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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2007 年 9 月定例会 一問一答質問 (県立中央病院について、原発の安全耐震性について、県地域防災計画について、県財政健全化について)

2007-10-01 この記事を印刷
○議長(福田正明) これより本日の会議を開きます。日程第1、「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を行います。これより一問一答質問を行います。質問の通告がありますので、議長が指名して順次発言を許します。なお、質問は発言席において、答弁は自席において行うことといたします。また、発言時間は15分以内となっておりますので遵守願います。尾村議員。


○尾村利成議員 おはようございます。日本共産党の尾村利成でございます。

 まず初めに、県立中央病院について伺います。

 熊本県天草市に嫁がれた女性が、ことしの7月、実家のある出雲市の県立中央病院で出産されました。生まれた赤ちゃんは重い心臓病であったため、そのまま22日間の入院となりました。退院時に病院は、赤ちゃんは保険に未加入だから全額自費で払ってくださいとし、160万円を請求いたしました。そして、その上支払い誓約書まで書かせていました。この方は、精神的にも経済的にも悩まれました。しかし、結果的には里帰りの出産を心配して天草から電話をかけてきた保健師さんが、養育医療の対象になるんだということを説明されて、この方はおむつ代程度の支払いで解決をいたしました。

 何という事態ですか。私は伺いたいのは、県立中央病院が、患者サイドの医療、県民サイドの医療を実践する、このように言われてますけども、現場の対応がかけ離れている、この点をどう考えどう認識されているのか、まず伺います。あわせて、対応マニュアルを総点検すべきと考えますけれども、今後の改善、対応策を伺いたいと思います。

 県立中央病院は、養育医療の指定病院など、さまざまな法定指定医療機関となっています。公費負担医療は、医師が治療上必要と認めるのが前提であります。医師を初めすべての医療スタッフが、法定指定医療の制度、医療費助成制度の内容を把握し、研修すべきと考えますけれどもいかがでしょうか、お答えください。


○議長(福田正明) 中川病院事業管理者。

○病院事業管理者(中川正久) 尾村議員御指摘の2点についてお答えをいたします。

 健康保険証等をお持ちでないため、全額自費負担で請求したときには、保険証や福祉医療証、乳幼児医療費受給資格証などを後日提出していただければ保険を適用し、請求額が変更されることを説明いたしております。しかし、今回の事案では、御家族の方に対する説明が不十分で配慮が足りなかったため、大変御心配をおかけしたことを重く受けとめなくてはならないと思います。御家族には改めておわびを申し上げます。

 新生児の場合には、出生届、保険加入手続、乳幼児医療証の交付など、諸手続に時間がかかることから、保険証や乳幼児医療証等の提示までの間の請求については、養育医療給付や高額療養費現物給付制度など、公費負担の諸制度も含めて、これまで以上に患者さんや御家族の立場に立った、わかりやすい丁寧な説明や対応をしたいと思っています。

 次に、医療費助成制度等の病院スタッフの習熟についてでございます。

 養育医療の給付において、指定医療機関の医師が証明する養育医療意見書が必要なように、各種の医療費助成制度を受けるには、医師の意見書や診断書等が必要とされていることから、これまでも保険医療に関する講習会等を定期的に開催して説明してまいりましたが、今回改めて県立病院に勤務する全医師に対して、各種の医療費助成制度について周知徹底したいと考えています。

 また、医療相談を担当する地域医療連携課の職員、各部署の看護師、請求事務を担当する職員など、関係スタッフにも周知徹底し、患者さんが適切に助成制度を利用できるように取り組んでまいります。以上です。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 この間、県中はさまざまな問題がありました。私は本会議で指摘をしてまいりました。例えば、改善はされましたけれども、保険証の未持参者に対して1点15円を請求していたという問題、また差額ベッド料の請求において、厚生労働省通知に反して差額ベッド料を取っていた事例などございました。

