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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2010 年 9 月定例会 一般質問 (国民健康保険について、生活福祉資金について、保育制度について、県立中央病院について、いわみファーム汚水流出について、島根原発について、浜田高校今市分校の募集停止について)

2010-09-27 この記事を印刷
○尾村利成議員 日本共産党の尾村利成でございます。
 
 質問の第1は、国民健康保険についてであります。

 まず、無保険者の問題について伺います。

 8月24日、私ども日本共産党がJR松江駅前で街頭演説を行っておりますと、40代の男性が駆け寄ってこられました。お話をお聞きすると、ことしの4月末、病気により仕事をやめられたとのことでございました。退職に伴い、住んでいた寮を追い出され、社会保険の資格を失ったとのことでした。その時点の手持ち現金はわずか10万円で、この4カ月間、ことしは大変暑かったわけですが、路上生活を送っていたということでございました。

 私どもに声をかけられた時点の手持ち現金はわずか70円余りで、この1週間は何も食べておられない状況にございました。すぐに一緒に市役所に行き、生活保護を申請し、翌日には持病の肝臓治療のため病院に行ってもらいました。この方いわく、自分のようなホームレスの状態に陥ってる人がこの松江市内でもたくさんいます、政治の力で助けてください、このように涙ながらに訴えられました。

 労働者は、勤めている会社をやめれば、組合健保や協会けんぽが使えなくなります。健保を任意継続するか国民健康保険に加入するかしかございません。しかし、生活に困窮する失業者の多くは、どの医療保険にも加入できず、無保険者となってしまうケースがあるわけであります。

 また、国保に加入していながらも、保険料の滞納により保険証を取り上げられ、実質的な無保険状態に追い込まれている人も多数ございます。島根県内では、本年7月1日時点で、保険証を取り上げられた資格証交付世帯は949世帯にも上っております。

 日本は国民皆保険制度をとっており、全国民が公的医療保険に加入し、国民は必要な医療を受給する権利があるはずであります。この立場から伺います。

 派遣切り、解雇など失職による無保険者が増大しています。また、高過ぎる国保料が払えず保険証を取り上げられた人もふえております。日本における事実上の無保険者は100万人以上に上ると言われております。県として、市町村と協力して無保険者の実態調査を実施すべきと考えますが、いかがですか。

 また、国保において、生活困窮者なら大人も短期証を交付するとした厚労省の事務連絡や、払えるのに払わないと証明できた場合以外は資格証の発行に慎重な対応をとるべきとした厚生労働大臣の国会答弁を徹底するべきであります。松江市などで行われている機械的な保険証の取り上げは中止させるべきでございます。所見を伺います。

 次に、高い保険料の引き下げについてです。

 県内の国民健康保険の滞納世帯は1万世帯を超え、加入世帯の1割に達しています。高い保険料に県民が悲鳴を上げているのであります。しかし、今年度も県内多くの自治体で保険料の値上げが強行されました。

 保険料高騰の最大の要因は、国保に対する国庫負担の削減にあります。1984年度には国保会計の50%を占めていた国庫負担の割合が、2007年度には25%へと半減しています。民主党は、国保の立て直しに9,000億円の予算措置をとると明言しておりましたが、今年度、国保料軽減のため新規に組まれた予算は非自発的失業者にかかわる措置だけであり、その所要額はわずか40億円にすぎません。

 そこで、伺います。

 国保料をだれもが払える水準に引き下げ、安心できる医療制度に改革するため、国庫負担をもとに戻すことが必要であります。国保会計への国庫負担増額を、知事を先頭に国に強く求めるべきであります。また、県としては、市町村国保に対して法定外の独自支出金を繰り入れるなどの支援策を強化すべきであります。知事の所見を伺うものであります。

 次に、窓口負担の軽減についてです。

 日本は、医療機関の窓口負担が先進国でも最も高いと言われております。島根県保険医協会が実施した治療中断、受診抑制の実態調査では、驚くべき実態が明らかとなりました。調査結果では、経済的理由による治療中断が医科で27%、歯科で75%もありました。重い窓口負担の弊害は明らかであります。

 厚労省は9月13日、国保の患者負担の減免について新基準を示す通知を出しました。新基準では、減免額の2分の1を国が特別調整交付金で負担するとしています。この厚労省通知の周知徹底を図るとともに、国保法44条に基づく窓口負担を軽減、免除する制度の拡充を求めるものであります。所見を伺います。

 最後に、国保広域化についてです。

 さきの通常国会で国保法改定が成立し、厚労省は5月19日に、広域化等支援方針の策定についてという通達を出しました。国保が広域化されると、住民、被保険者の声がほとんど届かなくなるおそれがあります。また、後期高齢者医療広域連合のように、地元市町村の意向すら反映されなくなり、保険者組織が住民無視の機械的な徴収、給付機関へと変質させられかねません。

 国保広域化のねらいは、保険料、税の引き上げ、収納率向上、医療費削減にあります。広域化方針の中止を求めますが、所見を伺います。

 また、広域化に向けた協議の進捗状況、スケジュール、方針をお示しください。

 次に、生活福祉資金についてであります。

 生活福祉資金の貸付制度は、昨年10月から、活用しやすく効果的な支援を実施できる体制へと抜本的に見直されました。県内の貸付実績を見てみると、平成20年度129件であった貸付実績、これが平成21年度には271件となりまして、倍増いたしております。

 私の事務所には、生業費や子どもの進学のための借り入れ等の相談が多数あるわけであります。しかし、この生活福祉資金の制度を相談者の皆さんに御紹介しても、こんな制度があるということを初めて知った、こう言われる方がたくさんございます。すなわち、この制度が認知されていないのであります。

 そこで、伺います。

 中小業者や県民に本制度を周知徹底し、生業費などの貸し付けは積極的に、そして柔軟に対応すべきと考えますが、いかがですか。

 また、申込窓口である市町村社会福祉協議会が同一基準で対応するよう研修を一層強め、申し込み相談件数と相談内容を把握し、制度の改善を図るべきと考えますが、所見を伺います。

 申し込みから融資実行まで約1カ月と時間がかかって、必要なときに間に合わないという、こういう声も出されております。必要な人が必要なときに借りられるよう、今般の制度見直しの、借りやすく、かつ貸しやすくという基本方針に沿った運用に改めるべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、保育制度についてであります。

 まず、子ども・子育て新システムについてです。

 6月25日、国は子ども・子育て新システムを公表しました。新システムでは、市場原理の導入による保育サービスの営利化、市町村の保育実施責任を縮小する直接契約方式の導入、保護者の負担増につながる応益負担原則の導入、幼稚園や保育所の一体化、最低基準の廃止、地方条例化などが検討されておりまして、関係者からは、国や自治体の保育に対する責任の後退だと、こういう不安の声が高まっています。国、自治体は、保育条件整備、保育内容の充実に責任を持つべきであります。

