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議会の取り組み

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2003 年 11 月定例会 条例案 [ 給与改定等関係分 ] に対する討論

2003-11-26 この記事を印刷
 日本共産党の尾村利成でございます。

 第154号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」、第155号議案「県立学校の教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、第156号議案「市町村立学校の教職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例」、第158号議案「職員の期末手当の特例に関する条例」、第159号議案「企業職員の給与の種類及び基準に関する条例」の5件について反対いたします。

 以下、その主な理由を申し述べます。

 1990年代に政府が地方自治体に押し付けた大型公共事業最優先の施策は完全に行き詰りました。本県においても「有利な起債」などといって国の誘導策に乗り、借金で大規模プロジェクトに多額の血税を投入し続けてきました。

 この結果、結局残ったのは、自然と環境が破壊されたままの中海・宍道湖、県内各地に売れ残った工業団地、飛行機が飛ばない農道空港、そして雪だるまのように膨れ上がった借金であり、県財政破綻の危機であります。

 このような大型開発優先の財政運営を続けてきた澄田県政の責任は重いものがあります。同時に、知事の財政運営にものを申さず、承認してきた県議会の責任も免れるものではありません。

 今、県は財政健全化の名のもとに福祉や教育の予算を削減し、補助金の廃止・縮減など市町村や県民にさらなる痛みを押し付けようとしています。そして、人件費総額抑制策として、10年間で約500人の職員定員を削減し、本年平成15年から平成17年の集中改革期間に職員給与を3%から5%削減した上、さらに職員の給与や期末手当、扶養手当などの諸手当を引き下げようとしています。

 財政破綻のツケを何一つ責任のない県民や県職員に転嫁することは許せません。

 私は、県のすすめる職員定員の削減が県職員の労働実態をはじめ業務量と乖離し、ひいては県職員の健康破壊をはじめ県民サービスの低下につながることを憂慮するものであります。また、相次ぐ職員給与の削減が職員の士気や組織の活性化・行政能力の低下につながりかねないことを危惧するものであります。

 県職員給与は、公務員労働者の生活だけでなく、年金、恩給の基礎となり、この引き下げは、広く県民生活に影響を与えるものであります。そして、この引き下げは何より民間賃金に波及し影響を与えるもので「賃下げの悪循環」を招くものであります。

 よって、給与引き下げ等の条例案5件について反対するものです。

 本県財政を健全化するためのあるべき方向は、くらしや福祉の予算を縮小し、人件費総額を抑制することではなく、大型公共事業について徹底した見直しを行い、不要・不急の事業については勇断をもって中止することです。そして、住民奉仕、くらし、福祉を守るという自治体本来の姿を取り戻し、県民のくらしと営業を立て直してこそ財政再建の展望が生まれることを強調して討論を終わります。

 以上でございます。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画