 私は、県民に対して公正な医療サービスを提供し、心の触れ合いのある患者サイドの医療の実践をしてくださることを強く求めておきたいと思います。

 次に、島根原発の耐震安全性の問題、島根県の地域防災計画について伺います。

 最初は、地域防災計画です。

 島根県の地域防災計画を見てみますと、今から10年前、1996年に策定いたしました4つの想定地震、これを想定しています。松江の南方地震、大田市西南方地震、浜田市沖合地震、津和野町付近地震でございます。私は、この地震想定、再検討しなきゃならないと思うんです。10年前の想定になってます。

 例えば、松江を見てみますと、松江は南方地震になってますけれども、しかしどうですか、2002年国土地理院は宍道断層の長さは18キロだと、これは認定しました。そして、昨年の10月、日本地震学会で宍道断層の長さが20キロを超えている、このような発表をされています。松江の南方地震、私はこの松江南方の地震被害想定は見直すべきだ、宍道断層や島根原発周辺の海底活断層、そして鳥取沖西部地震を想定すべきだというふうに思いますけれども、県の考えをお聞かせください。


○議長(福田正明) 加松総務部長。

○総務部長(加松正利) 現在の地域防災計画震災編の地震想定でございますけれども、これは県内の歴史地震の資料ですとかあるいは地震観測資料、それから活断層の資料などを調査した上で、活断層などの活動性、都市への影響の度合いなどを考慮いたしまして、県の東部では松江南方にマグニチュード7レベルの大規模な想定地震を設定いたしまして、人的被害やライフラインなどの被害想定を行っているところでございます。

 御指摘のありました鳥取県西部地震による県内の被害は、現在の地域防災計画の被害想定を超えるものではございませんでした。また、宍道断層の御指摘がございましたが、これにつきましては現在中国電力におきまして調査中でございまして、今後また調査がなされていくと思っています。

 今後、このような中国電力による地質調査等を踏まえまして、これまで想定していた被害規模を大幅に上回るなどの新たな知見が得られましたら、想定地震についても見直すべきかどうかを検討してまいります。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 総務部長答弁されましたけども、私主張したいのは、宍道断層が動いた時期というのは、歴史地震として記録に残っている880年の出雲地震と重なるということが今判明しとるじゃありませんか。しかし、松江南方の地震は、出雲地震との関係を裏づける科学的根拠はありません。私は、この点で南方地震ではだめだと思います。もう一度御答弁ください。


○議長(福田正明) 加松総務部長。

○総務部長(加松正利) これは、この地域防災計画による想定地震は、そのような歴史地震以外にもまた地震観測資料あるいは活断層の資料などを総合的に検討した上で、県内4カ所にマグニチュード7規模の大規模な想定地震を設定して、この想定を行っているとこでございます。

 現在のところ、この宍道断層につきましては、中国電力における耐震性評価の中でまた調査中でございまして、この地域防災計画の被害想定と大きく異なるものとなるかどうか、現時点では判明してないという状況でございます。

 したがいまして、今後このような調査等踏まえまして、新たな知見が得られましたら、想定地震についても見直すべきかどうかを検討してまいりたいと考えております。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 私、冒頭言いました。この被害想定やったのは10年前です。もう10年たってます。各県見てみますと、国の交付金使って活断層調査いっぱいやってるんです。例えば、鳥取県もやっている、岡山もやっている、山口もやっている。国の交付金使って活断層調査をやって、そして活断層の調査委員会を各県設置して活断層調査やっているんです。県によっては地震対策室をつくってる。そして、県の事務分掌に活断層調査をすることというふうに明確に規定しているんです。

 しかし、島根県の場合は、この10年間一切そういう活断層調査に不熱心だった、消極的だった。私は、少なくとも県として活断層調査徹底してやるべきです。こうしないと、県民の安心、安全はないと思います。どうでしょうか。


○議長(福田正明) 加松総務部長。

○総務部長(加松正利) この地域防災計画の想定地震を想定したときは、相当詳細な検討を行っておりまして、歴史地震はもとより、地震観測資料あるいは当時考え得る活断層の資料などを総合的に検討した上で、県内4カ所にマグニチュード7レベルの大規模な地震を想定しています。ちなみに、鳥取県西部地震はマグニチュード7.3で、これ並みの大きな地震を想定しているわけでございます。したがいまして、今後こういう宍道断層の調査などによりまして新たな知見が得られれば、それにつきましてはこの想定地震についても見直すべきかどうかを検討してまいるという考えでございます。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 私は、他力本願言ってるんじゃないんです。知見が得られればではないんです。県として、そういうふうに科学的な研究をしなさいと、すべきではないか、調査委員会をつくるべきではないか、設置するべきではないか、このように今言ってるんです。どうでしょうか。