 公的保育制度の堅持、そして拡充と、子育て支援の予算増額を国に働きかけるとともに、県としての支援施策の拡充を求めますが、所見を伺います。

 次に、給食の外部搬入方式についてです。

 国は本年6月より、満3歳以上の子どもへの給食の外部搬入方式を認めました。保育士、調理師、保護者からは、朝食を食べてこない子どもやアレルギーのある子どももいて、食生活を把握して細やかに対応しています、子どもが食べる様子を見ることによって調理の方法を現場では日々工夫しています、こういった自園調理方式の堅持、拡充を求める声が上がっています。

 私は、外部搬入方式は食育の推進に逆行すると考えるものであります。この立場から伺います。

 自園調理方式を拡充するために、県として調理師の職員加配など支援策を講じるべきと考えますが、いかがですか。

 現在、鳥取県では、障がい児保育に対する保育士加配の助成を行っております。鳥取を含め全国13県が障がい児保育に対しての補助を行っています。島根県においても、子どもの健全な発達を保障し充実した保育ができるように、職員加配の助成を検討すべきと考えますが、所見を伺うものであります。

 次に、認可外保育園についてです。

 先般、私は認可外保育園を訪問し、職員の皆さんと懇談してきました。この認可外保育園の園長先生からは、収入はほぼ保育料のみで厳しい経営実態です、職員の処遇は認可保育園とは比べ物にならない低さです、よい保育をしたいという職員のやる気で運営していますという窮状を訴えられました。また、職員さんからは、子どもを保育する施設には変わりがない、保育料や運営費の補助を行ってほしい、こういった切実な声が出されたところであります。

 県内では、本年3月末現在、767人の子どもが認可外保育施設を利用しています。認可外保育施設が果たしている役割をいかに認識されているのか、伺います。

 また、認可外保育施設の要望や実態を調査、集約した上で、県としての積極的な支援策を検討すべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、県立中央病院についてです。

 この間、県立中央病院では、差額ベッド代を徴収してはならないとする厚労省通知に反する事例があり、私は改善を強く求めてきたところです。病院局は議会答弁で、差額ベッド徴収において院内運用マニュアル作成と院内研修を徹底すると約束をされました。この点で、この間の差額ベッドの適正運用の徹底についての取り組み状況を伺います。

 また、過去3年間の差額ベッド料金を徴収している件数並びに徴収していない件数の実績を伺います。

 貧困と格差が広がる中で、県民だれもが安心して県立中央病院で入院ができるように、差額ベッド料金の廃止を含む料金の引き下げを検討すべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、いわみファーム汚水流出についてであります。

 地域住民は長年、いわみファーム養豚場の排水により、水質汚濁や悪臭に苦しめられてきました。いわみファームは、未処理の汚水を糸谷川に故意に垂れ流しをしたり、住民との約束である覚書を無視して飼育頭数を拡大したり、放流の再開は住民との合意が前提であるという約束を破るなど、私は事業者としての社会的、道義的責任に反する行為を行ってきた、この点で厳しく糾弾をしたいと思います。

 私はこの問題で、8月25日、現地調査に入りました。そして、住民の皆さんからさまざまな御意見、御要望をお聞きしてきたところでございます。

 住民の皆さんからは、自分は昭和54年に圃場整備を行った、やっとその負担金が終わった、自分の水田を耕作してくださいと他人さんに頼んでも、汚い水の田んぼはつくるわけにはいかないと言われた、本当に情けない思いだと、こう言われました。また、糸谷川の魚やカニがいなくなった、カエルが鳴かなくなって、大きいハエが発生するなど、今、生態系が崩れています、こういうふうに訴えられました。そして、事業者が再三ルールを破り、もう許せない、一刻も早く周辺環境を復元してほしい、こういう声もございました。

 何ら責任のない住民が心を痛め、今、この地域の自然環境を守るために頑張っておられます。今こそ行政が問題解決に向けて最大限の対策を図ることが求められております。

 この立場から4点伺います。

 まず1点目は、知事にです。

 糸谷川汚泥しゅんせつ事業においては、排出者責任の原則に即して、徹底して汚染原因を特定し、汚染原因者負担を求めるべきと私は考えます。島根県環境審議会、公害審査会を開催し、環境保全、公害紛争処理を強力に推進すべきと考えますが、所見を伺います。

 第2に、平成14年の覚書は、事業者、地元自治会、関係自治体の5者が納得の上合意したものであり、この覚書遵守を求めるものであります。現行の覚書に反する行為があった際、事業者に対して覚書にある損害補償を求めるべきであり、水質汚濁防止法や廃棄物処理法など関係法令に反する場合は操業停止や刑事告訴を視野に入れた毅然とした対処を求めますが、所見を伺います。

 第3に、農業被害、河川汚濁、生活環境の悪化など詳細なる実態調査を実施し、その復元に向けた万全な対策を講じるべきと考えますが、所見を伺います。

 第4に、住民の知恵と力をかり、住民とともに問題解決に取り組むことが肝要と考えます。糸谷川、日和川の環境保全を進め、千丈渓の整備をも視野に入れた、仮称です、河川環境整備保全委員会を官民協働で設置をし、情報の共有を図り、問題解決を進めていくべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、島根原発についてです。

 島根原発1、2号機の点検漏れは511件にも上りました。中国電力の保守管理のずさんさに対し、県民の憤りが高まっています。

 今回の問題は、原子力基本法の民主、自主、公開の原則に反し、安全確保の責務や情報公開などを規定する安全協定にも反する異常な事態でありました。中国電力は、私は悪質だと言わざるを得ません。それは、昨年の3月、中国電力は点検漏れを把握していながら、ことしの3月30日の公表まで実に1年間、情報を一切公開せず、黙ってないしょで点検漏れのまま原発を運転し続けていたからであります。悪質きわまりない。

 今回の問題は、中電が原発では事故は起きないという安全神話につかっていたということ、そしてこの地域でただ1つ、唯一の電力供給源となっているおごり、そして目に余る異常体質が露呈したものであります。この間、中電は、土用ダムの測定データ改ざん、トラブル事象を隠すなどの不正、不適正事案に対する行政処分、相次ぐ火災発生の未報告など、県民を欺き続けてきました。問題発覚のたびに、ごめんなさい、申しわけありませんと謝罪はするものの、根本的な安全対策や構造的な隠ぺい体質は全く改善されておりません。

 保安院は、中電が最終報告書を提出したわずか3カ月後の9月6日に早々と運転再開を容認しました。しかし、県や市の安全対策協議会や、昨日、そして一昨日などでの住民説明会、昨日は知事が住民説明会御参加でございました。この場などでは、市民から、中電は根本的な原因の分析が甘い、反省がない、中電の体質が改善されていない、こういって再発防止策の実効性を疑う意見が相次ぎました。2号機の運転再開について、住民の理解と納得はいまだ得られていないということを私は強調するものであります。

