家経営を下支えする価格保障、岩盤対策を確立するよう求めるべきであります。所見を伺います。

【6.水道事業について】
 最後に、水道事業についてです。
 県内水道事業体の課題は、給水人口の減少・水需要減少に伴い、料金収入が減少していることにあります。安来市は、今年4月から3年間かけて水道料金の23.7%もの値上げを決めました。浜田市も今年10月から24.8%の料金値上げを計画しています。
 国は水道の基盤強化を図るとし、民営化の手法である「コンセッション」(公共施設等運営権)方式の水道事業への導入や、「広域化」をすすめています。
水は命を支える不可欠の基本的な資源です。よって、水道事業は水質の安全管理、資源・水質の安全、料金などについて、きわめて高い公共性が求められ、民営化による利潤追求には馴染みません。
 水の供給は、国や自治体が責任を持って持続させていくべきです。水道事業への民営化方式導入や身近な水源を放棄させかねない「広域化」はすすめるべきではありません。所見を伺います。
 この間の自治体リストラで、人員削減や職員採用が抑制され、水道職員数が減少しています。技術継承も心配されます。水道技術職員の確保・拡充は待ったなしです。所見を伺います。
 県は、公営企業の水道事業として、飯梨川水道事業ならびに斐伊川水道事業の島根県水道用水供給事業と江の川水道用水供給事業の二つの事業を行っています。
 江の川水道事業は、大田市、江津市に送水していますが、その施設利用率はわずか42.7%です。その結果、大田市や江津市は県下トップクラスの水道料金となっています。
 飯梨川水道事業の施設利用率は57.8%、斐伊川水道事業の施設利用率は67.8%の低利用率であり、使わない水まで市民に負担が転嫁されています。
 地方公営企業法第3条の経営の基本原則には、「常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」と規定されています。
 水道事業の本来の目的は、公共の福祉の増進にあります。それは、すなわち、水道料金の値上げをどう抑えるかにあります。
県営水道において、受益者の水道料金を引き下げるため、受水団体への資本費負担軽減をはかるなど、料金軽減策を講じるべきであります。企業局長の所見を伺って、質問を終わります。
2017 年 11 月定例会一般質問原稿 (ファイル形式: PDF / 375 KB)
尾村としなりの政策 プロフィール 1962 年大田市生まれ。
1985 年北九州市立大学法学部政治学科卒業後、松江民主商工会に就職。
島根県商工団体連合会事務局長、消費税廃止県各界連絡会事務局長、日産生命被害者の会事務局長など歴任。

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