○議長(福田正明) 加松総務部長。

○総務部長(加松正利) 今申し上げましたように、特に宍道断層についての御指摘でございまして、これにつきましては今耐震性の関係で調査されているところでございます。その調査結果というのは、また2号機及び3号機の関係でまた出てくると思います。そういうふうな知見、そういうふうな調査を踏まえまして、そのような新たな知見が得られる状況になりましたら、そういうふうな専門家による調査検討委員会というものの設置を含めまして、地域防災計画を見直すべきかどうか検討していきたいと思います。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 防災計画は、やはり最新の知見、そして科学的な知見に立って策定しなければ意味がありません。専門家を含めた被害想定検討会の設置を、私は強く求めておきたいと思います。

 原発の耐震安全性について、次に移ります。

 新潟県の中越沖地震において、柏崎刈羽原発は設計時に想定した地震動を大きく超えました。政府と電力会社が、原発の地震対策は万全としていた安全宣伝は完全に崩壊しました。原発の地震対策は、抜本的に見直す必要があります。今回の地震を通じて、耐震安全性の確保、初期消防の体制、常備消防との連携など、数多くの問題点と教訓が浮き彫りになりましたけれども、今後の防災対策のあり方についての所見を伺います。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 原子力の耐震安全性、最も原子力発電の地震におきまして重要なものであります。この安全性が万全に確保されるよう努めることが、私どもの最も重要な課題でございます。

 中越沖地震の発生を踏まえまして、国の方は経産省の保安院、それからもちろん内閣そのものもそうでございますが、耐震安全性の見直しを各電力会社に指示をしまして、その報告を求めてるところでございます。今、既に昨年の耐震安全性の見直しに伴いまして、各電力会社におきまして評価の作業が進んでおるわけでございますが、その過程において中越沖地震で得られた知見も踏まえて評価をしなさいということでございます。

 中国電力の1号機、2号機につきましては、調査の期間を延ばしまして来年の12月末に詳細な報告をするようになっています。3号機につきましては、逆に1年早めて21年12月に報告をするようになっています。その報告をよくチェックをしまして、安全耐震性につきましても具体的な対応が図られるものでございます。私どもは、そうした対応が国及び国の監督指導、それから電力会社の実施、そこをよく注意し監視をして、必要に応じまして適切な対応を求めていきたいと思っておるところであります。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 知事、私質問の中で初期消防の体制、それから常備消防の連携、これらの問題についての教訓問いましたけども、答弁漏れがございます。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) その点につきましては、7月20日に国から各電力会社に対しまして自衛消防体制の強化ということで、今尾村議員が指摘されたような事項について強化をするように求められ、それからそういう指示に基づきまして7月26日に中国電力、各電力会社、同じ状態でありますが、改善計画を国に提出し、私どももその内容を立入調査もいたしましてチェックしたところでございます。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 私は、島根原発が中越沖地震のあの規模、あの地震に襲われれば、多大な被害やトラブルの発生は明らかだと思うんです。島根原発において現在、耐震安全性の確保は不十分である。ですから、私は耐震基準の抜本的見直し、これを求めますけれども、所見いかがでしょうか。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) まさにその新しい知見を踏まえまして、これまでつくられております耐震基準でいいのかどうかという評価をしておるわけでございまして、その実際の評価を見まして新しい基準を設置すべきもんだと、その作業を迅速にやるべきものだと考えておりまして、私どもも国に対しまして、そういう作業につきまして要請をしております。

 それから、島根県だけでなく原発が所在してる県とも一緒になりまして、国に対してそういう要請をしているとこでございまして、今後とも作業の進行状況等を見ながら国との意見調整等をやっていきたいと思っております。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 想定外の揺れが、今回の中越沖地震で4回目なんです。女川原発で2回あった、そして志賀原発であった、今回の柏崎刈羽原発、4回目の想定外の揺れです。このことは、電力会社の活断層の調査に見落としがあったという、このことです。それだけではないんです。国の審査にも誤りがあった、国の評価にも問題があった、私はこのことは明白だと思うんです。知事は、国、国と言われましたんで、私は1つ紹介したいと思います。