 そこで、中国電力の隠ぺい体質をただし、説明責任を果たさせる立場から、2点伺います。少し過去のものになりますけども、2点伺います。

 1つは、自治体への多額な匿名寄附の問題です。

 旧鹿島町、そして旧島根町、約48億円もの匿名寄附が行われておりました。電気料金は適正原価に適正報酬を加えて算出され、多額な寄附の有無について、事業者による説明責任は不可欠であります。電気料金と関係するわけですから、当然説明しなければなりません。

 私は、事業者による自治体への多額な寄附は原発推進政策への誘導であって、自治体施策の変質につながると考えます。中電が旧鹿島町並びに旧島根町に多額な寄附を行ったのか行っていないのか、県としてこの点を明らかにさせるべきであります。県としての考えを伺います。

 第2に、住民への説明責任を果たさせる問題です。

 中電は、3号機増設に伴って、安全上、保安上として、片句にあります宮崎鼻の土地を取得する計画でありましたが、地権者の同意が得られず、宮崎鼻の取得を断念したという経緯がございます。この点で、必要としていた土地が取得できなかったのにもかかわらず、関係住民に対する説明責任と土地の未取得に伴う安全対策が施されておりません。よって、住民の不安はいまだに渦巻いています。住民に対する説明責任と対策を講じさせるべきと私は考えますが、県の考えを伺います。

 次に、安全協定です。

 出雲市は、安全協定の締結を求めています。住民の安全確保を最優先し、原発の情報公開や情報伝達体制を強化するためにも、県として積極的に安全協定の締結に向けた対応策をとるべきと考えますが、知事の所見を伺います。

 次に、地域住民との信頼関係構築についてです。

 柏崎刈羽原発では、原発の運転状況の確認、住民への情報提供、事業者への提言などを行う、発電所の透明性を確保する地域の会が設置され、毎月定例会が開催されております。島根原発において、中国電力や関係機関、地元住民が定期的に意見交換を行い協議する場を設置すべきと考えますが、所見を伺います。

 最後に、運転再開です。

 保安院は、商業原発の5段階評価で、島根原発は最低評価である1としながら、早々と運転再開を許可しました。この保安院の安易な姿勢に対しても、住民の不安が高まっております。県民の命と安全を守る県として、運転再開に当たっては、住民の合意、納得が得られ、中電の安全対策や構造的な隠ぺい体質の改善が図られるまで許可はすべきではありません。知事の所見を伺います。

 最後に、浜田高校今市分校の募集停止について伺います。

 9月17日の県教育委員会において、平成23年度からの浜田高校今市分校の募集停止が決定されました。統廃合基準に到達していたとはいえ、統合または募集停止を行う2年前の1学期末までという原則、ルールを踏み外す形となった今回の募集停止決定は、生徒、保護者を始め地域住民、教育関係者に不信感や不安、動揺を与えるものとなったことを指摘せざるを得ません。

 3点伺います。

 第1に、今回の募集停止は、県教育委員会の、原則的に募集停止を行う2年前の1学期末までに公表するとのルールを逸脱することであります。今回の募集停止決定がおくれた理由と、今後の教育行政の信頼回復についての取り組みを伺います。

 第2に、今後、今市分校在校生に対する教育支援、進路保障の充実、生徒指導について万全を期すべきと考えますが、所見を伺います。

 第3に、学校は地域コミュニティーや文化的拠点であり、学校の存在が地域の活力にとって重要な役割を果たしています。特に離島、中山間地域において、地域と連携し、地域の活性化につながるような魅力ある学校づくりが必要だと思いますが、所見を伺います。

 質問は以上でございますが、通告しました30分に対しまして5分時間が残っておりますので、質問内容をもう少し説明させていただきます。

 糸谷川の汚泥のしゅんせつの問題です。

 私はこの点で、現地も見て、農場から流れる茶色い水等も見ました。そして、住民の皆さんからの苦しい思いも聞きました。ここはやはり県費で汚泥しゅんせつを行うわけですから、責任をしっかりと、原因を特定しなければなりません。馬潟工業団地では、公害防止事業者事業費負担法を適用しております。環境審議会を開いて、事業者に負担をさせております。こういう点等も含めまして、知事の考えをお聞かせいただきたいという点です。

 それから、資格証明書の問題です。

 私が挙げました厚労省の事務連絡というのは、2009年1月20日の事務連絡です。医療の必要を訴える人には短期証を発行するという事務連絡です。健康福祉部長、御存じだと思います。すなわち、必要な人は保険証を出さなければならないわけですね。しかしながら、見てみると、質問の中でも言いましたけど、今現在でまだ900世帯を超えるところが資格証になってるんですよ。私は、これは余り改善が図れてなくて、通知の徹底が十分ではない、事務連絡の徹底が十分ではないのではないか、こう思うものですから、その点を踏まえての御答弁をお願いしたいと思います。

 原発の問題です。

 知事、私は決して中国電力が憎いわけじゃないんです。これは放射能漏れ等の事故が起こったら、県民の命にかかわる大問題です。中電は、安全文化の醸成に努めるということを言ってるわけですけど、外に向かってはそういうことを言ってるけど、中ではそうなってないんですよ。残り3分。

 内部では、女性社員が、会社の不適切な業務、サービス残業をただしてくださいとか、上司のセクハラ問題等々発言して、会社の上層部にこういう社員に対する不適切なことはやめてくださいということで頼んだわけです。発信したわけです。そうすると、会社側はその方に対してさまざまな嫌がらせ、不当な差別を行って、男女雇用機会均等法に反する女性差別が今行われてる。

 これは今、係争中ですから、この件に対してのコメントということはならないと思いますけど、私は、外ではそうやってきちっとルールを守ります、法令遵守しますと言いながら、足元である社員の中ではそういうことが行われてる。私は、そういうことでは本当の意味での保守管理や安全対策はできないと思うわけです。ですから、この点で、中国電力に対して県として私は厳しく言うべきことは言わないといけない、このことを強く求めて、第1問目の質問とさせていただきます。(拍手)


○議長(田原正居) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 尾村議員の御質問にお答え申し上げます。

 私からは4点、国保の制度問題、子ども・子育てシステムの問題、いわみファームの問題、島根原発の問題についてお答え申し上げます。

 まず、国保会計への国庫負担の増加を国に働きかけるべきではないかということ、それとあわせて県独自の支援策を強化すべきではないかということでございます。

 企業等を退職したりしますと、地域の保険であります国保に入らなければならない、そういうことでございます。そういう意味で、国民健康保険制度というのは国民皆保険の最後のとりでと申しますか、そういう機能を果たしておるわけであります。

 しかし、国保はずっとこれまで市町村ごとに行われておると。しかし、市町村で規模が小さいと、なかなか保険として対応するということが難しい、財政の問題なんかが出てきておるわけでございます。

