2006 年 11 月定例会 一問一答質問 (国民健康保険事業、県立中央病院、県地域防災計画、災害の被害認定、原発プルサーマルについて)
2006-12-05 この記事を印刷
○議長(倉井毅) おはようございます。これより本日の会議を開きます。日程第1、「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を行います。これより一問一答質問を行います。質問の通告がありますので、議長が指名して順次発言を許します。なお、質問は発言席において、答弁は自席において行うことといたします。また、発言時間は15分以内となっておりますので、遵守願います。尾村議員。
○尾村利成議員 日本共産党の尾村利成でございます。
まず、国民健康保険について伺います。
全国では、国保料の滞納世帯が470万世帯に及んでいます。県内では、国保加入者世帯14万6,000世帯のうち、その1割に当たる1万4,000世帯が滞納であります。保険料未納による制裁措置として、短期保険証が3,800世帯に交付、事実上の保険証の取り上げを意味する資格証明書発行は、1,500世帯を超えています。保険証の取り上げの実態は、一昨日のテレビ、NHKのスペシャルでも取り上げられ、新聞でも2000年以降6年間保険料滞納、受診おくれ、国保停止の11人死亡、そのうち松江で4人死亡と報じるなど、今大きな社会問題になっています。
そこで、伺います。
資格証明書発行に当たり、災害に遭ったとか病気にかかったなどの特別事情の有無の確認、そして弁明の機会の付与など、適正な手続が県内市町村においてとられていますか。その実態を伺います。あわせて、島根県としての所見と市町村に対する助言状況を伺います。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) 国民健康保険料の滞納等の報道もあった、というようなこともありまして、県では独自に、7月に市町村の状況調査を実施したところでございます。この点につきましては、決算特別委員会でも御報告したところでありますが、その調査の結果、世帯主が災害を受けたり、あるいは病気にかかる等の特別な事情の有無を届け出により確認をしていない市町村、あるいは文書により弁明の機会の付与を通知していない市町村、こういったところが見受けられました。
県といたしましては、被保険者の特別な事情を十分把握することは重要なことであるというふうに考えておりまして、本年8月にはすべての市町村に対して文書による改善を求めたところであります。その結果、この間に半数以上の市町村において届け出による確認や、あるいは文書による弁明の機会の付与について、既に改善が行われたというふうに把握をしております。
県といたしましては、届出書あるいは文書によりその対応をするように、引き続き助言をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 市町村に対する適正手続の指導を引き続きお願いしたいと思います。
それから、保険料ないし税の納付意思がある人に対しては、滞納がたとえあったとしても、私は保険証を交付すべきと考えますけども、県の所見を伺います。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) 意思があれば、保険証を交付すべきだと思うが、どうかという点でありますけれども、そもそも保険制度というのは相互扶助によって成立する制度であるというふうに考えております。したがって、災害等の特別な事情がある場合を除いては、その保険料を納付していただくと、これがその制度に加入する前提であるというふうに考えております。したがって、滞納した場合には被保険者証の交付はできないということにならざるを得ないというふうに考えております。
ただ、先ほどありましたように、滞納した保険料を完納した場合とか、あるいは滞納額が著しく減少したときには、改めて被保険者証を交付するということに制度上はそうなっております。したがって、その意思があるかないかのみで、被保険者証を交付することは難しいんではないかというふうに考えておりますが、市町村の個別の判断にかかわる問題でございます。
県といたしましては、市町村において滞納された保険料が確実に納付されると判断する場合、あるいは支払い金額でありますとか、支払いの期間等、客観的な判断をする際の基準と、こういったものを設けて、的確に対応するよう指導、助言をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 それでは、その基準を設けている市町村は現在ありますか。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) すべて承知しているわけではありませんが、例えば浜田市の中にはそういった基準が定められているように承知しております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 国保法の第1条が、その目的として社会保障及び国民保健の向上に寄与する、このように規定しています。国民皆保険、それから憲法第25条の生存権規定の立場に立って、私は納付意思のある人にはこれを交付する、このことをするべきだと思います。