 9月11日です。福島県と福島の県議会が、国に要望してるんです。何を要望してるかというと、何点かあるんですが、大きくいって2点、私申し上げておきます。1点目は、国の審査に誤りがあった、このことを深くとらえて、原発の耐震安全性を再評価する公平中立な第三者機関を設置すべきだということ。それから、原子力安全・保安院の経済産業省からの分離を求めて申し入れをしてるんです。

 私は、島根県としてこのくらいなことを国に要望すべきだとは思います。いかがでしょうか。知事でも総務部長でも結構です。


○議長(福田正明) 加松総務部長。

○総務部長(加松正利) この耐震安全性の関係につきましては、国において厳格な審査体制がとられるということは申し上げているとおりですが、特に今回の地震を踏まえまして、この原子力事業者の今後の課題と対応について検討を行うために、経産省におきましても、この中越沖地震における原子力施設に関する調査検討委員会というのを、有識者を入れて7月31日に設置しております。それによりまして、この検討を踏まえて事業者を適切に監督していくこととしておるところでございます。そういった意味で、国においてもそのような知見を取り入れながら、適切な監督をしていくという考え方でありますし、また我々もそのようにして国に要請していきたいと思っております。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 活断層の調査ですけども、中電が実施する海底活断層調査は、半径30キロ圏内でしかないんです。能登半島の地震と中越沖地震は、地震の発生が予測されてない海底で起きてます。すなわち活断層の見落としです。私は、日本海の西部海域において徹底した海域調査を実施すべきだと考えますが、所見はどうでしょうか。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 御指摘のように、国の指示に基づきまして再評価中でございますが、海域におきましては島根半島沖合南北30キロメートル、東西60キロメートルの範囲で海上音波探査を行うことになっております。それから、陸上におきましては、トレンチ調査などを行うことになっておりますが、この調査におきまして半径30キロ、それ以外の遠い地域においても問題が想定されるような場合には、それを拡大しなさいというのが国の指示でございますので、私はそういう意味におきまして、中国電力の調査が適切になるものかどうか、よく注視をしていきたいと思っておりますし、必要に応じまして国にも適切な指示を求めるということをやっていきたいと思いますが、今は調査が始まったばかりでございますから、当面は作業を見守っていくということが必要だと思っているところであります。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 安全協定の第12条に、適切な措置を要求する適切措置要求権が、協定には記されています。すなわち、県が立入調査をやって、その結果周辺地域住民の安全確保のための特別な措置を講ずる必要があると認める場合は、措置を求めることができるとなっているんです。知事、この適切措置要求権、県として発動する考えはありませんか、どうですか。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 御指摘のような安全協定が、中国電力、島根県、松江市の間で結ばれておりまして、御指摘のような条文がございます。私どもは、いつでも必要な事態になれば、その条項によりまして申し入れ等、行動を起こすつもりでございますが、現段階ではまだ調査が始まったばかりでございますので、その状況をよく注視をしたいというのが現時点での考えでございます。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 調査の話が出ましたんで、調査の詳細の問題聞かせてもらいます。

 宍道断層、それから鳥取沖の西部断層、それから鳥取沖の東部断層、鳥取沖の西部断層は26キロ、考慮すべき断層です。鳥取沖東部断層は51キロの、これまた考慮すべき断層です。この2つの断層が宍道断層、ここと同一線上に存在しているわけです。私は、この連続性の詳細を調査すべきだ、確認すべきだ、これやらないといけないと思うんです。

 今回の中越沖地震も、国の方は地震推進本部の方はつながっていると言ってたんだけど、東京電力の方はそれを分離して考えたんです。連続性ではないと言ったんです。だけど、大地震が起きたんです。だから、本当にこの島根の地域、安全守るためには、活断層の連続性の調査が絶対に必要なんです。この点はどうでしょうか。中電は、今やるとは言ってないんです。30キロ圏内だからやるとは言ってないんです。私は、この連続性の調査を県として求めてほしいんです。

