2018 年 6 月定例会 総務委員長報告に対する討論

2018年(平成30年)6月定例会討論[2018年7月6日]
議事録及び録画中継は県議会のホームページにてご覧になれます。
http://www.shimane-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=gikai_days_list&gikai_id=16

 日本共産党の尾村利成でございます。
 日本共産党県議団を代表して、また多くの県民の願いを代弁して「島根原子力発電所3号機の新規制基準の適合性申請に係る事前了解願い」を了承し、事前了解を了承しないことなどを求めた請願・陳情を不採択とした委員長報告に反対する討論を行います。

【「島根原子力発電所3号機における新規制基準の適合性申請に係る事前了解願いに関する調査結果」】

 わが党は、この度の適合性申請に係る事前了解願いは断じて認めることはできません。なぜなら、それは、第一に、「県民の理解と合意がない」からであります。第二に、「事前了解願いの了承は原発稼働の道にほかならない」からであります。
 まず、「県民の理解と合意がない」問題についてです。
 中国電力は5月22日、県に「3号機の新規制基準の適合性申請に係る事前了解願い」を申し入れました。
 その後、島根県主催の安全対策協議会、顧問会議、県議会総務委員会での審査が行われ、中国電力主催の住民説明会も開催されてきました。
 各種の会議や説明会では、「原発に100%の安全はない」「宍道断層や未知の活断層など地震や津波などの自然災害に不安がある」「福島事故の賠償費用を含めれば原発コストは高い」「使用済み燃料の処理を含め、核燃料サイクルは確立していない」「規制委員会の審査は稼働前提であり、申請は認められない」「立地自治体並みの安全協定を周辺自治体と締結すべき」など、原発に否定的な意見が多数出され、「適合性申請提出には反対」との意見が大勢を占めていたではありませんか。
 先ほどの総務委員長報告の通り、6月29日の総務委員会での報告資料でも、「事前了解には反対」「原発の安全性、必要性に懐疑的」とする意見が圧倒的多数であったとの報告がなされたではありませんか。
 県政の主人公である大多数の県民は、「適合性申請提出」はもとより、原発稼働に反対であることは明白であります。
 周辺3市の出雲市、雲南市、安来市は、事前了解権、立ち入り調査権、適切措置要求権など立地自治体並みの安全協定締結を求め続けています。このことは、周辺3市の原発への不安と同時に、原発行政に対する不信ではありませんか。
 また、鳥取県の境港市議会は6月29日、中国電力に対し、「島根原発3号機の新規制基準適合性審査申請を行わないよう求める」決議を可決したではありませんか。
 県内はもとより、鳥取県からの意見・結論も出ていない中で、島根県議会総務委員会が決した事前了解願い了承決定は、あまりに拙速であり、委員会での審査が不十分であると指摘せざるを得ないのであります。
 県政・県議会が県民の声を十分に聴取することなく、県民の願いに反する決定をすることは、県政・県議会への信頼を失墜させることになるではありませんか。
 次に、「事前了解願い了承は原発稼働の道にほかならない」ことについてです。
 原発推進勢力は、今回の審査申請の事前了解と原発稼働とは別であるとの詭弁を弄しています。しかし、これは、現実を直視しない空論であります。
 なぜ、中国電力はこの間、5000億円を超す安全対策を実施したのでしょうか。なぜ、原子力規制委員会への審査申請をこんなにまで急ぐのでしょうか。
 これは、まぎれもなく、中国電力自身が表明しているように、3号機新規稼働をめざしているからではありませんか。
 国のエネルギー基本計画は、2030年度の原子力発電割合を現在の2%から22%へと10倍にする計画であります。これは、原発30基分の稼働に相当し、当然、島根2号機、3号機の稼働も含まれています。
 結局、適合性申請は原発稼働への一歩、プロセスであることは明確ではありませんか。
 以上の立場から、島根原発3号機の新規制基準適合性申請に係る事前了解願いを了承することには反対であります。あわせて、事前了解を了承しないことなどを求めた請願・陳情については、採択すべきことを主張するものであります。
 最後に、原発稼働の条件は「ゼロ」であることについて申し述べます。
 一つに、どの世論調査でも、原発稼働反対は圧倒的多数の市民の声であります。
 二つに、福島原発事故から7年が経過したものの、事故原因は未だに未解明であります。新規制基準には、福島事故の教訓が反映されていません。事故原因、原子炉の状態もわからないのに、安全な基準などつくれるわけがないではありませんか。
 三つに、使用済み核燃料や核のゴミの処理方法は未確立であり、核燃料サイクル・プルトニウム利用計画の破たんは明らかであります。
 四つに、科学者は「日本列島は地震の活動期に入った」と警告しています。原発直下には宍道断層と鳥取沖断層が走っています。これらの活断層は140キロにも及んでいます。また、科学者は、山陰地方の地下には「ひずみ集中帯」が存在し、未知なる活断層の危険性も指摘しています。自然の脅威に対して、謙虚であらねばならないことを強調するものであります。
 五つに、実効ある避難計画は未策定であります。
 六つに、不正・不祥事続きの中国電力に対し、「全国最多の不正を続ける中電に原発を運転する資格はない」との厳しい声が上がっています。
 このような中で、県として原発稼働を決定し、原発事故が起これば、それは、県が引き起こした「人災」になるではありませんか。
 県政は、国の原子力政策に無批判・迎合であってはなりません。国政が県民の命と安全を脅かす時、間違った国の政治に立ち向かうことこそ自治体の使命・魂であります。
 さらに、県政は、政策決定の根本・土台に、基本的人権を保障した憲法と住民の安全を守ることこそ自治体の使命と規定した地方自治法を据えるべきです。
 言いかえれば、原発問題の判断基準に「県民の命と安全を守ることができるのか」「県民の理解と合意はあるのか」の2点をモノサシとすべきであります。
 私は、県民の命と安全を守ることに責任を持つ県議として、危険な原発稼働に突き進むあらゆる動き、いかなる策動も断じて容認することはできません。「原発ゼロの島根」の実現こそ、県民の願いであり、島根が進むべき道であることを強調して討論を終わります。
尾村としなりの政策 プロフィール 1962 年大田市生まれ。
1985 年北九州市立大学法学部政治学科卒業後、松江民主商工会に就職。
島根県商工団体連合会事務局長、消費税廃止県各界連絡会事務局長、日産生命被害者の会事務局長など歴任。

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