○尾村利成議員 日本共産党の尾村利成でございます。
国会では、本日衆議院で、消費税大増税法案の採決が強行されようといたしております。政治の主人公は国民であります。国民の6割、そして7割が反対する大増税法案を押し通すことは、民意に反する暴挙であります。消費税は貧困と格差を広げ、社会保障の財源として最もふさわしくありません。増税法案の廃案を強く求め、質問に入ります。
まず、保育士の配置基準についてです。
現行の配置基準は、ゼロ歳児は3人につき1人、1歳と2歳児は6人につき1人となっています。保育現場からは、配置基準改善を求める声が多数上がっております。県は、現行の配置基準をどう考えていますか。また、良質な保育環境を実現する上で、関係者のニーズをどう掌握されていますか。伺います。
○健康福祉部長(布野典男) 保育士の配置基準は、議員先ほど申されましたようにゼロ歳児で3人に対して1人、1、2歳児では6人に対して1人、3歳児は20人に対して1人、また4、5歳児は30人に対して1人ということになっております。これは、昭和44年から大きく変わっておりません。一方、保護者の就労形態につきましては年々多様化し、延長保育や休日保育などのニーズがふえ、また地域の子育て支援など、保育所に求められる役割も大きくなってきております。
先般、ある保育所を訪問し、現場の様子を見させていただきました。これまでも保育関係者からのお話を伺っておりましたが、特に低年齢児には一人一人のきめ細やかな気配りが必要であることなど、保育の大変さを実感したところであります。そうした中で質の高い保育を提供するためには、それに見合った保育士を配置することも必要なことと考えております。
○尾村利成議員 部長が現場を視察されたという点は、まず評価をしておきたいと思います。現場からは、現行の配置基準では火事、それから災害時、子どもの命が守れないという声が今出ております。配置基準は子どもの命を守る基本ラインとして検討すべきだと思います。改善は喫緊の課題だと考えますが、どうでしょうか。
○健康福祉部長(布野典男) 先般訪問しました保育所におきましては、1歳児であってもまだ歩行が自立できていない児童につきましてはゼロ歳児クラスで保育するなど、発達段階に応じた保育をすることで、いざというときにも対応しやすいような配慮がなされていると感じたところであります。災害は、いつ何どき起こるかわからないことであり、歩行もおぼつかない1歳児6人を1人で安全に避難させることができるのかなど、現場の不安の声も伺ったところであります。こうした状況は、全国すべての保育所に共通する課題であり、県としましては、引き続き国に対しまして職員の配置の充実を訴えていきたいと考えております。
○尾村利成議員 子どもの命と安全の問題でいえば、アレルギーの問題もございます。近年、食物アレルギーのある子どもが非常にふえております。卵アレルギーや大豆アレルギーの子どもなど、一人一人に合った調理、献立が求められております。調理現場の実態はどう把握しておられますか。
○健康福祉部長(布野典男) これも、先般保育所のほうへ行かせていただきましたが、給食の様子もそのとき見させていただきました。子どもの成長に応じた給食の提供や手づくりおやつの工夫、またアレルギーを持つ児童にはそれに対応した給食を提供するなど、きめ細やかな配慮がなされておりました。保育所における給食の大切さ、調理担当職員の業務の大切さを改めて感じたところであります。
○尾村利成議員 私もこの間、保育の現場を視察し、関係者の御意見をさまざま伺ってきました。知事、何点か、関係者の声を実態を御紹介したいと思います。
1歳児6人に1人の保育士では、1人の子どものおむつをかえている最中も、ほかの子どもたちが異物を口に入れないかなど注意深く見ていないと子どもの命が守れない、こういう実態がありました。また、いざという災害時、ゼロ歳児は何とか保育士1人で3人の子どもを抱えて逃げられるんだけれども、1歳児においては6人を一度には連れて避難できない。まず3人を避難させて、そしてそれからあとの3人を迎えに行って避難する、こういう現状であります。給食においては、牛乳アレルギーの子どもには保育士が1人ついていないといけない。アレルギーというのは命にかかわる。給食の際、ほかの子どもと距離をとってテーブルは別にして、しかし一つのランチルームで仲よく給食をとるという、そういう対応がとられています。食の安全性や食育の充実が今大切であり、きめ細やかな給食を提供するためには調理師の増員も求められていると思います。そういう意味から、現行の保育士、そして調理師などの職員配置基準を改善するために、県として積極的な対応をとる必要があると私は思いますが、どうでしょうか。
○知事(溝口善兵衛) 御指摘のように、子どもたち、まだ歩行ができないゼロ歳児とか、あるいはアレルギーの子どもたち、あるいは避難のときの対応、いろんなことを考えますと、質の高い保育を提供すると、そして子どもたちの安全を守るということは大変大事なことでありまして、職員配置の充実は重要な課題であるというふうに思います。
