2009 年 11 月定例会 条例案に対する討論
2009-11-25 この記事を印刷
日本共産党の尾村利成でございます。
第150号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」
第151号議案「県立学校の教育職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」
第152号議案「市町村立学校の教職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」
第154号議案「島根県病院局職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第155号議案「島根県企業局職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例」
第150号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」、第151号議案「県立学校の教育職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」、第152号議案「市町村立学校の教職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」、第154号議案「島根県病院局職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例」、第155号議案「島根県企業局職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例」の条例案5件について、委員長報告に反対する討論を行います。
以下、その主な理由について申し述べます。
これらの議案は、月例給引き下げ、自宅にかかる住居手当の廃止、一時金を本年度は0.25月引き下げ、次年度からは0.35月引き下げるものであります。
公務員賃金は、民間準拠だけでなく、国準拠・生計費に基づくということが原則であります。特例条例による給与カットを2003年度(平成15年度)から継続する一方で、職員給与を引き下げる人事委員会勧告を尊重することは、生計費を無視するものであり、許されません。
2008年(平成20年)4月1日現在の都道府県ラスパイレス指数の平均は、99.4でありました。本県のラスパイレス指数は、特例条例による給与の減額措置の影響もあり、92.9となっており、2005年度(平成17年度)以降は、全国最低水準となっております。
県職員は、多様な県民ニーズに応え、県民の奉仕者としての使命に燃え、職責を全うするために努力しています。職員の働く意欲を促し、安心して職務に打ち込むことのできる条件を整備することは、県の責任ではないでしょうか。
私は以下、六点の理由により、条例改正案には反対であります。
第一に、相次ぐ職員定員削減計画の上に職員給与引き下げという総人件費抑制策は、職員の士気の低下や組織の活性化、行政能力の低下につながりかねません。このことは、ひいては県民サービス低下につながる恐れがあります。事実、人事委員会勧告でも「職員の生活や士気に与える影響が極めて大きく、可能な限り早期に、本来あるべき給与水準が確保されることを期待する」と述べているではありませんか。
第二に、県職員の給与は、公務員労働者の生活だけでなく、年金、恩給、最低賃金、生活保護費の基礎ともなり、その相次ぐ引き下げは、広く県民生活に悪影響を与えるものであります。
第三に、県職員給与の引き下げは、県内の消費購買力低下に多大な影響を及ぼしてきました。今回の更なる給与引き下げは、県内消費への更なる冷や水をかけることに連動するではありませんか。
第四に、更なる県職員給与引き下げは、民間賃金にも波及し、賃下げの悪循環を招くものであります。公務員賃金が下がり、連動して民間賃金が下がる。そしてまた、公務員賃金が下がり、民間賃金もまた下がるという、賃下げの悪魔のスパイラルが加速するものであります。
第五に、自宅にかかる住居手当については、人事院勧告に準じて廃止するとのことであります。国家公務員において、この手当は財形持ち家個人融資のために措置されていたものです。しかし、官舎の完備率が低い地方公務員においては、実際の生活給として支給されてきた経過があるものであります。
支給根拠が国と地方で異なる以上、国段階で自宅にかかる住居手当が廃止されたからといって、地方が同調する必然性はないではありませんか。
第六に、城山北公園線拡幅事業など県民合意のない事業、斐伊川水道建設事業など需要予測を見誤った事業にメスを入れることなく、安易に県職員への痛みを強いる人件費抑制策は、県職員の理解を得られるものではありません。
税金の無駄遣いを放置したままでの賃下げは、財政再建をともにすすめるパートナーである県職員の力をそぐことにつながりかねないことを指摘するものであります。
以上、反対の討論といたします。