 それから、もう一点いきます。宍道断層を正確に把握するためにも、1つは古浦湾、それから美保湾の以東です。これは宍道断層の長さを正確に評価するためにやる必要があると思うんです、ここの海域調査。それから、南講武付近の再調査や佐陀本郷、境港の陸域調査を実施すべきである。私は、このことをやらないといけないと思うんです。この2つの御所見お聞かせください。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 御指摘の宍道断層、それから鳥取沖西部断層及び鳥取沖東部断層等の連続性につきましては、一度平成12年でありますが調査が行われまして、耐震設計上考慮すべき活断層としての連続性はなかったというのがそのときの調査結果でございます。

 いずれにいたしましても、耐震安全性を評価、確認する過程の中で、科学的知見に基づきまして、必要が生ずれば調査の範囲を拡大しなければならないと私どもも考えておるところでございますが、将来の私どもの行動を今規定するわけにはまいりませんけども、調査、評価の状況を見まして、よく考えてまいりたいと思っております。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 時間がもう余りありませんので、最後の財政健全化の問題、移らせてもらいます。

 今、中国電力、活断層の話しましたんで、私は財政健全化の問題、最初に歳入の確保の問題考えるという上で、平成22年3月末までが今期限となっている核燃料税です。私は、この核燃料税は更新はもちろんのこと、税率の引き上げを県として考えるべきだと思いますけども、所見をまず伺いたいと思います。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 核燃料税は、昭和55年に創設をされまして、5年ごとに更新をしておるわけでございますが、核燃料税は法定外普通税として、その税収入を充てるべき財政需要の存在が必要と考えられておりまして、更新時にはこのような財政需要を把握しまして税率なども検討することとしておりますので、今の段階で前倒しで財政需要の見直しあるいは税率の変更を行うところまでは考えていませんが、基本方針にはそこまでは具体的にお示しをしておりませんけども、必要に応じ何が適切かにつきましては、今後の財政健全化を進める過程でよく考えてまいりたいと思います。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 核燃料税は法定外普通税です。県独自の課税権に基づく、これは税金です。一般財源であります。近年、原発に係る事故とかトラブルが多発してます。県民の不信感や不安が今高まってます。私は、先ほども言いましたけども、県として活断層調査をやらないといけない、活断層調査をするためにも耐震調査をしっかり進めていくためにも、核燃料税の税率引き上げは、私は強く要求すべき、このように主張しておきたいと思います。

 財政再建の問題で、私は知事に申し上げたいのは、財政再建の出発点は財政危機の原因と責任を明確にすることだと。どこに原因があったのか、私はこのことだと思うんです。しかしながら、県の健全化方針案では、専ら県民や県職員に痛みを押しつけているんです。じゃあ県民や県職員に、財政をこれだけ悪化した責任があるのかないのか。私は、責任がない人に今中心的に押しつけようとしているわけですから、あるのかないのか、まずこの認識をお示しください。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 県の財政の悪化でございますが、やはり長年の歳入歳出における影響が徐々に拡大をしてきたということでございます。歳入につきましては、やはり地方交付税が県の一般財源のうち6割を占めるわけでございまして、これが大きく減額されたっていうことが大きく響いていると思います。歳出につきましては、やはり県内のいろんな社会的なインフラの整備がおくれておりましたから、それを整備するために公共事業等が拡大をされてまいりました。そのために、公債費の残高も増大している、この2点と思いますが、最も大きな影響があったのは、やはり交付税の減額といったものが大きな影響があったと私は見ております。

 そういう意味におきまして、県民の方々とかあるいは県職員に、そういうものの財政の悪化に対して責任があるとは思いません。思いませんが、財政が現実にこうして悪化したわけでございます。それを放置することはできないっていうのが現状でございます。私どもに求められておりますのは、この悪化した財政をどうやって健全化するか、あるいはそれによって将来県民の方々が困らないように、大きな影響出ないようにするためにはどうするかが課題でございます。私の課題もそれでございまして、そのために財政健全化の基本方針をお示ししているわけでございます。

