2010 年 11 月定例会 条例案に対する討論
2010-11-30 この記事を印刷
日本共産党の尾村利成でございます。
第125号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」
第126号議案「県立学校の教育職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」
第127号議案「市町村立学校の教職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」
以下、その主な理由について申し述べます。
これらの議案は、中高齢層職員の給料月額を引き下げ、期末手当を0.05月引き下げるものであります。
公務員賃金は、民間準拠だけでなく、国準拠・生計費、職責に基づくことが原則であります。特例条例による給与カットを2003年度(平成15年度)から継続する一方で、2年連続の職員給与の引き下げは、許されません。
県職員は、多様な県民ニーズに応え、県民の奉仕者としての使命に燃え、職責を全うするために努力しています。職員の働く意欲を促し、安心して職務に打ち込むことのできる条件整備は、県と県議会の責任ではないでしょうか。
私は以下、五点の理由により、条例改正案には反対であります。
第一に、相次ぐ職員定員削減で職員の業務量は増大し、職員の労働条件は悪化の一途であります。その上、2年連続の職員給与引き下げという総人件費抑制策は、職員の士気の低下や組織の活性化、行政能力の低下につながりかねません。このことは、ひいては県民サービス低下につながる恐れがあります。
事実、人事委員会勧告でも「現在行われている特例条例による給与の減額措置は、職員の生活や士気に与える影響が極めて大きく、可能な限り早期に本来あるべき給与水準が確保されることを期待する」と述べているではありませんか。
第二に、県職員の給与は、公務員労働者の生活だけでなく、年金、恩給、最低賃金、生活保護費の基礎ともなり、その相次ぐ引き下げは、広く県民生活に悪影響を与えるものであります。
第三に、県職員給与の引き下げは、県内の消費購買力の低下につながり、地域経済の建て直しにマイナス影響を及ぼすものであります。今回の更なる給与引き下げは、県内消費と内需拡大に更なる冷や水をかけることとなるではありませんか。
第四に、更なる県職員給与引き下げは、民間賃金にも波及し、賃下げの悪循環を招くものであります。公務員賃金が下がり、それに連動して民間賃金が下がる。そしてまた民間との格差が生じたとして、公務員賃金が下がり、そしてまた民間賃金が下がるという、賃下げの悪魔のスパイラルが加速することとなります。
第五に、今日の財政危機の原因は、無駄な大型開発を続けてきた結果であり、職員に責任はありません。
今やるべきことは、県民合意のない大手前通り拡幅事業や不要不急の大規模農地開発、積算根拠を誤った斐伊川水道建設事業などの見直し・精査です。
税金の無駄使いを放置したままでの賃下げは、財政再建をともにすすめるパートナーである県職員の力をそぐことにつながりかねないことを指摘するものであります。
以上、反対の討論といたします。