2020 年 9 月定例会 知事提出議案、請願等に対する討論

 2020年(令和2年)9月定例会討論[2020年10月2日]
 議事録及び録画中継は県議会のホームページにてご覧になれます。
 http://www.shimane-pref.stream.jfit.co.jp/

 日本共産党の大国陽介です。会派を代表して、条例案2件、一般事件案1件、請願1件について委員長の報告に反対の討論を行います。

【第113号議案「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例の一部を改正する条例」、第114号議案「住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例」】

 はじめに、第113号議案「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例の一部を改正する条例」並びに第114号議案「住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例」についてであります。
 これらの条例改定は、高等学校の専攻科の生徒に対する国の就学支援制度が開始されたことに伴って、マイナンバーを利用する県の事務に就学支援金や奨学のための給付金の支給事務を追加し、マイナンバーを利用した情報連携により県が独自に保護者の所得状況を把握できるようにするためのものであります。
 マイナンバー制度は、住民登録をしている全員に生涯変わらない12桁の番号を割り振り、社会保障や税の情報を国が一括管理するものです。行政手続の利便性向上のためなどとの利点が強調されますが、一人一人の社会保障の利用状況を国が一体で把握し、社会保障費の抑制、削減を効率的に進めようとするのが本当の狙いであります。
 政府は、マイナンバー制度の仕組みを拡大する動きを強めていますが、いくら宣伝しても個人情報の漏えいやカードの紛失や盗難といった国民の不安はぬぐえず、顔写真付きの「マイナンバーカードを」取得した人は、9月1日現在で19.4%にとどまっています。
 情報漏えいを100%防ぐ完全なシステムを構築することは不可能であり、情報が集積すればするほど価値が高まり、何者かに常に狙われることになります。国民監視を強化し、個人情報漏えいの危機にさらすマイナンバー制度は、今からでも中止すべきであると考えます。よって、利用拡大のための本条例改定には賛成できません。

【第118号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」】

 次に、第118号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」であります。
 本議案は、市町村に対し、建設事業に要する経費の一部を負担させることができるとした地方財政法や道路法などに基づき、県が行う建設事業に対して市町村の負担割合を定めるものであります。砂防事業の急傾斜地崩壊対策事業や都市計画事業の街路事業、農業・農村整備事業の防災ダム事業など、防災や広域的な役割を果たす事業、産地や農地の保全は、本来、県が行うべきものであり、市町村に過大な負担を求めるべきではありません。市町村負担のあり方を抜本的に見直すとともに、廃止を検討すべきであります。
 よって、可決とした委員長の報告には賛同できません。

【請願第17号「現行少人数学級制度縮小計画の凍結を求める請願書」】

 最後に、請願第17号「現行少人数学級制度縮小計画の凍結を求める請願書」についてです。
 本請願は、来年度から予定されている少人数学級制度の縮小の「凍結」を求めるものであります。
 今、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、「新しい生活様式」「身体的の距離の確保」が呼び掛けられるもと、子どもたちが長時間を過ごす学校のあり方が議論されるようになり、国政では、間違いなく少人数学級を前進させる方向で動いています。
 少人数学級をめぐり、7月には全国知事会・市長会・町村会の3会長が政府に少人数学級実施を要請しました。全国の小・中・高・特別支援の4つの校長会も少人数学級を文部科学大臣に要望しました。そして、8月25日、政府の教育再生実行会議が開催され、委員から「少人数学級をすすめ、30人未満の学級にしてほしい」との意見が出され、文部科学大臣は「多くの人が方向性として共有できる課題。できることから速やかに行っていきたい」と述べ、必要な予算要求を行う考えを明確にしました。さらに、9月24日、自民党の教育再生実行本部も30人学級の導入を求めることを決議し、来年度当初予算で必要な財政措置の検討と学級規模を定めている義務標準法の改正を求めました。
 一方、本県では、本年2月議会で、教職員や保護者の反対を押し切って、来年度からの少人数学級編制の縮小を決定しました。その後、コロナ禍を経験し、学級のあり方が改めて問われているも関わらず、再検討しようともせず、2月議会での決定に今なお固執しています。情勢が激変している中での本県の姿勢は、現場の願いに反し、国全体の流れにも逆行するものと言わざるを得ません。
 本県における少人数学級編制の縮小は、今からでも一度立ち止まり、再検討すべきであります。
 よって、請願は採択すべきであり、不採択とした委員長報告に反対であります。
 以上であります。
尾村としなりの政策 プロフィール 1962 年大田市生まれ。
1985 年北九州市立大学法学部政治学科卒業後、松江民主商工会に就職。
島根県商工団体連合会事務局長、消費税廃止県各界連絡会事務局長、日産生命被害者の会事務局長など歴任。

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