短期証、それから資格証明書の交付の方法が市町村によっては郵送であったり、機械的な対応がまだまだあります。交付後に特別事情を確認したり、受診の抑制が発生していないかなどの実態の把握が、私は今大変必要だと考えるものであります。
市町村に対して、これはさきの決算委員会でも御紹介しましたけども、静岡県が出している被保険者資格証明書の交付についての通知ですね、私はこういう通知を島根県も行って、一層この面での指導なり助言を徹底すべきだというふうに考えていますけども、県の見解をお聞かせください。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) 先ほどの短期の被保険者証、あるいは被保険者の資格証明書、こういったものの発行に当たっては、それぞれの特別な事情があるかないかと、こういったことの確認、これは非常に重要なことであるというふうに考えております。
先ほど申し上げました、8月に各県内の市町村に通知を出したわけですけれども、その中でもこの短期被保険者証あるいは被保険者資格証明書、これを郵送というふうなことによるものではなくって、また一方では市町村の立場から見た場合に、納付相談という観点もございますが、いずれにいたしましても訪問とか、あるいは窓口などで直接交付が望ましいという趣旨のことを文書で通知をしたところでございます。あわせまして、研修会等の場においてもそのように助言をしてきているところであります。
またもう一つは、そういったものの交付の後の問題でありますけれども、交付後においても、世帯の状況を含めて極力その実態把握に努めていくということが重要であるというふうに考えております。より適切に対応するように、市町村に対して指導、助言をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 この間のやはり国の税制改正で、県民の中に大変な問題が起こってると私思うんです。それは税制で言えば、老年者控除が廃止になった。公的年金等控除が縮小された。そして、定率減税がこれが半減、縮小、こういうことです。このことによって、市町村民税が数倍から10倍近く上がる。この増税によって、国民健康保険料も連動して上がっているという状況になってるわけですね。今後定率減税が全廃されれば、一層保険料の値上げの必至という、私はこういう状況があると思うんです。
こういうときだけに、やはり静岡県の通知を見れば、生活が著しく困窮していると思われる世帯については、生活保護担当部署に情報提供等をしてはどうかと、こう言っておりますし、または資格証明書を発行した後に、その国保の加入者だった人が病気になっていないのか、受診を控えていないかなどをしっかりと確認すべきだという通知を出してるわけですよ。通常の担当者会議の指導とあわせて、私は文書での通知を強く求めますけども、どうです。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) 先ほど申し上げましたように、実態の把握っていうのはやっぱり非常に重要なことだというふうに考えておりますので、指導、助言ということに取り組んでいきたいというふうに考えておりますけども、その中で必要があれば文書による通知ということについても考えてみたいというふうに思います。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 ぜひともよろしくお願いいたします。
次に、県立中央病院の問題について伺います。
私は、これも決算委員会で何度か聞いてまいりました。
県立中央病院は2つの異常があった。それは、本来の診療報酬1点10円を1点15円、正確には1点15.75円、15円75銭で患者に請求していたという問題。2つ目の異常という点で言えば、その保険証を持ってこなかった人に対する医療費の精算期間がたったの1カ月しか置いてなかった。こういう問題があるんですね。私はこの点をなぜ何度も追及してくるかというと、この今の県中のやり方というのが、必要な医療はすべて保険で行うという公的医療保険の原則を崩す行為だからです。ここがあるから、私は何度も追求するわけです。
そこで、何点かお聞きします。
県中が私の質問、この間やったことによって、ことしの2月以降は対応を改めた。これは承知しています。精算期間の1カ月という期間を改めて、3年間としましたね、ことしの2月以降。この状況について伺います。
