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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2025 年 11 月定例会一般質問 (憲法の精神に基づく県政運営について、国保滞納者への対応について、議案 151 号「教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例等の一部を改正する条例」(給特法) について、教員の働き方改革について、島根原発について)

12日前 2025-12-03 この記事を印刷
 日本共産党の尾村利成でございます。

【1.憲法の精神に基づく県政運営について】

 質問の第一に、憲法の精神に基づく県政運営について伺います。
 日本国憲法が定める恒久平和の理念、特に前文および第九条の精神こそ、我が国の進むべき道であり、県政運営の根幹となるものであります。また、国民主権を具現化する民主主義は国民が主人公の政治の基盤であります。
 しかしながら、近年の国際情勢の緊迫化を背景に、政府・与党の一部からは、専守防衛の原則を逸脱する敵基地攻撃能力の強化や、「非核三原則」の見直しを示唆する発言が相次いでいます。こうした動きは、戦後日本が築き上げてきた平和国家としての基盤を揺るがすものであり、我が国は歯止めのない軍拡競争へと引き込まれる危険性がこれまでになく高まっています。
 本県もその例外ではありません。境港が米軍の利用を前提とした特定利用港湾に指定され、出雲駐屯地や高尾山分屯地においても着々と施設の強靭化が進められています。また、県西部では、日常的に米軍による低空飛行訓練が行われ、住民生活が脅かされています。
 このまま、政府の防衛政策が軍事力強化へと大きく傾けば、こうした施設が有事の際の最前線拠点として利用される可能性が高まるとともに、米軍による無法な低空飛行訓練がさらに頻繁になるなど、県民の生命と財産が極度の危険に晒されることになります。
 これは、県民の安全を最優先に守るべき自治体の責務に反し、何よりも県議会が平成20年(2008年)9月定例会で採択した「「島根県非核平和宣言」に関する決議」、さらには、平成21年(2009年)11月定例会で採択した「核兵器の廃絶と恒久平和を求める意見書」の考えと真っ向から対立するものであります。
 また、自民党と維新の会の連立政権では、国民が主人公となる政治、国民主権の理念も危機に瀕しています。自民、維新連立政権が連立にあたって合意した「衆議院議員定数の削減」は、議会制民主主義の根幹を揺るがす問題であります。
 以上を踏まえ、県民の安心・安全を守り、平和憲法や国民が主人公の政治の精神を堅持するため、以下、知事の所見を伺います。
 非核三原則は、唯一の戦争被爆国である日本の国是であり、国際社会に対する平和への誓いの証です。この原則を見直す、あるいは形骸化するいかなる動きも断固として認められません。
 非核三原則の見直しは、島根県議会として「世界唯一の被爆国として核兵器の廃絶を世界に強く訴え、戦争も核兵器もない平和な世界を実現するために全力を尽くす」と宣言した「島根県非核平和宣言に関する決議」、さらに「国是である非核三原則を堅持する」ことを国に求めた「核兵器の廃絶と恒久平和を求める意見書」に反するものではありませんか。所見を伺います。
 知事は、地方自治体の代表として、この原則を堅持し続けるよう国に要請するなど、核兵器の脅威から県民を守るための防波堤としての役割を果たすべきであります。所見を伺います。
 美保基地や出雲駐屯地等が、専守防衛の範囲を超えた攻撃的な能力を有する軍事拠点となることは、県民の安全を著しく脅かすものであり、これらの基地が攻撃目標化され、県民を巻き込むリスクを増大させます。知事は、基地機能の拡大や軍事力強化につながる国の計画に対し、県民代表の立場から明確に反対の意思を表明し、計画の撤回を国に求めるべきであります。所見を伺います。
 米軍の低空飛行訓練は、騒音被害、墜落の危険性、そして日本の主権下における軍事活動への関与という点で、長年にわたり県民生活に重大な悪影響を与えてきました。現在の軍拡基調のもとでは、これらの訓練はさらに頻繁、かつ、危険になることが懸念されます。県民の安全と平穏な生活を守るため、米軍の飛行訓練の即時中止に向け、これまでのように単に国にその中止を求めるだけでなく、同様の問題を抱える自治体と連携した活動をさらに拡大・強化するとともに、県としてその無法な実態について積極的に公表するなど、広く世論に訴える取組を進めるべきと考えます。所見を伺います。
 自民党と維新の会が「連立の絶対条件」として、強引にすすめようとしている「衆議院議員定数の削減」は、国民の民意、とりわけ地方の声を切り捨てる暴挙ではありませんか。
 国会議員定数のあり方は、国民の代表をどう選ぶかという選挙制度の根幹をなす問題です。選挙制度は民主主義の土台であり、国民の参政権そのものです。国民的な議論が欠かせません。知事の所見を伺います。
 定数削減は、政治家の身を切るものではありません。切られるのは民意です。身を切る改革というならば、憲法違反の政党助成金を廃止し、企業・団体献金を禁止すべきことを強調して次の質問に入ります。