 例えば特に中山間地域、離島等におきましては、年金の受給者でありますとか非正規の労働者でありますとか低所得の方々が比較的多いという問題があります。また、医療費が比較的多くかかる高齢者の加入割合が大きいということになります。そうしますと、なかなか保険の収入、それだけではなかなか国保に係る支出を賄っていくことが難しい。もちろんそういうために国が国庫負担をしておるわけでございます。しかし、なかなか国庫負担が十分でないという議論があるのは承知をしてるわけでございます。

 国におきましては、こうした従来からの構造的な問題に加えまして、医療費の増大あるいは昨今の経済不況によります失業者の増加等によりまして、市町村国保の財政運営は御指摘のようにますます厳しくなっておるということであると私も認識をしております。国は現在、新たな高齢者医療制度の議論の中で、市町村国保のあり方について検討され、市町村国保がより安定した制度になるように、いろんな案も出されて検討しておるわけでございます。

 私どもとしては、国保につきましては、保険料収入、それから国の負担、県をスルーするやつもありますが、実質的に国が負担をするということで市町村国保がなっておるわけでございまして、市町村国保が将来にわたり持続可能で安定した制度になるよう、国に対して要望しております。知事会も同じ意見でございまして、国がきちっと責務を果たすべきだということを言っておるわけでございます。

 そういう中で、県独自にも負担をすべきではないかという御趣旨、あるいは支援をすべきではないかという御趣旨のお話がありました。

 もちろん県につきましても、住民の方が健康になるように、健康を維持できるように、いろんな必要な施策はやっておりますけども、国保の問題はやはり国が責任を持ってやるもんでございますから、そこに県が単独で支援をしていくということになりますと、いずれにしても限界があるわけでございます。やはり国が全体としてこの問題に真正面から対処しませんと、解決する問題ではないんではないかと思います。

 ただ、現状におきまして、例えば乳幼児の医療などにつきましては、3歳までは助成があるわけでありますけども、各市町村によりましては小学校へ入るまで、あるいは小学生は全員とか、あるいは極端な場合は、東京都などにおきまして財政の豊かなとこは中学生まで医療費の軽減をすると、無料化だったかと思いますが、そういうことがあるわけで、個々の市町村がそれぞれやり、それを県等が支援をするということになると、そういう基礎的な医療について大きな地域間の格差が出てくるわけでございます。私は、それは適当ではない。やはり国民の健康にかかわるような問題は、国が全国どこにいてもそう違わないサービスを提供すべきだというふうに考えるとこでありまして、先ほど申し上げました国保の問題につきましても、そういう観点から国に対して要請をしていきたいというふうに考えておるところであります。

 次に、現在政府において検討が進められております子ども・子育て新システムの問題について御質問がございました。

 今、国が検討されておりますのは、子どもの育ち、子育て家庭を社会全体で支えるために市町村が制度を実施をすると、国、都道府県等が制度の実施を重層的に支える新たなシステムを構築しようというもんでございます。この点も先ほどの国保の問題と似たところがあるわけでありますが、議員も御指摘になっておりますけども、まず大事なことは、児童の処遇の低下、子どもたちに対する支援と申しますか、支えが低下しないようにしなければならない、それから保育の現場で混乱を招かないようにすることが必要だ、こういう点は国に対して従来から申し入れております。

 また、自治体間の財政力の格差が、子どもたちの取り扱い、支援に対する扱いが違ってくる、そういう格差が生じないようにする必要があるというふうに思います。そのためには、やはり財政力等に応じた国の地方団体に対する私は支援が必要なんだというふうに思います。

 新システムの制度案の要綱では、必要な子どもにサービス給付を保障することは市町村の責務とされております。これは民間にすべてを任すということではないという趣旨のようでございますが、そういう意味において、公的な関与が失われるものではないと私どもも考えておりますけども、そうしたことが確実に担保されるような財源措置がとられるということが必要だというふうに思いますし、また弱い立場の児童や保護者が不利益をこうむらないような仕組みづくりを国がしなければならないということで、こういう点を国に要請をしてるところであります。

 また、この点では、県はこれまでも、児童人口の少ない地域でも必要な保育サービスが受けられるよう、県独自の補助制度を設けているところでございますが、引き続き国の議論の動向を注視しながら、県としての保育支援について検討してまいりたいと。国保の場合は、医療というかなり特定をした仕組みになっておるわけでございます。子育てというのは、国だけではなくてもちろん市町村、県もやっておるわけでございます。そういう点で、若干の県の支援について違いがあるということではないかと思います。

 次に、糸谷川の汚泥問題についてでございます。

 議員が御指摘になったように、汚染者が汚染除去の負担をすると、これは最も大事な原則でございます。そういうために、県ではいわみファームに対しまして、しゅんせつ、汚泥を除くための事業について、いわみファームに負担をするように求めてきております。しかし、いわみファームのほうでは、その汚泥の原因がみずからの排水によるものだということは認めていない状況にあるわけでございます。

 そのために県はどういうことをしておるかといいますと、汚染原因の特定のために、土質の、あるいは沈殿物と申しますか、そういうものの科学的な分析を行っておるとこでございます。そうした調査結果を踏まえまして、費用負担をいわみファームに対して求めていく、そのための協議を行うという状況でございます。

 しかし、その問題が解決つくまで汚泥を放置するわけにはまいりませんので、住民の方々の不安を払拭し、生活環境の保全を図るために、県がしゅんせつの事業は行うと、当面ですね。しかし、並行していわみファームに原因者負担を求める、そのための科学的な土質の調査を行うということをやっております。しかし、いわみファームが現在まで認めておりません。そういう意味で、協議が不調に仮になるような場合には、公害審査会等において調停等の手続も求めていく考えであります。

 次に、島根原発の関連でございますが、幾つか質問がございました。

 私の質問としては、最初に、出雲市の安全協定、中電との安全協定の問題についてお答え申し上げます。

 出雲市は、原子力発電所の危機管理の情報を近辺の住民の方々にお伝えをしなきゃいかん立場にあるわけであります。そういう情報の提供は、県からの情報提供等に頼ってきておられるわけですが、やはり出雲市自身も中電から直接その情報を得たり質問をしたり、そういうことをしたいということを言っておられます。当然のことであります。

 そういう意味におきまして、出雲市と中電との間の情報連絡の内容、方法、時期等につきましては、基本的に両者の間で議論がされていきますけども、県としましても出雲市と中国電力との間のこの問題につきましては前向きに検討しておりまして、事務レベルで現在協議をしております。今後も出雲市の要請等がありましたら、両者の協議の場に職員を派遣するなど、必要な対応はとっていきたいということであります。

 次に、中電等からの情報の提供、現状の説明等について、さらにそういう機会を設ける、機会を強化するという趣旨から、島根原発に関する協議の場の設置についてのお話がありました。