まず1つ目ですが、その2月以降の状況で未持参件数は幾らありますか。そして、そのうち未持参件数と未精算の医療費額という点をまず明示してください。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) ことしの2月から扱いを変えたわけでありますが、ことしの2月から10月までの保険証等の未持参の件数は、3,866件でございます。そのうち約2,700件につきましては、保険証等を提示され、精算が終わっております。未精算件数は、約1,100件ございます。要還付額は、仮に全員の方が3割の負担というふうに仮定をいたしますと、約1,800万円程度になるものと考えております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 大変な金額ですね。その未持参者に対する対応はどういうものですか。それから、病院として精算のためにいかなる努力をしているのか。精算に向けた今後の対応方針をお聞かせください。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) 現状の病院における扱いでございますけども、病院へ受診にお見えになるといった場合に、受付で保険証を持参されていないという方には、受付でまず全額自費による診療になりますということをお話をいたします。そしてまた、保険証を持参いただければ、保険を適用した計算になりますということを明示した文書をお渡しをして説明をしております。
それから、病院で治療を受けられた後、この支払いのときでありますけれども、その際にも3年以内であれば、保険証を持参いただければ、保険を適用して診療費の差額をお返しするということを明らかにした文書をお渡しして、説明をいたしております。
それから、その精算に向けた対応でございますけども、ことしの2月以降の先ほど申しました未持参者の方について、一定期間を経過した方につきましては、精算の手続をされるように、早期に文書でお知らせをするという方法をとりたいというふうに考えております。それとあわせまして、病院の中にもその旨の文書の掲示ということをして、周知を図りたいというふうに思っております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 それじゃ、その精算期間は1カ月のままだという点。本年の1月以前は、そういう対応になってるわけですね。この点で、診療報酬の請求上遡及可能であるはずの平成15年12月までの診療のうち、未持参件数と未精算件数、そして未精算の医療費額は幾らになるのかお答えください。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) 平成15年12月からことしの1月までの間の件数等でありますけども、一つは17年1月に県立中央病院では電子カルテシステム、あるいは情報システムを新しく改良しておりまして、きょうの答弁ではデータは残っておりますけれども、新しいシステムによる17年1月からことしの1月まで、このデータをもとに今答弁をさせていただきたいと思います。
したがって、13カ月ということになりますが、未持参件数は約5,100件であります。還付の対象となる未精算件数は約1,300件、それから要還付額は先ほどと同じように全員が3割の負担というふうに仮定をいたしますと、約2,000万円程度ということであります。したがいまして、期間的に言えば、それをさかのぼる、約1年でありますので、おおむねその倍程度の数になるんではないかというふうに思っております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 ですから、この3年間で考えれば、6,000万円から7,000万円を患者さんに返さないといけないということになるというふうに私は思うんです。私はこの点で、県議会の政務調査室の協力も得て、島根県のほかの中国地方、そして四国地方、県立中央病院、県立病院がどういう対応になっているのか、政務調査室を通じて調べてもらいました。
私は大変びっくりしました。他の病院は保険証を未持参の場合、島根以外の中四国の病院すべて1点10円計算なんですよ。しかし、島根の県中だけ1点15.75円の計算をとっている。それから、その精算期間も他の中四国の県立病院というのは、診療報酬の時効期間である3年間だけど、県立中央病院、島根は1カ月としていた。私はこの点からいえば、未持参に対する中央病院の対応というのは、中四国の県立病院の中でも一番冷たくて厳しかった。それから、県の方からペーパーをもらい県内の状況を見ても同じなんです。松江日赤や、そして島根医大の状況を見ても、こんな厳しいことをやってるところないんです。
だから、部長、こういうことなんですよ。例えば、医療費が1万円かかった。この場合、保険証のない人は、無保険の人は1万円ですね。保険証を持っていれば、3割だから3,000円なんです。じゃあ保険証のない人が、医大とか日赤とか行けば1万円で済むけど、県中に行けば1点15.75円ですから、1万5,750円払わんといけんわけです。だから、本来保険を持ってる場合の3,000円と1万5,750円でいけば、もう5倍近い自己負担額に県中はなるんですよ。こういうことで果たして本当にいいのかと、私は言わざるを得ないんです。
