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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2005 年 9 月定例会 知事提出議案に対する討論

2005-10-14 この記事を印刷
日本共産党の尾村利成でございます。予算案2件、条例案1件、一般事件案1件について委員長報告に反対する討論を行います。以下、その主な理由を申し述べます。

 第154号議案「平成17年度島根県一般会計補正予算」

 まず、第154号議案「平成17年度島根県一般会計補正予算について」であります。
 県立障害児・者施設移管円滑化事業費は、先の6月県議会で議決された県立知的障害児施設の社会福祉法人への移管に伴って措置された補正項目であります。
 民営化の狙いは、中期財政改革基本方針に定める行政の効率化、スリム化、即ち、自治体リストラであります。県は、県立施設の存続と充実を求めた9万8680人の署名の重み、願意を深く受けとめるべきであります。
 県は民間移管にあたって、施設に対する5年間の人件費助成や移管後の県職員の継続勤務など激変緩和措置を講じていますが、民営化に対する保護者の不安と危惧は解消されていません。民営化により、現行職員数の減少は避けられず、療育水準低下の懸念は、払拭されておりません。来春、4月1日の民間移管というスケジュールに固執せず、保護者に対する説明責任を果たし、理解と納得を十分に得るべきであります。
よって、本補正については容認できません。

 第169号議案「平成17年度島根県宅地造成事業会計補正予算」

 次に、第169号議案「平成17年度島根県宅地造成事業会計補正予算について」であります。
 本補正は、2008年に島根県旭社会復帰促進センターが開所されることに伴い、旭拠点工業団地に進出した企業への団地外移転に係る補償費等を措置するものであります。

 矯正施設誘致の是非、評価は別として、そもそも工業団地の造成目的は企業誘致であったはずです。総事業費36億円もの県費を使い、その事業目的を達することなく事業変更するにあたっては、県民に対する説明責任を果たし、事業に対する総括と検証を十分に行うべきであります。
 この立場から本補正には賛成できません。

 第176号議案「島根県国民健康保険調整交付金の交付に関する条例」

 次に、第176号議案「島根県国民健康保険調整交付金の交付に関する条例について」であります。
 本条例は、三位一体改革の流れの中で国民健康保険に、都道府県調整交付金を導入するものであります。厚生労働省は、都道府県が交付金を使って市町村の保険料格差をなくし、国保の広域化にすすむ第一歩と位置付け、将来的な都道府県単位での運営を展望しています。

 これまでの国保にかかる医療費の財源は、保険料と国庫負担で半分づつ負担する仕組みでありました。国が負担する50%のうち40%は、定率国庫負担金として、残りの10%は調整交付金として配分されてきました。この調整交付金は、市町村間にある財政力格差を是正するための調整財源であると同時に、保険料の収納率を上げるためのムチとしての役割になっていました。即ち、収納率が低い自治体に対して交付金額を減額するという制裁・ペナルティーを科してきたわけであります。

 国保法改正ならびに本条例改正により、国の定率負担金は40%から、34%に減額され、調整負担金はこれまでの国の10%から、国、県あわせて16%へと増加することとなります。この間の厚労省の方針をみてもこの調整交付金の比率増加は、収納率を向上させるための目的であると言わざるを得ません。
国保料、税の滞納世帯は全世帯の2割近くにのぼり、保険証取り上げも激増しています。今すべき改革は、高すぎる保険料を下げるために公費負担を増やすことであります。
 以上の理由から本条例には反対であります。

 第182号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担」

 最後に、第182号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」であります。
 これは、県が行う建設事業について市町村の負担金負担率を定めるものであります。
 まず、本議案の審査にあたり農林水産部ならびに土木部において、各事業における負担率について各都道府県の負担割合の調査をして頂きましたことに対し、感謝を申し上げるものです。

 砂防事業の急傾斜地崩壊対策事業などの防災関連事業、都市計画事業の街路事業1種ならびに農業農村整備事業の広域農道整備交付金事業や県営ため池等整備事業など山地や農地保全、広域的事業は本来県が行うべきものであり、市町村に過大な負担を求めるべきではありません。
よって本議案には反対であります。

以上で討論を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画