 これは柏崎の刈羽原発の例も引かれましたが、関係機関や地元住民が定期的に意見交換や協議を行う場というのもあります。先般の県の安対協の場におきましても、そういう場を設けてはどうかという御意見もありました。その際に私は、それは必要なことでありまして、そういうことを検討していきたいと、中電ともよく相談をしていきたいと答えてるとこでございまして、ぜひそういう場を実現するように努力をしていきたいと思います。

 それから次に、運転再開の問題であります。

 まず、議員は、21年度に保安院が行った日本全国の原子力発電所の保安活動の総合評価について指摘をされたわけです。それでは中国電力は最低になったということであります。それはまさに今回の保守管理の体制の不備がその評価の中に盛り込まれたから最低になったわけであります。

 しかし、それを受けまして、今年の3月末に問題が中電から国のほうに報告をされ、その後、中国電力におきましては、国の保安院の指導監督も受けながら再発防止対策を講じてきておるということでございます。原子力安全・保安院のほうは、そうした再発防止の対策がきちっと行われておるのか、あるいはそのための体制の整備はちゃんと中電においてできたのかということを、2度にわたる特別な保安検査におきまして調べたわけですね。その結果、9月6日でございましたが、そういう対策が着実に実施をされてきておる等の確認をされ、確認を最終的にまとめられ、そのことを受けまして、中国電力から国の命令により提出をされておりました保安規定の変更申請を認可するということで、運転再開を監督、保安院の立場から認めるということになったわけであります。

 その際、保安院のほうは私どものほうにも参りまして、そういう説明をいたしました。2号機の運転再開に当たっては、安全上の問題はないと。しかし、この改善のいろんな措置、体制がきちっと定着していくか、保安院は引き続き特別な監視下のもとに中電を指導監督していくということを言っておられるわけであります。私どもは現在、そうした国の判断が適正なものかどうか見きわめる、あるいは地元の皆さんの御意見をお聞きするというプロセスにあるわけであります。

 県としましては、まずやはり松江市と一緒にでありますけれども、改善策が島根原発でどのように実行をされておるのか、あるいはどういう体制になっておるのか、あるいは交換が行われなかった部品の取りかえ等々の問題がきちっと保安院の言うとおりになって改善されておるのか、そういう点を確認をしてきておるわけであります。また、この問題は非常に専門的な知識を要するわけでございまして、県はそのために原子力安全顧問という方を、大体原子力関係の大学の先生等が中心でありますけども、先生にこうした場面では御意見を聞くということをやっております。原子力安全顧問からも御意見を聞いたりしております。さらに、県の安全対策協議会からも意見を聞き、また住民の方々にも説明会を松江市とともに開き、意見を聞いてきておるということでございます。

 先週土日に鹿島町と島根町、そして松江市において昨日、住民の方々に、国、中国電力、そして県、市が説明をし、それに対して御意見、御質問等を受けたわけでございます。その席上でどういう意見があったかということを若干紹介しますと、運転再開につきましては賛成反対双方の意見があったと思います。それから、再発防止対策を確実に実行して安全・安心の体制を確立してもらいたいという意見があります。それから、中国電力は職員の人たちを含め、あるいは経営陣も含め、安全の意識というものがきちっと浸透し、それに基づいて適切な保安管理が行われるようにやってもらいたいという話、それから情報が必ずしもわかりやすいわけではないと、そういう面での改善、あるいは情報の公開をきちっとやってほしいといった話がありました。それから、国、県、市におきましては中国電力の取り組みの状況を継続的に確認をしてもらいたいというような意見が主要なものでありました。

 私どもといたしましては、議会でもこの問題が委員会で議論もされるのではないかと思いますが、議会での御意見、あるいはこれまでいろいろ専門家等々から意見を聞いておりますけども、そういうものを総合的に勘案して、県としての対応を取りまとめまして、国に伝えていく考えであります。昨日も終わった後、それはいつごろになるのかという質問がありましたが、それはまだいろんな意見もありますし、そういうものをしんしゃくをする必要もあります。さらに、松江市の判断もありますし、いずれにしましても時期はまだ確定しておりませんということをお答えをしております。

 大事なことは、定着をしていくということであります。それは短時日にはわからないわけであります。これまでもいろんな問題出てきたけども改善が十分できなかったという問題に見られますように、やはりこの問題につきましては中国電力の対応を私どもがよく監視をしていく。最も大事なことは、国がやらないと、国が一番の直接の監視者でありますから、あるいは監督者でありますから、国がきちっとやるように私どもも要請しておりますけども、国がそういう特別な監視の体制を維持して、中国電力がきちっとやっていくと、何か問題があればきちっと指摘をして必要な措置をとるといったことが大事じゃないかと思います。そういうプロセスを経ずしてこの問題が解決していくのは難しいと思います。そういう観点から、今この問題について私どもも検討しておるといった状況でございます。

 私からの答弁は以上であります。


○議長(田原正居) 長谷川地域振興部長。

○地域振興部長(長谷川眞二) 私からは、島根原子力発電所に関連して2点お答えいたします。

 まず、中国電力が旧鹿島町、旧島根町に寄附を行ったかどうかを明らかにすることについてであります。

 旧鹿島町などに多額の寄附があったことは承知しておりますが、この寄附金がどこからのものかにつきましては公表されていない状況にあり、また寄附を受けるかどうかといったことにつきましては、地方自治の本旨からも、それぞれの自治体の考えで進められるものであります。しかしながら、一般論としましては、今日の社会におきまして、行政においても企業においても説明責任を果たすことが求められておりまして、そうした考え方のもとでそれぞれが判断される必要があると考えております。

 次に、宮崎鼻の土地の取得を断念したことに対する住民への説明責任などについてであります。

 宮崎鼻の土地の取得につきましては、もともと新たな設備を設置する計画はありませんでしたが、3号機増設に伴い設置する設備が西北側境界に近づくことから、設備を管理する上でより安全を確保するという観点から取得を予定していたものと聞いております。この土地につきましては、御指摘のように、結果的に一部の地権者の方の同意を得ることができなかったことから取得を断念し、敷地境界の変更手続を踏まえまして、最終的に3号機の増設について国が許可をしております。また、保安上の観点からは、外部からの侵入防止の措置は講じられているところです。

 この件につきまして、具体的にどのように地元に説明がなされたか承知しておりませんが、地元住民の方々の安全・安心にかかわることにつきましては、できる限り丁寧な説明がなされる必要があると考えております。以上でございます。


○議長(田原正居) 錦織健康福祉部長。

○健康福祉部長(錦織厚雄) 国民健康保険、生活福祉資金、保育制度、大きく3点についてお答えをいたします。

 最初に、国民健康保険についてでございますけども、まず加入状況の実態調査、それと資格証明書についてお答えをいたします。

 失業によりまして被用者保険から市町村国保に移られる場合は、市町村の窓口において被保険者としての資格取得手続を行っていただくことになっております。こうした手続を行っていない方々を解消するためには、国保制度の趣旨でありますとか保険料の軽減措置等について引き続き周知を図っていくことが重要であるというふうに思います。県といたしましては、市町村国保への加入促進に向けまして、実態の把握を含めまして、どういった方策が有効か、実施主体であります市町村と相談していきたいと考えております。