【2.国保滞納者への対応について】

 次に、国保滞納者への対応についてです。
 従来の保険証の新規発行停止に伴い、国保料(税)滞納世帯に対しては、これまでの保険証取り上げの措置から、窓口で医療費をいったん10割負担で支払い、事後に市区町村から7割分の特別療養費の支払いを受ける措置に変更しています。しかし、困窮世帯にとって10割負担は過酷で、受診を控えて病気が重症化する恐れもあります。
 本年6月1日で、県内において、医療費の10割負担となる資格証交付世帯(特別療養費支給対象)は12市町で328世帯にも及んでいます。
 いまインフルエンザが流行し、新型コロナの感染者も依然として発生しています。このような中、感染拡大防止のためにも、誰もが安心して必要な医療が受けられるようにすることは、政治の責任です。
 このような中、厚生労働省は10月17日、国民健康保険料(税)の滞納で、医療費の窓口10割負担となった世帯から、自己負担が困難だとの申し出があれば、自治体の判断で負担を3割にできるとする事務連絡を全国の自治体に出しました。
 今回の事務連絡では、国保料(税)の滞納世帯が医療を受ける必要が生じ、「医療機関に対する医療費の一時払い(10割負担)が困難である旨の申し出が行われた場合」、自治体の判断で「特別療養費の支給に代えて療養の給付等を行うことができる」と明記されています。
 具体的には、受診の必要性を訴えて来る滞納者には臨時に「資格確認書」を交付し、「3割負担」などで医療を受けられるようにすることであります。
 本通知は、生活困窮者の医療受給権を守るものであります。滞納世帯の医療機関での窓口負担を3割にできる本事務連絡が適切に運用されるよう市町村に周知徹底すべきであります。さらに、医療費の全額を自己負担することができない滞納者にも本通知内容を周知徹底すべきであります。所見を伺います。

【3.第151号議案「教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例等の一部を改正する条例」(給特法)について】

 次に、第151号議案「教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例等の一部を改正する条例」(給特法)についてです。
 この条例は、本年6月の国会で改定された公立学校給与特措法に基づくもので、教職調整額をわずかに引き上げるだけで、教員への残業代不支給、「定額働かせ放題」という教育現場の疲弊の根本原因を追認するものであります。
 この問題は、先の9月県議会で、「教員残業代ゼロ制度の廃止を求めた」わが党の大国県議の質問に対し、教育長は「教員の業務は、自発性、裁量性に委ねる部分が大きい。授業準備や教材研究等がどこまで職務であり、どこまでが自己研鑽なのか、精緻に切り分けることも困難とし、一般行政職等と同様の時間外勤務命令を前提とした勤務時間管理は適さない」などと答弁しました。すなわち、「定額働かせ放題」は変えないとする国の考え方に理解を示したのであります。
 こうした国の方針や県の姿勢に対して現場の教員からは、「命を削って働く現場の教員の声に寄り添っていない」「定額働かせ放題を放置することで、教員を目指す若者がますます減ってしまう」「時間外労働があるにもかかわらず、超勤手当を支払わないとしていることは、明らかな労働基準法違反です」などの多くの怒りと落胆の声が寄せられているのであります。
 「定額働かせ放題」を放置する改正給特法は、現場の教職員にどのように受け止められ、教員を目指そうとする若者からどのような声が上がっているのか、伺います。また、現場の教員の信頼感を取り戻すために、今後、どのような取組を進めていくのか伺います。
 また、給特法の改定において、教職調整額がわずかに引き上げられる一方で、その財源とするため、義務教育等教員特別手当の削減や、多学年学級担任手当の廃止が行われます。また、学校現場へ新たに「主務教諭」を置くことで、賃金の階層構造が持ち込まれ、トップダウンの学校運営が強まり、集団的な協力協同の関係が阻害されることが危惧されます。このように、給与を削減される教員の犠牲や管理教育の強化によって進められる給特法の改定は、学校現場に対立と分断を持ち込むものであり、「チーム学校」運営に逆行するものではありませんか。所見を伺います。
 そもそも、このように学校現場での長時間労働が常態化している背景には、現場の教員不足があります。長年に亘って、この根本的な不足の問題に目をつむり、場当たり的な対応に終始してきた国の対応の延長線に、今回の給特法の改定は位置づけられるのではありませんか。教員の長時間労働を是正するために、教職員の定数を抜本的に増やすことが必要であり、現場の切なる願いではありませんか。所見を伺います。