そこで、私はこの点で県中の問題で、この3年間の遡及適用ですよ、ことしの1月以前も。これはきちっと精算すべきだということを強く求めますけど、どうですか。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) 先ほどお答えしましたように、ことしの2月以降の扱いについては答弁したとおりでありますけれども、ことしの1月以前の問題についてどういうふうに考えるかという、遡及適用するのかしないのかという問題でございますが、一つにはそれまでの間受診をされる際、あるいは支払いされる際に、その手続の精算の可能な期間が1カ月以内であるということをお示ししながら取り扱ってきたという経緯もあります。それから、仮にその遡及をするというふうなことを想定してみた場合に、非常にそのためのどういいますか、膨大な事務量なり経費なりっていうふうなことも一方では考えられるような気もいたします。いろんなその課題もあります。それから、先ほど申し上げましたようなこういった経緯もございます。
したがって、その遡及適用するかどうかについては、現在さまざまな観点からどういうことができるのかできないのかといった点をさまざまな観点から慎重に検討しているところでございます。できるだけ早くその結論を出したいというふうに思っております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 私は今の県中のこれを返さないということになると、県中みずからが公的医療保険をこれを否定することになると思うんです。結局診療報酬の請求期間3年あるんだけど、勝手に1年間という枠を決めて、それ以前は受け付けないということで果たしていいのかと。これは県民を公的保険から排除することになるわけであって、そういう権利が果たして県立中央病院にあるのかというふうに私は言わざるを得ません。この点で、至急これは返すという方向で、遡及適用するという点で県中と、そして県も一緒になって対応を改善していただきたいということを強調したいと思います。
そして、1点15.75円というこの県立中央病院の使用料及び手数料条例という点は、私はこんなひどい条例は改正すべきだと考えます。県のお考えをお聞かせください。
○議長(倉井毅) 法正健康福祉部長。
○健康福祉部長(法正良一) 1点目のその遡及の問題につきましては、病院等も含めましてできるだけ早く結論を出したいと、方向性を出したいというふうに思います。
それからもう一点、保険証を持参等しない場合の診療単価の設定の仕方の問題でありますけども、これも指摘もありましたけども、島根県立病院の使用料及び手数料条例、こういったものに基づいて積算をした額を負担していただいているという状況にございます。このこと自体は、その条例に根拠を置いた取り扱いというふうには考えておりますが、ただ先ほどお話がありましたように、その取り扱い、考え方についてどうするのかということについては、今後他県の病院等の状況、こういったものも踏まえて検討してまいりたいというふうに考えます。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 よろしくお願いしたいと思います。
次に、災害の被害認定について伺わさせてください。
私この問題は、さきの9月議会で取り上げました。9月議会の最終日に、総務委員長の報告があって、私は総務委員長報告に実を言いますと、疑義を感じたんです。その項目を少し委員長報告から抜粋したいと思います。読み上げます。
このたびの7月豪雨災害に関連して、執行部から被災者生活再建支援制度の概要について、特に説明を受けました。この説明の中で、出雲市における住宅の被害認定に当たっては、県と市で連携しながら行われたものであること。また、出雲市においては内閣府からの弾力的運用通知も踏まえ、建築士の資格を持つ職員も加わって被害認定がなされたものであること。以上のことを再度確認した旨の報告が執行部からあったという、こういう委員長報告なんです。ここは間違いですよ。この委員長報告、委員会に対する総務部の報告は間違いですよ。
それはなぜかといえば、床上浸水135棟あったわけです。私はこの10月4日の委員長報告を聞いて、10月13日に出雲市にすぐ行きました。床上浸水135棟のうち、たったの2棟しか2次判定してないんです。それなのになぜ県と市で連携して、しっかり被害認定をやったと言えるんですか。そういう報告をしてはだめですよ。これは厳しく私抗議しておきます。
それで、その7月豪雨災害の教訓として、その被害認定の弾力的通知、そして運用指針が市町村に徹底されていないということは明確になったわけです。この点で担当者会議、それから研修会などできちっと再度周知徹底を図るべきと考えます。
