2003 年 11 月定例会 知事提出議案、請願に対する討論
2003-12-16 この記事を印刷
日本共産党の尾村利成でございます。
第139号議案「島根県行政機関等設置条例の一部を改正する条例」、第143号議案「島根県電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例」、第144号議案「知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」、第146号議案「島根県花振興センター条例」、第151号議案ならびに第152号議案の歴史民俗博物館建設工事にかかる「契約の締結について」の6件について反対いたします。
次に、請願についてです。請願第26号「児童の権利条約の趣旨にそって、父母負担の公私間格差是正など私学助成政策の抜本的拡充を求める請願」のうち、授業料一律助成の新設を求める請願項目について委員長報告は不採択ですが、採択を主張いたします。
以下、その主な理由を申し述べます。
「島根県行政機関等設置条例の一部を改正する条例」について
まず、第139号議案「島根県行政機関等設置条例の一部を改正する条例」についてです。
本案は、新行政システム推進計画に基づき行政組織の簡素化を図るため、広瀬、仁多の土木事務所と、大田、津和野の土木建築事務所を事業所化するものです。これら地方機関の縮小について、関係住民や業者から利便性の低下や許認可事務の遅延など県民サービスの後退を憂慮する声が強く出されており容認できません。
「島根県電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例」ならびに「知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」について
次に、第143号議案「島根県電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例」ならびに第144号議案「知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
電子自治体システムは、開発から保守管理、運用まで民間に一括委託され、集約された情報が、いつどこで漏れるかわからず、プライバシー権や個人情報保護の点から問題があります。そして、オンライン化に伴う住民基本台帳ネットワークシステムの稼動は、情報管理の懸念や個人情報漏洩の危険性など様々な問題点が指摘されています。よって、住基ネットによる行政オンライン化の措置を定め、その措置を具体化するこれらの条例には反対です。
「島根県花振興センター条例」について
次に、第146号議案「島根県花振興センター条例」についてです。
本案は、地方自治法の改正により、指定管理者制度が導入されたことに伴い、県民の税金で建設された公の施設である花ふれあい公園の管理を民間に代行させるものであります。
しかし、運営管理にあたり、指定管理者である民間会社が、赤字を出し、当該施設を投げ出したり、倒産した場合の負債は誰が背負うのか、また、不公正な運営があった時の対応などをどうするのか、など不明確です。即ち、県民サービスの確保と行政責任の後退や公共性を危うくする危惧がぬぐえず、反対するものです。
歴史民俗博物館建設工事にかかる「契約の締結について」
次に、第151号議案ならびに第152号議案の歴史民俗博物館建設工事にかかる「契約の締結について」であります。
私は、決して、古代文化を中心とする歴史文化の保護保存や伝承を否定するものではありません。しかし、今日の県財政危機のもと、県民には福祉や医療の削減などの痛みを強要し、県職員には定数削減と相次ぐ給与引き下げの人件費抑制策が押し付けられています。また、歴博と古代文化研究センターは、一体整備により、その歴史的文化的価値が相乗化し、建設・維持管理コストの縮減が期待できるとされてきました。この点でも分離建設の理由が不透明であり、県民合意が得られていません。よって、この契約締結には賛成できません。
「児童の権利条約の趣旨にそって、父母負担の公私格差是正など私学助成政策の抜本的拡充を求める請願」について
最後に、請願第26号「児童の権利条約の趣旨にそって、父母負担の公私格差是正など私学助成政策の抜本的拡充を求める請願」についてであります。
県下の私立高校は、県内の教育の発展に重要な役割を果たしてきました。しかし、私立高校の初年度納入金は、公立高校の3倍をこえており、父母負担の公私間格差是正のための補助の拡充が求められています。
ここ数年、不況のため授業料が払えず、泣く泣く退学する生徒、経済的理由で修学旅行を辞退する生徒が増加しています。
よって、1607人の願意を署名に添えて授業料一律助成の新設など私学助成を求めた本請願は不採択ではなく、採択されることを主張いたします。
以上で、議案および請願についての討論を終わります。