国におきましては、子ども・子育て新システムの基本制度におきまして、こうした職員配置の充実について検討しておられるわけであります。県としましても、国の動向をよく注視しながら県としてできることを、市町村の意向をも踏まえ、よく検討していく必要があるというふうに考えております。
○尾村利成議員 よろしくお願いしたいと思います。25の府県で低年齢児の独自の加配助成を行っていると、こういう現実があります。知事もできましたら保育の現場も見ていただいて、関係者の意見もよく聞いていただきたい。このことをお願いして、次の質問に移ります。
米軍機の低空飛行訓練についてです。
島根県の西部地域において、米軍機の低空飛行訓練による被害が拡大し、住民は爆音や事故の不安に悩まされております。県は国に対し、低空飛行訓練の中止を先月要請されましたけれども、島根県の要請に対する国の対応をどう評価していますか。米軍の飛行実態というのは、日米合意に反しています。住民に与える影響を最小限にし、学校、病院などに妥当な考慮を払う、こう規定している日米合同委員会合意に反する無法な飛行の実態であります。国は、この米軍の無法な訓練、この現状がわかっているでしょうか。日米合意に反しているこの現状を、国は認識しているでしょうか。知事の所見を伺います。
○知事(溝口善兵衛) 先月の末に、県、議会、一緒になりまして、国に重点要望を行ったわけであります。この低空飛行の問題につきましては、外務省、防衛省の次官に会いまして、県の要望を伝えました。そして、県における騒音問題等について説明をいたしました。国のほうは、両省からは、低空飛行の訓練は日米間の合意に基づいてやらなければならないと、またやる必要があるということではあります。また、そういう立場を説明されましたが、地元で騒音に困っているといった事情も私どものほうから説明しておりますが、その点につきまして、国全体としてそういうものをどこまで正確に把握しておるのかと、認識の違いもずれもあるようでありますから、私どもとしては、そうした騒音の実態をもう少し客観的に記録をすると申しますか、計測をして、それを防衛省との間で共有をしなければいかんでしょうということを話をしております。
それを受けまして、この前、6月の初めでありましたが、中国5県の知事会が岩国で開かれ、その際に岩国の基地も訪ねまして、中四国の防衛局長も一緒に行きましたけれども、その過程で、中四国の防衛局と島根県とで、騒音等の調査を客観的にやる方途を一緒に考えましょうということを言っておるところであります。そういうものを受けまして、県の事情等もよく国に伝えていきたいということであります。
議員がおっしゃいますのは、日米安全保障の大きな枠組みの中で、低空飛行訓練、この必要性は双方合意をしてるわけですが、その合意の中に、人口密集地や公共建造物に妥当な考慮を払うとか、日本の航空法に規定する最低高度基準を用いるなどの合意もあるわけでございます。そういうところがちゃんと遵守されているかどうかということを、これはよく調査をしないとなかなか判定できないわけでありまして、そういうことをやってまいりたいというふうに思います。以上であります。
○尾村利成議員 私ども日本共産党島根県会は、5月9日、それから23日、二度にわたって、この問題で外務省、防衛省に申し入れを行いました。私どもはこの申し入れの中で、具体的な事実を防衛省と、そして外務省に示したわけです。その一つは何かと言えば、これは航空法で言う飛行高度の問題であります。我が党が、飛行実態を撮影した画像をもとに飛行高度を解析し測量した結果、浜田での小学校での飛行高度というのは約250メートルで、航空法に反してるという実態を写真を見せて、防衛省、外務省に突きつけました。日米合意にこれは反してる実態を、リアルに私たちは言いました。また、米軍機が小学校の上空を飛んで、子どもたちが恐怖におびえてるという、そういう実態も伝えたんです。
だけども、防衛省や外務省は日米合意が守られてる言うんです。私は交渉のときに激怒しました。何で守られてるのかと。すなわち、そのことを追及すると防衛省と外務省は何と言うかというと、米軍に問い合わせをしたと。米軍に問い合わせをしたら、守ってますよという回答だったと。ですから、米軍の回答をうのみにしてるんです。実際に調査をした私たち、そして被害に遭ってる人たちの証言よりも、加害者である米軍の言い分を今の民主党政権は採用してるんですよ。私は一体どこの国の政府かと言わざるを得ません。政府のこういう米軍に抗議をしない弱腰姿勢というものが、米軍を擁護する姿勢というのが米軍を増長させていると思うわけです。そういう点で、きっちりとした調査を今知事やるっていうことでありましたけども、やらないといけない、このことを私は強調しておきたいと思います。