それから、出雲市からは次のような要望が出ました。県としての認定マニュアルを作成してほしいという声です。私はこの点で、やっぱり市町村と協議しながらマニュアルの作成を検討すべきだと考えますけども、県の御見解をお聞かせください。
○議長(倉井毅) 加松総務部長。
○総務部長(加松正利) その出雲市の被害認定の関係でございますけれども、出雲市におきましてはこの災害直後に1次調査を行い、次いで固定資産税減免のための調査を個別に実施して、その中で最も被害程度の大きかった2件につきまして、建築士の資格を持った職員も加わって2次調査を実施したということでございます。
被害程度の最も大きかった2件というのは、被害割合が33%、そして29%、これにとどまっていたということでございまして、この被災者生活再建支援制度の対象は大規模半壊というものがありますけども、それよりも経済的被害割合が40%に達しないとこの対象にならないということでございまして、最も被害の大きかったものはこの33%、29%でしたので、それ以外については、この40%に達するというのは考えられないだろうということで、この2件のみ2次調査を実施したというふうに伺っているところでございます。これはこれで、私どもとしても合理的であるというふうに考えている次第でございます。
その上で、この住宅被害の認定につきましては、これまでも内閣府の通知等がございますので、市町村の事務担当者会議などを通じて周知してきたとこでございます。引き続き、今後とも会議の場ですとか、さまざまな機会をとらえまして、周知徹底に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 県のマニュアルの作成はどうですか。
○議長(倉井毅) 加松総務部長。
○総務部長(加松正利) この住宅被害の認定につきましては、国の指針ですとか、通知による統一的な取り扱いが要請されているとこです。そこで、国におきましても、このたび建築等に関するその専門的知識がなくても、災害による被害を受けた住宅の被害認定を行うことができるように、大変わかりやすい事例集をこのたび作成されているとこでございます。判定の事例とか損傷程度をその中では示した参考資料もふんだんにつけております。これが作成されているとこでございまして、県といたしましては、この被害の認定が市町村において迅速かつ適切に実施されますよう、当面はこうした国の資料を活用して、市町村に周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
また、住宅被害認定につきましては、市町村の意見も聞きながら、県としても参考となるような事例につきましては、情報収集及び提供に努めてまいりたいと考えている次第でございます。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 総務部長、だめなんですよ。国の指針に反してるんですよ。被害の第2次調査というのは、国がちゃんと言ってるんです。第2次判定においては、豪雨の場合はどうかといえば、水流によって住家に外力が働き生じる被害が一つあると。そして2つ目に、河川の増水や家屋の破損に伴う雨水等の浸入等の浸水による被害があると。この2つの被害が混在するって言ってるんです。だから、きちっと床上浸水は第2次判定をやれと、こういうふうになっているということを私は改めて指摘しておきます。
それから、災害の問題で、この間47都道府県の被害認定の状況を見ました。大分なんかでは、床上浸水50センチで全壊認定となってるんです。被災者生活再建支援法の支援金、これは島根県も拠出金出してるわけですね。だから、その47都道府県にアンバラがあってはならない。私は、県としてしっかり国の弾力化通知を市町村に徹底していただきたいということを重ねてお願いするものです。
最後に、県の地域防災計画と原発プルサーマルの問題についてお聞きします。
県の地域防災計画の問題では、県は想定地震として島根県東部の想定地震に松江南方地震を規定しています。私はこの松江南方地震というのは、もう既に科学的な根拠を失っていると。県東部における地震想定というのは、科学的に明らかになった宍道断層、鳥取西部大地震とすべきであって、計画の見直しを求めるものです。また、専門家を含めた被害想定検討会の設置などを求めますけども、知事これ所見お聞かせください。
○議長(倉井毅) 澄田知事。
○知事(澄田信義) 御質問の点でありますけれども、現在の地域防災計画(震災編)におきましては、県内の歴史地震資料、それから地震観測資料、活断層の資料などを調査しまして、活動性、都市への影響度合いなどを考慮しまして、松江南方などの4カ所にマグニチュード7レベルの大規模な想定地震を設定しまして、人的被害とか、あるいはライフラインなどについて被害想定を行ったところです。