 また、特別な事情がないにもかかわらず1年以上保険料や税を滞納している世帯主に対する資格証明書の交付につきましては、機械的な運用にならないよう、これまでも国の通知等を受けまして、会議の場や市町村への指導等において助言をしてきました。議員御指摘のように、平成22年7月1日現在、949世帯の資格証の交付世帯数があります。私といたしましては、今後も市町村においては個々の滞納理由や事情を把握した上で対応する、それから機械的な取り扱いにならないように、市町村とは直接お会いしていろいろ話をする機会がございますので、こういう機会を活用いたしまして引き続き助言をしてまいりたいと、そういうふうに考えます。

 次に、国民健康保険法第44条に基づく一部負担金の減免等についてでございます。

 このたび、一時的に収入が減った国保の加入者が入院した場合に一部負担金の減免を受けられるようにするために、減免額の半額を国が補てんする制度が設けられました。県といたしまして、この制度が定着をしますように、会議の開催等を通じて市町村に働きかけてまいります。

 次に、国民健康保険の広域化についてでございますが、市町村国保の広域化は、保険財政の安定化や保険料の平準化等を図ることを目的としたものと認識しております。国においては、国保の広域化を推進するため、本年5月の国民健康保険改正によりまして、都道府県が広域化等支援方針を策定することができるとされております。これにつきまして、県といたしましては、国保の広域化につきましては各市町村の意向を踏まえて取り組むことが重要であるというふうに考えておりますので、今後、市町村や関係団体による意見交換の場を設けまして議論を深めていくこととしております。

 次に、生活福祉資金についてお答えいたします。

 まず、制度の周知徹底と貸し付けの積極的、柔軟な対応についてお答えをいたします。

 生活福祉資金の貸し付けについては、昨年10月の大幅な制度改正を踏まえまして、制度の実施主体でございます島根県社会福祉協議会においてパンフレットの配布、それから各種会議での説明や、社協だより、それからホームページへの掲載など、県民の皆さんに対して広く周知徹底を図ってきたところであります。さらに、昨年の12月とことしの3月、島根労働局や社協さん、それから行政など関係機関が一堂に会しまして、雇用や住居、生活支援に関する相談手続を一つの窓口で行いますワンストップサービスを開催しておりますが、生活福祉資金の相談対応など、関係機関が連携した対応を行ったところであります。

 生活福祉資金は、セーフティーネットの一つとして重要でございますし、申請者の世帯の自立につながるかどうか、これが重要な視点でございます。それぞれの資金の目的に応じて利用が進みますように、適切な運用を行っていくことが必要であると考えております。今後とも引き続き関係機関との連携を図ってまいりますとともに、新聞などを活用いたしまして、生活福祉資金制度の広報啓発に努めてまいります。

 次に、生活福祉資金の窓口であります市町村社協の職員への研修強化や相談内容の把握などについてです。

 市町村社協職員に対する研修は、毎年、県の社協が行っておりますが、本年の研修では特に、制度改正に関して理解を深めるということと、運用状況に関する現状と課題についての共通認識を図ったところであります。制度改正後、相談件数が増加しておりますこと、それから生活福祉資金が低所得者世帯の自立を促進するための資金であるということを踏まえますれば、相談窓口である市町村社協が相談内容をきちんと把握して適切に対応することが重要でございます。このために、今年度、県社協及び市町村社協に生活福祉資金に関する相談員を配置しております。こういうことによりまして、相談体制の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。

 次に、貸し付けの申し込みから融資までの期間であります。

 市町村社協への申請書類の受け付け、それから審査、それから振り込み手続等を経まして、一般的に融資まで1カ月程度を必要としております。こうした現状ではございますけども、離職者向けの資金でございます総合支援資金でありますとか、緊急な費用に対応するための緊急小口資金につきましては、資金の緊急性を考えまして、総合支援資金は2週間から3週間で、緊急小口資金は1週間程度で融資ができるような対応を行っております。今後も、借入申し込み世帯の状況を踏まえまして、緊急に資金が必要となる場合はできる限り短縮できるように、そういう取り組みをしていく必要があると考えております。

 次に、保育所についてお答えをいたします。

 まず、給食の外部搬入と職員の加配についてでございます。

 保育所の給食は、これまでその施設の中で調理をしなければならなかったわけでございますけども、本年6月に児童福祉施設最低基準が改正されております。施設の外で調理し搬入する方法が認められました。

 しかし、無条件に行えるわけではございません。責任体制の明確化や栄養士による指導、アレルギーへの対応や食育計画の反映など、さまざまな要件を満たす必要がございます。県といたしましては、給食の外部搬入が安易に行われることがないように、改正の趣旨でありますとか要件を周知徹底をするとともに、実施監査等の機会を生かしまして、給食を適切に提供されるように助言、指導をしてまいりたいと考えております。

 また、集団行動になじめない児童への対応についてでございますけども、県は、少人数の障がい児保育事業に取り組む市町村に対しまして、保育士配置にかかわる県単独の助成を行っておりますが、それ以外に、保育士に対する研修でありますとか、県の発達障害者支援センターによる巡回相談を行うなど、現場の支援にも取り組んでおります。ただ、アレルギー除去食の調理でありますとか、気にかかる子どもの保育など、保育現場にはさまざまな専門的な知識や技術が求められるようになってきております。こういうことから、国においては、専門性の高まりなどに対応した保育の質の向上、このことについて、財源確保とあわせてさらに検討することとなっております。職員加配等々、さらなる助成につきましては、このような議論の動向でありますとか、それから市町村さんの取り組みとか、そういうものを踏まえて検討していく必要があると考えております。

 次に、認可外保育施設の実態と支援ということでございます。

 県が把握しております認可外保育施設の数は、平成22年3月末現在で46カ所となっております。認可外保育施設には、広く児童を受け入れている施設を始め、僻地保育所、それから企業や病院などの事業所内保育所、繁華街で深夜まで児童を預かる施設などさまざまな形態がございまして、子育て家庭の支援に一定の役割を果たしていただいております。

 県では、保育サービスの安定的な提供、それから質の確保という観点から、保育サービスの提供主体は児童福祉施設最低基準を満たす認可保育所を基本と考えておりますが、認可外保育所に対しましても児童の健康診断等に要する経費の補助を行っております。また、このほか、関係者の意見を踏まえ、認可保育所への移行についての必要な助言等も行ってきております。

 認可外保育施設に対する県の支援につきましては、国が子ども・子育て新システムの中で、保育サービスのメニューの多様化についても検討されております。こうした議論を踏まえ、判断する必要があるというふうに考えております。以上でございます。


