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2012 年 2 月定例会 議員提出議案に対する討論

2012-03-16 この記事を印刷

 日本共産党の萬代弘美です。

 日本共産党島根県議団を代表して、議員提出第4号議案「緊急事態基本法の早期制定を求める意見書」について反対の討論を行います。

議員提出第4号議案「緊急事態基本法の早期制定を求める意見書」

 本意見書案は、東日本大震災の教訓を踏まえ、今後想定される事態に備え、国民の生命、財産を守るため、緊急事態に対応する基本法の制定を求めるものです。

 東日本大震災、福島原発事故の対応について、災害対策基本法、大規模地震対策特別措置法、原子力災害対策特別措置法などの法律がありながら、その適用があまりに遅いことが被害を拡大させた大きな原因でありました。

 原発事故においては、政府は放射性物質の拡散予測をするSPEEDIの計算結果を3月14日には米軍に提供しながら、県民に公開したのは3月23日でありました。

 政府の県民への公表が遅れたため、放射性物質が拡散する方面に避難した人もありました。

 政府の情報隠しによって、福島県民は浴びる必要のない放射線量を浴びてしまったのです。

 このように、東日本大震災や原発事故などの緊急事態における対応の甘さは、緊急事態に対応する基本法が制定されていないからではありません。政府の現行法の適用や国民への情報提供が遅れ、的確性を欠くなど、基本的な初動体制に不備があったからにほかなりません。

 意見書案では、緊急事態基本法制定にあたり、基本的人権に十分配慮することを求めています。

 しかしながら、平成16年に自民、民主、公明の3党が合意した緊急事態基本法の骨子は、緊急事態に、国が万全の措置を講じる責務を持ち、経済秩序の維持や公共の福祉の確保のために、国民の権利を一時的に制約できるようにする基本法の制定が提唱されています。

 また、民主党が2001年に作成した文書「緊急事態における法制のあり方について」によると、緊急事態には、第一に、日本有事に至るまでの事態、第二に、日本有事、第三に、大規模な自然災害等発生時を規定しています。

 すなわち、有事を想定しているのです。

 以上、緊急事態基本法は、国民の基本的人権を制限し、平和を希求する日本国憲法に反するものです。

 よって、本意見書案には反対です。

議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画