2026 年 6 月定例会 知事提出議案、議員提出議案に対する討論
12日前 2026-07-02 この記事を印刷
日本共産党県議団を代表して、条例案4件について反対討論を行います。
はじめに、第80号議案「特別職の職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」並びに、議員提出第4号議案「議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当支給条例の一部を改正する条例」についてです。
これら2つの条例改定案は、特別職及び議員の報酬額を引き上げるためのものであります。
今、燃油や資材、食料品や日用品など、あらゆる物価が上昇し続けています。年金の実質的な減額や医療費の負担増などの社会保障の負担も増え続け、県民の暮らしと中小業者の経営は、厳しさを増しています。
厚生労働省が行う毎月勤労統計調査によれば、本県の実質賃金指数は、減少傾向が続き、2020年を100とした場合、2025年は91.8と、大きく減少しています。物価の上昇に賃金が全く追い付いていません。
いま政治に求められているのは、円安の是正を含む経済政策の抜本的転換、消費税の減税、医療・福祉の公定価格の引き上げをはじめとした社会保障の充実、そして労働者の賃上げと処遇改善を進めることです。実効ある対策が十分講じられていないもとで、知事や議員の報酬を引き上げることに、県民の理解は得られないものと考えます。
よって、これらの条例改定には賛成できません。
次に、第81号議案「特定地域の振興を促進するための県税の課税免除等に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
本条例改定案は、地域再生法に基づく県税の課税免除等に係る減収補填措置の適用期間が延長されたこと等に伴い、本社機能を東京23区内から「地方活力向上地域」に移転する場合、及び既存企業が本社機能を拡充する際において適用している、事業税、不動産取得税、固定資産税の3つの県税の課税免除及び不均一課税を、令和10年度末まで延長しようとするものです。
所得に応じて、あるいは所有資産に応じて税を納めるのは、民主社会における税制の大原則であり、一部の体力ある企業を税で優遇することは、これに反するものと言わざるをえず、本条例改定には賛成できません。
国は、『東京圏への過度の人口の集中を是正する』といいながら、規制緩和による大規模再開発と公共投資による東京一極集中は聖域としています。地方の疲弊と東京一極集中を作り出したこの間の政策の総括も反省もありません。
いま行うべきことは、住民自治を発揮してがんばる自治体を応援することであり、農林水産業など地域資源を活用した仕事と所得の確保、すべての小規模事業者への支援、条件不利地域への地方交付税の大幅拡充、大都市圏の大型開発の見直しと地域密着、防災・維持管理優先の公共投資への転換こそ必要であることを強調するものです。
次に、第85号議案「島根県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部を改正する条例」についてです。
本条例改定は、国の基準改定に伴い、保育所や認定こども園における職員配置基準について、新たに理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理担当職員等を配置基準上の保育士とみなすことができるようにするものです。これまで看護師や保健師に認められてきた、いわゆる「みなし特例」の対象をさらに拡大する内容となっています。
国はその理由として、障害のある子どもや医療的ケア児の利用増加を踏まえ、専門的支援の充実と受け入れ体制の強化をあげています。しかし、保育士と理学療法士等の専門職は、それぞれ異なる専門性と役割を担う職種であり、本来は互いに代替(だいたい)できるものではありません。
障害のある子どもや医療的ケア児への支援を充実させるためには、配置基準上必要な保育士を確保したうえで、理学療法士等の専門職を追加配置することこそ求められています。今回の改定は、専門職の配置を促進するというよりも、保育士配置基準の例外を拡大するものであり、保育の質の確保という観点から問題があります。
また、「みなし保育士」の対象となる心理担当職員については、「大学や大学院において心理学を専修する学科又はこれに相当する課程を修めて卒業し、個人及び集団心理療法の技術を有する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者」とされており、専門資格の保有を必ずしも要件としていません。専門性の担保という点でも課題が残されています。
障害のある子どもや医療的ケア児への支援の充実は重要です。しかし、そのことを理由に保育士配置基準の例外を拡大するのではなく、保育士の処遇改善や養成・確保対策を強化するとともに、必要な専門職を追加配置できる体制整備こそ進めるべきです。
以上の理由から、本条例改定には賛成できません。以上、討論といたします。