○議長(田原正居) 石垣農林水産部長。

○農林水産部長(石垣英司) 私からは、いわみファームの排水流出についてのお尋ねにお答えいたします。

 まず、いわみファームに関係する覚書と法令に基づきます対処についてであります。

 平成14年に締結された覚書は、関係する5者、この中には当然いわみファーム、江尾自治会、そして県も含んでおりますが、これらが合意の上、調印したものでありまして、県といたしましてはいわみファームに対しまして引き続き遵守を求めてまいる考えであります。

 この覚書に反していわみファームが行った行為によって住民に生じた被害の額が算定できる場合には、覚書に基づいて、江尾自治会はいわみファームに対して損害の補償を求めることは可能であると考えております。また、家畜排せつ物法や水質汚濁防止法など関係法令に違反する行為等につきましては、各法令に照らして、今後とも県として適切に対処してまいる考えであります。

 次に、糸谷川流域の実態調査についてであります。

 これまでに、糸谷川流域の集落の井戸水や河川水によってかんがいを行っている水田において生産された玄米についての成分検査を行いまして、有害物質が含まれていないことを確認しております。さらに、今年度の稲作についてでありますが、春作業の開始前に水田土壌の分析を行いますとともに、この栽培期間中は毎月1回、かんがい水の分析を行いまして、その結果を踏まえた栽培管理指導を県として行ってきたところであります。今後とも必要に応じて調査分析を実施いたしまして、住民の皆さんにも情報の提供をしていく考えであります。

 なお、6月には、県も協力の上で、江津市が住民への健康被害の聞き取り調査を実施したところでありまして、この中で、住民の方の中には精神的ストレスを訴える住民が見られたところであります。

 最後に、河川環境保全への取り組みについてであります。

 本年1月に排水の流出が発覚して以来、県といたしましては、江尾自治会住民との間で7回の意見交換を行いまして、さまざまな情報の共有をしながら、糸谷川の水質調査や河川浄化等の環境保全への取り組みもあわせて進めてきたところであります。今後とも、関係する自治体、江津市や邑南町とも連携をして、住民との間での協議を重ねながら、その問題解決に努めていきたいと考えております。

 なお、日和川や千丈渓を含めた官民協働の組織についてでありますけれども、今後の事態の推移を見守りながら、その設置の可否も含め、関係部局とも協議をしつつ検討してまいりたいと考えておるところでございます。以上です。


○議長(田原正居) 布野病院局長。

○病院局長(布野典男) 私のほうからは、差額ベッドにつきまして3点お答えいたします。

 初めに、差額ベッドの適正運用の取り組み状況であります。

 特別療養環境室、いわゆる差額ベッドにつきましては、利用者の方に一定の料金を自己負担していただき、特別の療養環境を提供することが認められた個室のことで、現在、中央病院には103床ございます。

 差額ベッドの取り扱いにつきましては、厚生労働省の通知で定められており、原則として患者の自由な選択と同意をもとに提供するもので、その意に反して行ってはならないとされています。また、同意書による同意の確認を行っていない場合や、医師が治療上必要と判断した場合など、料金を求めてはならないことがあわせて示されています。

 中央病院では、議員御指摘のように厚生労働省の通知に反する事例があったことから、差額ベッドの対応の徹底を図るため、昨年の6月に院内検討チームを立ち上げ、12月に院内運用マニュアルを作成いたしました。このマニュアルを活用し、直接患者さんに説明を行う看護師長を対象にこれまでに数回の研修会を行うとともに、医師や看護師など関係するすべての職員が改めて厚生労働省の通知内容や患者さんへの説明の仕方など、その一つ一つをきちんと理解し、適切な運用ができるよう取り組んでいます。

 現場の職員からは、制度を理解する上でわかりやすいマニュアルであり、さまざまなケースに対し、より適切に対応できるようになったと聞いております。引き続きこのマニュアルを活用しながら院内研修を進め、差額ベッドの適正運用の徹底を図ってまいります。

 次に、過去3カ年間の差額ベッドの徴収状況であります。

 平成19年度は、入院件数は3万6,679件、そのうち料金を徴収した件数は3万4,416件、料金を徴収しなかった件数は2,263件です。平成20年度は、入院件数は3万8,849件、そのうち料金を徴収した件数は3万6,479件、徴収しなかった件数は2,370件となっております。平成21年度は、入院件数は3万7,442件、そのうち料金を徴収した件数は3万5,402件、料金を徴収しなかった件数は2,040件であります。

 最後に、差額ベッド料金の廃止を含む料金の引き下げについてであります。

 中央病院では、旧病院時代から差額ベッドの要望も多く、不足している状態であったため、新病院建設に当たっては差額ベッド数を90床から122床に拡充いたしました。その後、無菌治療室などへの転用により、先ほど申し上げましたように、現在では103床になっております。

 差額ベッドは、通常の1人当たりの面積よりも2.5倍から7.5倍の広さの5つの区分の部屋があります。区分ごとには異なりますが、バス、シャワー、トイレのほか、特別室にはキッチン、応接セット、和室など、通常の4人部屋にはない設備を備え、特別な療養環境を提供しております。

 差額ベッドの料金につきましては、バス、トイレなどの設備の使用に係る費用と、建物の減価償却など面積に応じて積算する費用などを算定し、決定しております。この料金につきましては、2年ごとに見直しを行っておりますが、現行の料金は本年3月に見直したものであります。前回の見直し時点から大きな変更要素はないことから、据え置きといたしました。

 御質問のありました差額ベッド料金の廃止を含む料金の引き下げにつきましては、現状におきましても特別な療養環境を求める要望は依然として高いことから、直ちに料金を廃止することは困難と考えております。今後、近隣の県や県内の類似の公立病院などの状況も詳細に調査しながら、より適切な室料となるよう、次期改定に向けて検討してまいります。以上でございます。


○議長(田原正居) 今井教育長。

○教育長(今井康雄) 私のほうからは、浜田高校今市分校の募集停止に関します御質問3点についてお答えをいたします。

 まず、1点目でございます。募集停止の公表時期についてでございます。

 御指摘のとおり、県立高等学校再編成基本計画では、募集停止につきましては、中学生への進路指導等に配慮いたしまして、原則的には2年前の1学期末までに公表するということといたしております。当然のことながら、この原則に従って行うことが望ましいということは言うまでもないと思っております。

 一方、今回の今市分校の状況でございますが、この今市分校は近年、地元出身者の入学者が少なくなっている中で、昨年4月、入学生徒数全体も急激に減少いたしました。このため、今後同校が生徒にとって魅力ある高校教育の環境を整えられるのか、あるいは分校本来の意義でございます地域の生徒の進路動向はどうなるのか、こういった観点から慎重に検討を進めてまいりました。

 そうした中で、ことしの4月でございますが、4月の入学生も大変少ない状況が続いたところでございます。そういったことから、学習、部活動等の教育活動を適切に行う教育環境を整えることが困難な状況となったところであります。こうした状況を踏まえまして、早急な対応が必要であるという判断をいたしまして、1年前ではありますが、やむを得ず平成23年度の入学者選抜から生徒募集を停止するということにしたところであります。