岩国というのは、今本当に大変なんですね。墜落事故を繰り返しているオスプレイが、普天間基地に配備されようとしています。オスプレイというのはこの岩国基地と、それからキャンプ富士にも分遣隊として今配備されようとしています。米軍の文書を読んでみますと、こう書いてあるんです。MV22、オスプレイですね。オスプレイの分遣隊による岩国での展開は、一度につき約42回の運用、年間500回の運用と見込み、現在岩国で実施されているのと同程度の夜間飛行を実施する。オスプレイの夜間飛行をやると、こう規定してるわけです。欠陥機であるオスプレイが、中国地方、島根の空で低空飛行訓練を行うおそれが今高まっていると私は言わざるを得ません。そういう点で、知事、オスプレイ配備の中止を国に強く求めるべきではありませんか、どうでしょうか。
○知事(溝口善兵衛) オスプレイの問題につきましては、6月の初めに防衛省から、山口県知事、岩国市長に対しまして岩国基地への先行搬入を要請をしたわけであります。それに対しまして、山口県知事、岩国市長は、それぞれその申し入れにつきましては反対と言わざるを得ず、棚上げしていただきたいと。事故の原因究明など国の対応状況等を注視しながら、岩国市と協議しながら適切に対処したいと、これ山口県のスタンスでありますが、岩国市長は、安全性、問題点、疑問について慎重に説明を求めて判断する、今の状況では了解できないと、こういうことでございまして、私どもも、こうした山口県、岩国市の状況をよく注視しながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○尾村利成議員 今住民を苦しめているFA18戦闘機ですね。この訓練に加えてオスプレイの訓練が実施されれば、まさしく住民の命と安全がますます脅かされます。私は、知事としても、山口とも協調してしっかり国に物を言っていただきたい。このことを強く求めます。
岩国でいえば、厚木基地から岩国への艦載機の移駐の計画がございます。これ、日米合意です。59機もの空母艦載機が岩国にやってくれば、さらなる被害が拡大するおそれがあります。この移駐計画、撤回するよう、この点も国に求めるべきではありませんか。
○知事(溝口善兵衛) 艦載機の移駐計画でありますが、再編を実施するための日米ロードマップにおきまして、普天間飛行場の代替施設の建設、厚木基地から岩国基地への空母艦載機の移駐が合意をされております。岩国基地への艦載機移駐計画は、2年後までに完了するということとされております。この岩国基地に係る問題につきましては、これまで岩国基地が所在する山口県及び岩国市において、国と協議を重ねております。山口県知事や岩国市長の考えは、大体こんなふうだと理解をしております。
日米のロードマップに記載されている以上の負担増は認められないということですね。もともとこのロードマップというのは、沖縄においていろいろな防衛負担があり、いろんな問題があり、そうした負担があり、米軍再編をして抑止力を維持しながら、沖縄を中心とする地元負担を軽減をすると。そして、個別のいろんな事項があるわけですけれども、そういうものは全体として投資的なパッケージとしてやっていこうと、こういうことになっておるようであります。
したがいまして、まだこの普天間飛行場等をどうするかということが進んでないわけでありまして、そういう観点から山口県知事、岩国市長は、普天間基地の移設の見通しが立たないうちに厚木基地の空母艦載機の移転のみを切り離して進められることは認められないと、そういう基本スタンスで対処をしておるというふうに理解をしております。近隣の私どもといたしましては、山口県、岩国市のこれまでの対応を踏まえ、今後の事態の推移をよく注視をしていきたいと、その上で必要な適切な対応を考えていきたいというふうな立場でございます。
○尾村利成議員 知事、私は、やっぱり島根の安全、それから日本の安全を守るためには、米軍基地のない日本をつくること、私はこれが一番の道だと思います。アメリカ言いなりの不平等条約である日米安保条約は、私は廃棄すべきだと考えます。先ほど低空飛行で日米が合意してるという話もありました。しかし、私は米軍の訓練っていうのは、日本の平和を守るものではないと思うんです。それはなぜかといえば、低空飛行訓練っていうのは、敵のレーダーによる探知とか、それから対空砲火を避けるために低い高度で飛行しながら敵地に侵入して、攻撃を加える戦闘訓練なんですね。これ、戦争の訓練なんですよ。決して日本を守るのでは私はないと思います。
この米軍機の低空飛行訓練によって、例えば高知県ではもう実害が出てるんですよ、実害が。すなわち、県の消防防災ヘリだとか、またはドクターヘリが飛ぶときに危ない目に遭ってるという、こういう問題だって出てるわけです。私は住民の命を守るために、この低空飛行訓練中止、オスプレイの配備反対、艦載機移駐計画撤回、県として強く求めることを要望するものであります。
次の質問に移ります。
原発の問題です。
野田内閣の原発再稼働決定に対して、国民の怒りが高まっております。福島原発事故の原因究明はまだです。地震や津波に対する安全対策や避難対策の見直しもまだです。原発の推進機関、そして規制機関の分離もまだです。こういう中での大飯原発の再稼働というのは、絶対にやってはならないことを私は野田政権はやったと言わざるを得ません。抗議すべきではありませんか。島根に原発を抱える知事として、国に物を言うべきじゃないですか。どうでしょうか。
