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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2010 年 9 月定例会 知事提出議案、請願、議員提出議案に対する討論

2010-10-15 この記事を印刷
 日本共産党の尾村利成でございます。

 条例案1件、一般事件案4件、議員提出議案1件、請願2件について委員長報告に反対する討論を行います。


 第94号議案「島根県認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正する条例」

 まず、第94号議案「島根県認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正する条例」についてであります。

 本条例案は、保育所型認定こども園について、3歳以上の子どもの給食について外部搬入を認めるものであります。

 今日、朝食を食べてこない子どもやアレルギーのある子どもたちが増加し、保育士や調理士など保育現場において、子どもたちの食生活を把握しながら細やかな対応をしています。

 保育関係者の願いは、自園調理方式の堅持・拡充にあります。給食の外部搬入方式は、安全で豊かな食事を提供し、食育の推進に逆行するものであります。

 よって、本条例案には反対であります。


 第98号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」

 次に、第98号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」についてであります。

 砂防事業の急傾斜地崩壊対策事業や都市計画事業の街路事業1種並びに農業農村整備事業の広域農道整備交付金事業など、山地や農地の保全、災害や広域的な役割を果たす事業は、本来県が行うべきものであり、市町村に過大な負担を求めることには反対であります。


 第99号議案「財産の取得について《国道485号(松江第五大橋道路)改築(改良)工事事業用地》」
 第100号議案「財産の取得について《国道485号(松江第五大橋道路)改築(改良)工事事業用地》」
 第102号議案「契約の締結について《国道485号(松江第五大橋道路)改築(改良)(仮称)和久羅トンネル工事》」

 次に、第99号議案および第100号議案の「財産の取得」について、そして第102号議案の「契約の締結」についてです。

 これらの議案は、松江第五大橋道路建設にかかる財産の取得および改築工事の契約であります。

 国道485号松江第五大橋道路は、地域高規格道路境港出雲道路の1区間として、宍道湖、中海都市圏の形成を図ること、松江市街地の外環状道路を形成すること、ソフトビジネスパークなどの工業、商業拠点を結ぶこととされております。

 今日の厳しい財政状況、今後の人口動態、環境問題、外環状道路形成や工業、商業拠点を結ぶ必要性や実効性の有無など総合的に勘案した際、その事業実施に当たって疑義が残ります。

 よって、本契約締結には反対であります。


 議員提出第12号議案「知事の専決処分事項の議決の一部改正について」

 次に、議員提出第12号議案「知事の専決処分事項の議決の一部改正」についてであります。

 本議案は、多額の未収金が発生している県の債権について、その保全および回収の実効性を高めるために、知事の専決処分により、訴訟の提起、和解、調停ができるよう、知事の専決処分事項の議決の改正を行うものであります。

 県には、医学生等修学資金貸付金、母子福祉資金貸付金、DV被害者自立支援金貸付金、就農支援資金貸付金、高等学校奨学資金貸付金など、たくさんの債権がございます。県として、債権の保全および回収を適格に実施することは当然のことであります。

 債権の回収に当たっては、債務者と密に連絡を取り合い、債務者の個々の実情に配慮することが何よりも大切であります。

 この間、島根県においては、毎年のように職員定数が削減され、現場では必要な仕事がこなしきれない状況が生まれています。職員は債権確保に向けて、債務者と相談、協議をしたくても手が回らない状況であります。

 今すべきことは、強引な債権回収ではなく、一人ひとりの債務者と担当部局が向き合える職場環境を充実させることであります。そして、県民の暮らしの実態に目を向け、生活、就職、経営などの支援を強め、県民の暮らしを応援することであり、機械的な滞納整理をすすめることではありません。

 よって、本議案には反対であります。


 請願第55号「民法(家族法)改正の早期実現について」

 次に、請願第55号「民法(家族法)改正の早期実現」についてです。

 民法には、いまだに夫婦同姓を強制する制度や女性のみの再婚禁止期間、男女別の婚姻最低年齢、婚外子への相続差別など、男女平等と人権尊重に反する遅れた制度や仕組みが残されています。

 女性の尊厳、人権を守ることは、民主主義の前進にとって欠かすことのできない大切な課題です。家庭、社会のすみずみまで男女平等、個人の尊厳の徹底をはかり、女性の人権を尊重する社会が求められています。

 昨年8月18日、国連・女性差別撤廃委員会は、日本における女性差別撤廃条約の実施状況の審査の結果をまとめた総括所見を公表しました。

 総括所見では、日本政府が条約を女性差別の撤廃と女性の地位向上のための基盤として重視していない問題を、厳しく指摘し、日本政府が条約を法的拘束力のある国際文書として認め、完全な実施をすすめるように求めています。

 そして、差別的法規として、民法での、結婚最低年齢の男女差、女性のみに適用される結婚禁止期間、結婚の際の夫婦同姓の強制などをあげ、改正のための即時の措置を取るよう勧告しています。

 諸外国では、夫婦の姓について、選択制を取る国が増えており、日本のように夫婦同姓を強制する国は、今日、主要な先進諸国ではみられない状況であります。憲法で保障された「個人の尊厳と両性の平等」の精神を生かす上でも、選択的夫婦別姓制度の導入は当然のことであります。

 以上の立場から、「民法(家族法)改正の早期実現」を求める本請願は、採択を求めるものであります。


 請願第56号「2011年度地方財政の充実・強化に関する意見書の提出を求める請願」

 最後に、請願第56号「2011年度地方財政の充実・強化に関する意見書の提出を求める請願」についてであります。

 本請願は、地方財源の充実・強化を図るため、地方消費税の充実を求めており、このことは、消費税の大増税に直結することとなります。

 よって、地方交付税総額の確保などを求めた請願項目の1項目、3項目、4項目は賛同しますが、地方消費税の充実を求める2項目については、不採択を主張いたします。

 以上で、討論を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画