 いずれにいたしましても、今回、公表の時期が結果といたしまして原則とする2年前からおくれたことで、在校生徒あるいは保護者や地域の方々に少なからぬ動揺を与えたということは事実であろうと思っております。また、保護者の方から不安感もお聞きをしております。大変重く受けとめております。

 そこで、2つ目の質問でございます。今後、在校生に対する支援、指導をどうしていくのかという御質問がございました。

 来年度からの募集停止によりまして、今市分校は今後、閉校までの2年間、在籍生徒数が減少していくということになりますが、私どもといたしましては、現在の教育水準を下げることなく、授業を始めとする教育活動を展開いたしますとともに、進路指導等にも万全を期しまして、在校生徒が充実した高校生活を送り、無事卒業できますように、教育委員会、学校一体となって全力で支えてまいりたいと思っております。

 それから、3点目でございます。離島、中山間地域におきます地域と連携した魅力ある学校づくりについて御質問がございました。

 少子高齢化が進んでいく中で、特に離島、中山間地域におきましては、学校の存在が地域の活力にとりましてますます重要な役割を果たしていくものと思っております。そうした中で、各県立高校では、従来からそれぞれの地域の特色を生かした教育活動を行ってきたところであります。例えば専門高校では、地域の素材を用いた商品開発等に地域の産業界と一体となって取り組んでおりますし、また横田高校のホッケー部等、地域に元気と誇りを与える部活動の活躍もございます。

 そういったことで、今年度から新たな事業といたしまして、離島、中山間地域の普通高校を対象といたしまして、産学官の連携によります地域活性化を図るための研究事業も始めたところであります。今後一層さまざまな面で地域と連携を深め、地域を元気づけるような魅力のある県立学校づくりに取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。


○議長(田原正居) 尾村議員。

○尾村利成議員 2点ほど伺わさせていただきたいと思います。

 その前に、国民健康保険の問題では、健康福祉部長のほうから、無保険者の問題は実態調査を検討するという力強い御答弁いただきまして、感謝を申し上げます。よろしくお願いしたいと思います。

 私は、原発の問題で2点、知事と地域振興部長に伺いたいです。

 まず、地域振興部長は先ほどの御答弁の中で、私は寄附金の問題、それから宮崎鼻の問題言いました。地域振興部長の御答弁は、寄附金の問題、この点で言えば説明責任というのは求められるという話をされました。それから、3号機増設に伴う宮崎鼻取得に係る経緯についても、周辺住民に対して納得ある説明をすべきだという趣旨の御答弁いただいたと思います。

 私は、地域振興部長にお願いしたいのは、県としてはそのように考えられるのであれば、電力会社、事業者のほうにきちっと県としての考え方、あるべき方向という点を助言または申し入れ等をしていただきたいということであります。県としての助言、アドバイス等していただきたい。この点、これは地域振興部長の再答弁を求めたいと思います。

 それから、原発の問題で知事にお願いしたいんです。知事から詳しい答弁いただいたわけですが、私、さきの6月県議会で少し総務部長と一問一答で論戦をさせていただいたんですね。それは、電力会社の運転が私は不適正じゃなかったですかと、適正なのか不適切なのかという話で、私はこれは不適切じゃなかったですかという話を指摘したんだけども、保守管理がですね、安全対策がそうではなかったかと言ったんだけど、なかなか不適切だという答弁はもらえませんでした。

 私は何が言いたいかというと、やはり事実に照らして、事業者に対して毅然と物を言うべきことは言わないといけない、こうしないとやはり安全確保が図られないと思うわけです。原発問題の指導監督権限、これは確かに国にあります。保安院の厳格な指導監督というのが求められてます。しかし、県としても、これ立地してるのは松江にあって、島根県にあるわけですから、県として事業者に対して言うべきことを言わなきゃならない。私は、やはり県にしても県議会にしても、住民の命と安全を守る責任が私たちにあるわけですから、だから私たちの仕事として、1つに徹底した指導監督を県としてもしっかり行っていくということは必要だと思います。

 それから2つ目に、やはり事業者に対して言うべきことはきちっと言う、やるべきことは県としてきちっとやる、私はこのことが必要だと思うんです。知事、この点は私、答弁求めませんけど、よく申し上げるのが、原発の安全協定の中で12条の適切措置要求権使ったらどうですかって私言いますね。これは活断層を徹底調査するために県として発動したらどうですかと言いますね。私はこの間の事業者見てて、やはり許可権限持ってる国の言うことはすぐ聞くんですよ。国のほうが、もう少し活断層調査すべきじゃないかという指摘されたら、それはすぐやるわけです。だけど、県に対しては謝罪はするけども、本当に県に対してどうなのかなというふうに思わざるを得ないわけです。

 私は、当然国がやるのは当然だと思うけど、県としても言うべきことはきっちり、やるべきことはきっちりやる、この決意を知事に再度伺っておきたいということでございます。以上であります。


○議長(田原正居) 長谷川地域振興部長

○地域振興部長(長谷川眞二) 中国電力に申し入れてはどうかということでございますが、一つ一つの事案につきまして指示する立場ではございませんが、先ほど申し上げました一般論につきましては機会あるごとに申し上げていきたいと思っております。


○議長(田原正居) 溝口知事。

○知事(溝口善兵衛) 尾村議員の御指摘、中国電力のいろんな不備の問題等について、国が監督指導するのは当然であります。それだけでなく、地元としてきちっと問題点あるいはやるべきことを中国電力に言う必要があるということでございます。

 それはそのとおりであります。我々はそういう趣旨で中国電力にはいろいろ申してきております。申し入れをしております。私は、国に対しても申しております。国のいわば法的な枠組みの中では、国が指導監督をするわけでありますから、国もきちっとやってほしいということを言います。今回の事例のように、保安院は保安規定の変更申請を認可して、いわば法的には再開していいですよということを中国電力には法的には言ってるということなんですね。しかし、私どものほうは国に対して、やはり住民の方々の理解をちゃんと得なきゃいかんし、どういうことが起こったということを国がよく説明しなきゃいけませんよと、我々のほうもそういう手続をちゃんとやって、その上で考えますよということを言ってるわけです。それは同様のことは中国電力に対しても言ってるわけであります。

 したがいまして、ただ、議員の質問の中でもありましたが、さらにそういう仕方を密にやっていくということは考えるべき課題だと考えております。そういう意味で、きちっとやる。例えば中国電力の今回の案件に対しての改善措置がきちっと実行される、あるいはそれが社員、経営陣の中に定着をしていく、これはきっと時間をある程度要するでしょう。その間、国もきちっと保安監視を、特別な監視を続ける必要があるでしょうし、私どもも続けていきたいと。そういう過程において、きちっと中国電力に対しても物申していくということでございます。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画