【4.教員の働き方改革について】

 次に、教員の働き方改革について伺います。
 給特法改定において、国は、全自治体に「教育職員の業務量管理・健康確保措置実施計画」の策定を義務付けました。そして、2029年度までに時間外勤務を平均1か月30時間程度にする目標を盛り込みました。
 しかし、国は教職員定数増など長時間労働縮減のための具体的な支援策など条件整備を示していません。このような中で、教育委員会と校長に「時間外在校等時間」減少の改善計画策定と公表、実施状況の公開を丸投げすれば、時短ハラスメントの横行や持ち帰り仕事の増加が懸念されるではありませんか。
 今でも現場の勤務実態は、超過密であり、労働基準法に反する勤務実態が横行しています。
 その実態は、昨年、県が調査した「教職員の休憩時間及び持ち帰り仕事等の実態調査」において、衝撃的な実態が浮かび上がったのであります。
 その内容は、休憩時間の取得状況について「全く休憩できなかった」と回答した教員が小学校で約4割にも上っている厳しい勤務状況であります。
 労働基準法第34条では、休憩時間を規定しており、「労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は60分以上の休憩を与えること」が義務付けられています。
 一方で、教育現場において常態化している「休憩が取れない」という実態は、労働基準法違反の状況が続いているということになります。教育現場で、休憩時間が取れないという労働基準法に反する実態を教育長はどう捉えていますか。このことが教員の心身を壊し、さらには児童、生徒に対する教育・指導において大きな弊害になっていると考えます。所見を伺います。
 また、教員の持ち帰り残業の状況も深刻です。県の調査では、すべての学校の平均で月10.4時間もの持ち帰り残業が行われている実態が明らかになりました。
 こうした学校現場の実態は、「教員の自発性、裁量性に委ねる部分が大きい」ということを方便に、「定額働かせ放題」を放置した結果ではありませんか。所見を伺います。
 また、今後、県が策定する業務量管理・健康確保措置実施計画において、こうした「定額働かせ放題」による弊害の是正に向けてどのような取り組みを進めていくのか、所見を伺います。

【5.島根原発について】

 最後に、島根原発についてです。
 昨年12月7日、県民の反対を押し切って、島根原発2号機が13年ぶりに原子炉を起動し、1年が経とうとしています。原子炉が起動した直後の12月12日には、「原子炉水位計の指示値が上限を超えて監視できなくなる」というトラブルが発生しました。そして、その2か月後の2月20日には、「原子炉格納容器の水素濃度が監視できない」状態に陥りました。原子炉の起動後、中国電力はすぐに度重なるトラブルを引き起こし、再稼働に対する県民の不安が高まりました。
 さらに、10月20日には、新燃料の受取検査の際、核燃料を床に転倒させ、負傷者が出る事態が発生しました。燃料転倒の直接原因は「転倒防止用の金具やロープの付け忘れといった初歩中の初歩のミス」であります。これら、この1年の一連のトラブルに対し、中電に対する県民の不信が高まっています。中電は、言葉では安全最優先と言うものの、現場では初歩的なトラブルが繰り返されており、「原発安全神話」に浸かりきっていると言わざるを得ません。
 原発の安全性を考える上で、これらトラブルをハインリッヒの法則に鑑みて考えなければなりません。ハインリッヒの法則は「一つの重大事故の背後に、29の軽微な事故があって、その背景に300の異常が存在する」と警告しているのであります。
 トラブルで始まりトラブルで終わるような、中国電力に危険な原発を動かす資格はありません。このまま運転を続けたら、いつか大事故に繋がりかねないのではないでしょうか。中電がトラブルを起こす背景には、「原発を最大限活用する」とする国の原子力政策への依存と追従、利益優先・安全軽視の企業体質、この地域で電力供給をほぼ独占する特権意識とおごりがあります。中国電力がこれら悪弊と決別するための県としての抜本的な対策を求めます。所見を伺います。
 トラブルが相次ぐ中、中国電力は9月30日に2040年までの新たな経営ビジョンを示しました。その中では、2号機の40年を超える運転延長、2030年度までに島根原発3号機の営業運転開始を目指すことを公言しています。
 島根原発2号機は運転開始から、まもなく37年目を迎える老朽原発であります。圧力容器や配管の劣化は進行し、事故のリスクは増大しており、いつ不測の事態が起きるかわかりません。老朽原発の運転延長など有り得ないと考えます。所見を伺います。
 不適切な事案を繰り返し、安全を軽視する中国電力に、原発を運転する資格など全くありません。ましてや、新たに3号機の稼働を容認することなど有り得ないではありませんか。知事の所見を伺って質問を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画