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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2004 年 12 月定例会 条例案、一般事件案、請願に対する討論

2004-12-17 この記事を印刷
日本共産党の尾村利成でございます。条例案9件、一般事件案1件、請願2件について委員長報告に反対する討論を行います。以下、その主な理由を申し述べます。

第166号議案「出雲市、平田市、簸川郡佐田町、同郡多伎町、同郡湖陵町及び同郡大社町の合併による出雲市の設置に伴う関係条例の整理に関する条例」
第187号議案「市町の廃置分合について」

 まず、第166号議案「出雲市、平田市、簸川郡佐田町、同郡多伎町、同郡湖陵町及び同郡大社町の合併による出雲市の設置に伴う関係条例の整理に関する条例」ならびに第187号議案「市町の廃置分合について」であります。

 市町村合併は、それぞれの自治体の歴史に終止符を打ち、新たな自治体をスタートさせる一大事業であり、住民のくらしにとって重大な岐路となるものであります。合併の成否は、どれだけ住民に正確な情報が提供され、住民合意が十分になされてきたかどうかにあります。

 しかし、今回の市町村合併は、住民自治の主体者である地域住民の意思から生まれたものでも、団体自治の担い手である地方自治体の意思から生まれたものでもなく、国による上からの押しつけであることは明白です。事実、この間の政府による市町村を無理やり合併に追い込むための財政締めつけ、そして三位一体改革の名のもとによる地方交付税の大幅削減など地方自治体切り捨ては目に余るものがあります。

 このたびの合併に私が反対する理由は、一つに、市町村合併によって自治体リストラをすすめ、国の地方に対する財政支出の大幅な削減をねらっていること。二つに、自主的合併と言いながら、国・県が強力に合併誘導し、地方自治の精神を逸脱していること。三つに、合併の是非を問う住民投票に背を向け、住民意思を確認する場が無く、合併に対する住民論議、住民合意が不十分であったからであります。

 よって、これら条例案には賛成できません。

第168号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」
第175号議案「島根県国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例」
第176号議案「島根県国民保護協議会条例」

 次に、第168号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、第175号議案「島根県国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例」、第176号議案「島根県国民保護協議会条例」についてであります。

 二〇〇四年六月に成立した国民保護法は、米軍、自衛隊が軍事活動を自由に行うため、「国民保護」の名で国民を統制、管理、動員する法律に他なりません。武力攻撃事態法では、日本が攻撃を受けていない状況、即ち「予測事態」であっても政府が「武力攻撃事態等」と認定すれば自衛隊は行動を開始し、国民を動員できる仕組みとなっています。

 国民保護法第八章第172条は「緊急対処事態における緊急対処保護措置の的確迅速な実施」を規定しています。つまり、米軍が日本周辺で軍事介入したり、イラク侵略戦争のような戦争を起こしても、政府がこれを「武力攻撃予測事態」と見なせば、自衛隊を戦闘地域にまで出動させて米軍を支援し、この作戦に政府機関、自治体、民間企業、国民を動員することができる枠組みをつくりました。そして、自治体、民間企業が政府の命令に従わなければ、政府が代わりに実行できる代執行権を定め、その上、懲役刑や罰金をもった罰則までも定めています。
国民保護法は、有事に備えるためということで、各自治体において「国民の保護に関する計画」策定を義務付けることを通じて、実際には「平時の有事化」が進行し、「訓練」などを通じて戦争遂行を可能にする国民や自治体をつくりだすことを狙っています。

 よって有事関連法制定に伴って、国、地方公共団体、指定公共機関の責務を定め、国民に戦争協力させる動き、自治体に戦争動員計画を押し付ける動き、そしてその具体化を規定する条例案には反対です。

第171号議案「島根県保健所条例及び島根県行政機関等設置条例の一部を改正する条例」

 次に、第171号議案「島根県保健所条例及び島根県行政機関等設置条例の一部を改正する条例」についてです。
 
 本条例制定の背景は、本県財政が危機的状況にあるため中期財政改革基本方針に沿って行政の効率化、スリム化として地方機関を見直すことにあります。福祉事務所の統廃合は、住民サービスの低下につながり容認できません。

第173号議案「島根県水と緑の森づくり税条例」
第181号議案「島根県水と緑の森づくり基金条例」

 次に、第173号議案「島根県水と緑の森づくり税条例」及び第181号議案「島根県水と緑の森づくり基金条例」についてです。
 
 水源かん養、森林保全の推進は当然の事です。しかし、水と緑の森づくり税は、県民税均等割の一律引き上げです。この均等割一律引き上げは、税制面で考えた時、所得の低い人ほどその税負担割合が重くなる不公平な税であります。よってこれら条例案には反対であります。

第180号議案「地域農業改良普及センター条例を廃止する条例」

 次に、第180号議案「地域農業改良普及センター条例を廃止する条例」についてであります。
 
 農業改良助成法改正は、地域農業改良普及センターの必置規制を廃止するものであり、普及事業の縮小、後退であります。
 
 よって法改正に伴う本条例廃止には反対であります。

第183号議案「島根県手数料条例の一部を改正する条例」

 次に、第183号議案「島根県手数料条例の一部を改正する条例」についてであります。
 
 本条例は、地方公共団体の手数料の標準に関する政令改正に伴うものであります。二級建築士及び木造建築士試験の受験申込者数の減少による財団法人建築技術教育普及センターの財務状況悪化を即、手数料引き上げによって安易なる解決をはかるべきではありません。
 
 よって、本条例改正には賛成できません。

請願第46号「介護保険制度の改悪に反対し、改善を求める請願」

 次に、請願第46号「介護保険制度の改悪に反対し、改善を求める請願」についてです。
 
 介護保険は、来年四月に五年目の見直しの時期を迎えます。政府は社会保障審議会の介護保険部会報告を受け、通常国会に向けて見直し法案の準備をすすめています。その内容は、在宅介護サービスの利用の制限と介護サービスの利用料の大幅値上げです。
 
 介護サービス利用者が安心してサービスが受けることができ、また、「福祉は人」であり介護労働者の労働条件を改善し、福祉保持を使命とする自治体がよりよい介護保険制度にすることを求めた願意は不採択ではなく、採択すべきことを主張します。

請願第48号「児童の権利条約に沿って、父母負担の公私間格差是正など私学助成政策の抜本的拡充を求める請願」

 次に、請願第48号「児童の権利条約に沿って、父母負担の公私間格差是正など私学助成政策の抜本的拡充を求める請願」についてです。
 
 県下の私立中学校、私立高校は、県内の教育の発展に重要な役割を果たしてきました。
 
 今年度私立高校の初年度納入金は公立高校の三倍をこえており、父母負担の公私間格差は、抜本的改善がなされる必要があります。ここ数年、不況のため授業料が払えず泣く泣く退学せざるをえない生徒、経済的理由で修学旅行を辞退する生徒が増加しています。よって、1886人分の願意を署名に添えて授業料助成や私学助成の国庫補助制度の拡充、私立中学校の授業料助成を求めた請願は不採択ではなく、採択されることを主張いたします。
 
 以上で議案及び請願についての討論を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画