 ただ、こうした悪化した財政の状況のもとで、県民の方々にも痛みを伴うようなもの、あるいは職員の給与についても特例減額をせざるを得ないような状況にあって、そういうものを対策としてお示しをすることについては、私は大変心苦しいことだとは思っておりますが、しかし放置をいたしますと、ほかに手段がなければ、これは財政赤字が拡大しまして財政再建団体になりまして、島根県がやらなくても国の監督指導のもとにやらざるを得ない状況になるわけでございます。そういう点について御理解を賜りたいというのが、私の考えでございます。そういうことを基本方針の中に説明をさせていただいているということでございます。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 財政悪化の原因は、交付税の削減があったのは、これは事実。私は、それだけではない、今知事言われたように公共事業に問題があった。私は、過大な事業があった、むだな大型公共事業もあったと思うんです。それは、財健の中でも言いましたけど、委員会の中でも、島根県民がそう考えているんです。県民意識調査では、公共事業にむだがどの程度あるのかという、こういう意識調査の問いに対して、たくさんあるが3割の回答、多少あるが5割の回答、8割の方がむだがあると県民は回答してるんです。

 これはなぜかといえば、県民合意がないむだな事業があったのが私は1点、それから情報の提供等説明責任が不十分であった、私はこのように思うんです。ですから、今やるべきことという点で言えば、財政再建に当たってまずすべきことっていうのは、現在継続中の事業について県民の目線で精査、検証すべきじゃありませんか。そこはやらずに給与のカット、事務事業の見直し、これは筋が通らない、手順が私は通らないと思います。どうでしょうか。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 公共施設の整備あるいは道路の整備等は、やはりそれぞれの地域にお住まいの方々の強い要請があって言ってきているものでございます。それから、そういう需要につきましては、議会にもその都度報告をしているもんでございます。そういうものを受けまして、毎年度の予算で公共事業の経費が計上されまして、それは議会において承認をされ、その上で執行しているという関係に立つものでございます。

 それから、もちろん公共事業等の中身につきましては、これはよく評価をしなければなりません。このところ、事前評価というものも随分綿密に行われてきておりますし、それから事後の評価も行われてきているわけでございますが、特に平成12年度から公共事業の効率性、透明性の一層の向上を図るために、事業採択後5年間経過した後も未着工である事業とか、事業採択後既に長期間を経過している事業等につきまして、再評価を第三者機関によりまして行っているとこでございまして、例えば平成18年度の再評価件数は434件を再評価しておりますが、その中で計画の見直し3件、休止6件、中止5件ということになっておりまして、私どもは引き続き県民の目に立って、視点に立って事業の評価等もやってまいりたいと思っております。


○議長(福田正明) 尾村議員。

○尾村利成議員 時間がありませんので、最後に申し上げます。

 私は、公共事業の問題で言えば、きょう傍聴席が10席しかありません。だけど、大手前通り拡幅の皆さん来ておられます。仕事も休んで来とられます。全然喜んでませんよ、望んでませんよ。県民合意がここはないんです。

 それから、斐伊川水道事業、知事は御存じかどうか知りませんが、先般松江市の総合計画で、この斐伊川水道事業でも、総合計画このように書かれたんです。尾原の受水を見直さないといけない、このように松江市の総合計画で書かれてるわけです。尾原ダムの参画問題では、長引く景気低迷、節水意識の徹底による水需要の伸び悩みがあるということで、徹底して見直すというふうに松江市は総合計画で書いてます。

 私も公共事業再評価委員会の具申を見てきました。やっぱり県民の目線で立ったとき、むだがあると指摘されているものがたくさんあります。だから、私は県民の目線で、継続中のものもしっかり再精査する必要があると思います。

 それから、事務事業の問題では、福祉医療の問題一言言わせてください。これは、関係団体とか障害者団体の意見全く聞かなかったんです。だから、聞かないで強行したために、県政への不信と失望を広げたんです。私は、この点で事務事業の見直しに当たっても、関係団体や市町村との意見をしっかり聞いていく、このことを強く求めるものでございます。以上で一問一答質問を終わります。


○議長(福田正明) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 御指摘の点をよく頭に入れまして対応してまいりたいと考えております。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画