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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2008 年 11 月定例会 知事提出議案、議員提出議案、請願に対する討論

2008-12-16 この記事を印刷
 日本共産党の尾村利成でございます。

 一般事件案2件、議員提出議案1件、請願1件について委員長報告に反対する討論を行います。


 第136号議案・第137号議案「契約の締結について」

 まず、第136号議案ならびに第137号議案の契約の締結についてです。これらの契約は、松江第5大橋道路関連事業の契約の締結であります。一般国道485号松江第五大橋道路は、総事業費343億円の巨大プロジェクトであります。

 その整備目的は、地域高規格道路境港出雲道路の1区間として、宍道湖、中海都市圏の形成を図ること、松江市街地の外環状道路を形成すること、ソフトビジネスパークなどの工業、商業拠点を結ぶこととされております。

 私は渋滞の緩和や移動時間の短縮を否定するものではありませんが、今日の厳しい財政状況、今後の人口動態、環境問題、関係権利者の同意状況、外環状道路形成や工業、商業拠点を結ぶ必要性や実効性の有無など総合的に勘案した際、その事業実施に当たって疑義が残ります。

 よって、これら契約締結には反対であります。


 議員提出第10号議案「議会の議員の議員報酬及び費用弁償支給条例の一部を改正する条例」

 次に、議員提出第10号議案「議会の議員の議員報酬及び費用弁償支給条例の一部を改正する条例」についてであります。

 本議案は、地方自治法の改正により、議会は、会議規則の定めるところにより、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができるようになったことに伴い、島根県議会会議規則の改正により協議等の場として定められる全員協議会等を費用弁償の支給対象に追加するものであります。

 費用弁償は、議会出席や出張など公務の旅費に支給される公金の総称であります。最も批判にさらされているのは、その中でも招集旅費、応召旅費などと呼ばれ、議会出席に応じて日額が支給されるお金です。しかし、このお金の積算根拠、積算理由が明確に規定されておりません。費用弁償は、実費支給か廃止とするべきであります。

 よって、全員協議会等を費用弁償の支給対象に追加する本議案には反対であります。


 請願第34号「子どもの権利条約の趣旨にそい、私学助成制度の堅持と私学助成費の増額などを求める請願書」

 次に、請願第34号「子どもの権利条約」の趣旨にそい、私学助成制度の堅持と私学助成費の増額などを求める請願書」についてであります。

 子供の権利条約は、1989年11月20日に、第44回国連総会で採択され、わが国では1994年4月22日に批准されました。本条約第28条では、すべての子供が、中等教育を受けられるよう、教育費を無償にし、必要な場合には、国などが財政的援助の提供のような適当な措置をとることを規定しています。

 本請願は、私立学校運営補助金の増額、授業料直接助成の実現、私学助成費の配分基準を就学保障の観点から改善することを求めているものであります。

 私はこの間、私立高校の先生や私立高校に通う子供さんの保護者からご意見を聞いて参りました。長引く不況と深刻な雇用不安、貧困と格差の拡大のもとで、経済的理由により学業を途中で断念せざるを得ない私立高校生が増えています。

 私立高校では、経済的・家庭事情によりアルバイトをせざるを得ない生徒が増加している状況です。また、授業料の滞納は、年々増加しているとのことであります。平成19年度、島根県内において、私立高校は9校あり、現在4,150人の生徒が在籍しています。その中で、1割を超す439人が授業料の減免を受けています。

 今日、私立高校への公費助成金は、公立の3分の1でしかなく、私立高校の父母負担は公立の3倍強となっている現状であります。

 県内の公教育の発展にとって、県内各地で地道な教育実践を続ける私学の存在は不可欠であります。

 よって、710人の署名の願意のもと提出された本請願は不採択ではなく採択すべきことを強く求めるものであります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画