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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2005 年 6 月定例会 知事提出議案・議員提出議案に対する討論

2005-07-08 この記事を印刷
 日本共産党の尾村利成でございます。条例案5件、議員提出議案1件について委員長報告に反対する討論を行います。以下その主な理由を申し述べます。
 
 第118号議案「島根県県税条例の一部を改正する条例」

 まず、第118号議案「島根県県税条例の一部を改正する条例」についてであります。本条例改正は、2005年度地方税改正に伴うものであります。

 2005年度地方税改正は、「あるべき税制の構築に向けた改革の一環」として、消費税増税までを含む大増税路線の一部を担うものとして実施されます。

 改正による定率減税の半減は、納税者全体の負担増となり、国民生活に深刻な影響をおよぼすとともに、経済全体への悪影響も避けられないものです。また、65歳以上の高齢者への非課税措置の廃止は、雪だるま式の負担増となって高齢者の生活を直撃します。非課税世帯が課税世帯となることにより、国民健康保険料・税が上がり、介護保険料が連動して値上がりします。

 そして、この間大きな議論となっている福祉医療費助成制度においても、非課税から課税となることにより、対象者にとっては大幅な負担増となるではありませんか。

 よって、本条例改正には反対であります。
 
 第124号議案「島根県立知的障害児施設条例及び島根県立身体障害者授産センター条例を廃止する条例」

 次に第124号議案「島根県立知的障害児施設条例及び島根県立身体障害者授産センター条例を廃止する条例」についてであります。

 県立知的障害児施設の社会福祉法人への移管について、施設の保護者の理解は得られていません。県は、この間、説明会を開催し説明責任を果たしたと言いますが、保護者は、民営化により職員が減り、療育水準が低下することを危惧しており、理解と納得は未だ得られていません。このような中にあって、来春に民営化を強行することは許されません。

 県は「民営化は時代の流れであり、県の任務は障害者の自立支援に取り組むこと」と強弁しますが、民営化の狙いは、中期財政改革基本方針に定める行政の効率化、スリム化、即ち自治体リストラそのものではありませんか。民営化により、さざなみ学園、こくぶ学園への県費支出を単年度で4億円弱削減できるからではありませんか。

 県は、県立施設の存続と充実を求めた9万8680人の署名の重み、願意を深く受け止めるべきであります。

 よって本条例には、反対であります。

 付言すれば、先の一問一答質問でも申し述べましたが、県政の主人公は県民であります。この県立障害児施設の民営化に対し、圧倒的多数の県民は反対しています。福祉医療費の負担増においても、市町村の理解はなく、障害者団体の理解はただの一つもありません。

 知事が、本当に県民との協働、県民の声を聞くと強調されるなら、勇断を持って、県立障害児施設の民営化はやめ、本年10月1日実施予定の福祉医療費1割負担増は、撤回されることを強く求めます。

 第125号議案「島根県立古代出雲歴史博物館条例」
 第133号議案「島根県営住宅条例の一部を改正する条例」

 次に第125号議案「島根県立古代出雲歴史博物館条例」ならびに、第133号議案「島根県営住宅条例の一部を改正する条例」についてであります。これらの議案は、古代出雲歴史博物館、県営住宅に指定管理者制度を導入するものであります。

 公の施設は、税金で建てた住民のくらしを支える共同財産であります。そのため、住民の声が直接、施設運営に反映され、県民誰もが安心して利用でき、安定的に運営され、専門性を持つ職員が配置されなければなりません。

 そして、それは地方自治法第244条に規定されるように、住民の福祉を増進する目的を持ってその利用に供するための施設でなければなりません。

 公の施設を公共性を持たず、営利を目的とする民間企業に任せ、代行させて、果たして自治体の責任が果たせるのか、また公共性の担保、住民サービスが維持できるのかなどの危惧がございます。よって、これら条例案には反対であります。

 第127号議案「島根県産業技術センター条例の一部を改正する条例」
 
 次に第127号議案「島根県産業技術センター条例の一部を改正する条例」についてであります。

 本条例は、産業技術センターの設備機器の使用料の上限額を引き上げるものであります。

 今日の不況下において、使用料の上限額の大幅な引き上げは容認できません。

 議員第5号議案「道路整備の財源確保に関する意見書」

 最後に、議員提出第5号議案「道路整備の財源確保に関する意見書」についてであります。

 意見書にあるように、日常生活を支える県・市町村道の整備は、県民の強い願いであります。

 また、高速道路建設は、採算性がなくても地域経済や福祉・医療などの観点からどうしても必要なものについては、交通需要や赤字額などを公表し、国民合意を得た上で国の責任で建設すべきであります。

 道路特定財源は、ガソリンにかかる揮発油税、自動車重量税など、国と地方あわせて5・8兆円もの巨額にのぼっており、電源開発促進税、航空機燃料税などの公共事業特定財源をあわせると7・7兆円にのぼります。

 こうした特定財源という仕組みが、無駄な道路、公共事業を膨張させる仕掛けになっています。

 無駄な公共事業をおさえ、国民の払った血税を有効に使うためにも、道路特定財源は、使い道を特定しない一般財源化すべきであります。以上の立場から本意見書には賛同できません。

 以上で討論を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画