鳥取県西部地震による県内の人的被害や建物被害は、松江南方の想定地震を超えるものではありませんでした。また、宍道断層については、現在中国電力で調査中でありまして、その結果については国において確認されることとなっておりまして、現在の被害想定と大きく異なるものかどうか判明しておりません。
今後、これまで想定しておりました被害規模を大幅に上回るなどの新たな知見が得られれば、専門家を含めた検討委員会の設置を含めまして、地域防災計画を見直すべきかどうか検討してまいります。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 活断層の問題が出ましたんで、少し原発問題に行かせてください。
中国電力の土用ダムの測定データの改ざんですね。それから、下関発電所の公害防止協定違反、それから西郷発電所のばい煙規制値超過など、会社ぐるみでの相次ぐ中電の不祥事が明らかになっています。この点での知事の御所見お聞かせください。
○議長(倉井毅) 澄田知事。
○知事(澄田信義) 今御指摘のありました相次ぐ不祥事の発覚は、これまでの中国電力と地域との信頼関係を損なうものであり、まことに遺憾であります。
中国電力においては、今回の事態を真摯に受けとめ、再発防止策に取り組み、県民の信頼及び安心の確保が図られるよう努めていただきたいと考えております。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 データを改ざんした子会社が今活断層の調査を行ってるんですよ。果たしてこれでいいのか。この点で果たして信頼性があるのか。この点、知事どうお考えですか。
○議長(倉井毅) 澄田知事。
○知事(澄田信義) 現在原子力安全保安院は、新耐震設計審査指針に照らした耐震安全性の評価を実施するよう、原子力事業者等に指示を行っております。その際、事業者が耐震安全性を評価するための評価手法とか、あるいは事業者が行った耐震性の評価を確認するための確認基準を示しています。
中国電力においては、活断層の調査について調査内容の適切性をみずから確認するとともに、第三者機関のチェックを受けて、透明性を確保するとしています。
一方、原子力安全保安院は、中国電力の行った調査あるいは評価結果につきまして、その評価手法も含めて妥当性を確認し、その結果を総合資源エネルギー調査会の専門委員会に報告する、その報告をした上で、その確認の結果をさらに原子力安全委員会に報告するとしております。
県としましては、国においてこのような手順を踏んだ上で、耐震性をきちんと確認されるものと考えておりまして、県独自で活断層調査を実施するといったようなことは考えておりません。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 県民の間で、相次ぐ中電の不祥事、この点でやはり電力会社への信頼性と安全性というのは揺らいでると私は思います。知事は、プルサーマルの実施に当たって、適正な運転というのが前提の条件だというふうに言われたわけです、適正運転。しかし、この土用ダムのデータの改ざんでも、今の社長みずから、当時の支店長だったですけど、社長みずからの構造的なこの隠ぺいがあったと。それから、下関発電所も10年前から不正に設定してたということも明らかになった。こういう事態なわけですね。私はこういう点で適正運転、信頼が崩れた以上、前提条件が崩れた以上、プルサーマルの了解は撤回すべきと考えますけど、いかがですか。
○議長(倉井毅) 澄田知事。
○知事(澄田信義) 従来から原子力の利用につきましては、安全性の確保が大前提であると考えておりまして、今回の不祥事に関連して、島根原子力発電所のデータ管理について、中国電力から改ざんはないとの報告を受けております。
一方、国におきましては、他の電力会社でも憂慮すべき事案が続いて発生したということから、原子力発電を含めた各発電設備に対して総点検の指示を出されたところであります。
このような取り組みがなされておりますので、中国電力の総点検結果や今後の再発防止策への取り組みを見守りたいと考えております。したがって、プルサーマルの基本了解を撤回するということは、考えておりません。
○議長(倉井毅) 尾村議員。
○尾村利成議員 その活断層の問題で言えば、中電も、それから国もその1号機、2号機の原発建設のときにはないと言っておった。しかしながら、その3号機建設でありましたと、こうなったわけですね。この点では、国に対する信頼も今揺らいでいるという状況に、私はあるというふうに思うんです。
そこで、やはり県としてしっかり活断層や耐震問題について調査検討するその組織を立ち上げるべきだと。あらゆる専門家の意見もしっかり聞くべきだと。そして、県民に情報を提供するべきだ、県としての説明責任をしっかり果たすべきだと私はこのように考えます。活断層があるところに危険なプルサーマル、これは多くの県民は決して望んでいない、撤回を求めているということを私は強調して質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。