○知事(溝口善兵衛) この問題につきましては本会議でも質問がありまして、お答えをしておりますが、やはり関西電力管内においては原発による発電に依存する度合いが非常に高いといったことがあり、今夏の電力需給等を見まして厳しい状況にあるといったことから、大飯原発について、安全性の確認をしたり、あるいは県民の皆さんに説明をしたり、そして政府の考えを野田総理御自身が説明をしたり、そして福井県だけでなく、周辺の京都府あるいは滋賀県、あるいは大阪市、府、兵庫、関西の市長の方々等の意見もお聞きになって、そういう中でいろんなやりとりがあって、この稼働が必要だという見解に立たれて決定がなされたわけであります。
そういう意味で、いろんな今後のことを考えますと、安全対策などにつきましては原子力規制委員会ができたわけであります。そこで、きっちり新たな観点からそういう見直しも行われるでしょう。そしてまた、国自身も将来のエネルギーの供給をどういうふうにするのか、中長期的にどうするかという議論も進むでしょう。そういう中で、島根原発をどうするかっていう問題は考えていくべき問題だろうと思います。話が前後しますけれども、大飯原発につきましては、そういったプロセスを経て決定をされてるわけであるというふうに私は理解をしております。
○尾村利成議員 圧倒的多数の皆さんは原発再稼働反対なんです、反対だと思います。知事、電力不足のことを言われたんで、電力不足とその原発の再稼働というのは、これは次元が全く異なるものであります。政府は、電力不足についても具体的な根拠は何ら示しておりません。それから、原子力規制委員会のことを言われました。原子力規制委員会というのは、環境省のもとに置かれることになってます。しかし、環境省は、原発の立地にこれまでただの一度も異を唱えたことがありません。そして、地球温暖化対策として原発推進を掲げてきた省であります。これでは推進機関からの分離、独立の担保はないではありませんか。安全抜きの再稼働の強行というのは、私はまさしく福島県民を裏切り、世界を裏切るものだと言わざるを得ません。野田さんは国民の生活を守るということを言ったんですけども、国民の生活を守るどころか、国民の命と安全を危険にさらす無責任きわまるものということを、私はこの議場で糾弾したいと思います。
島根原発ですけども、全く再稼働の条件は私は今ないと思います。知事、どうですか。
○知事(溝口善兵衛) 先ほど申し上げましたが、再稼働の問題につきましては、新たに設置をされる原子力規制委員会におきまして、専門家の委員の方々が検討されるわけであります。安全基準として何が必要か、あるいは福島原発の事故によってどういう問題が生じたのか、そういうことを踏まえてでしょうが、これから検討されるわけであります。そして、再稼働に必要な条件は何であるかっていうことも、そこで検討されるわけであります。そしてまた政府は、中長期的には原発の比重を下げていくっていうことを繰り返し言っておられますが、具体的にどういうテンポでされるのかということも、多分夏ごろでしょうか、議論がなされ、政府の方針も決まるわけであります。
そういう中で政府の方針が決まっていったときに、私どもはそういうことで十分なのかどうかなど、県として専門家の意見をお聞きしたり、あるいは県民の方々、あるいは議会の御意見、あるいは立地の松江市の御意見、あるいは鳥取県も含め周辺自治体の意見なども聞いて、その上でやはり総合的に考える必要があるというふうに思います。これは、何と申しますか、いろんな要素がありますから、それは足し算できるわけじゃないわけでありますから、やはりいろんな意見をよく聞いて、総合的に考えていく方針でございます。
○尾村利成議員 知事は今専門家のことを言われましたですね。すなわち県の専門家の意見も聞くという話でした。専門家のことを言われたんで、じゃあ専門家のことを言いましょう。島根県の原子力安全顧問の中には、14名顧問の先生がおられますね。14名の原子力安全顧問の先生がおられます。私は調べてみました。原発関連企業、それから団体から寄附を受けている顧問の方が、原発マネーが渡っている顧問が複数おられます。原発推進勢力から寄附を受け、原発業界との深い関係を持っていては、顧問としての適格性が問われるではありませんか。原発問題での中立性を担保するためにも、その寄附の実態を精査して必要な改善措置をまず講じないと、私は専門家の意見を聞いたからという、そういうことは成り立たないと思います。私は、きちっとここは調査してもらいたい。必要な措置をとってもらいたい。どうでしょうか。
○知事(溝口善兵衛) やはり原発は専門的な知識が必要なわけであります。これはやはり専門家に聞くっていうのは、一つの要素ですね。それだけで決めると言ってるわけじゃないわけです。国もいろんな意見を聞かれるわけであります。そういう観点から事故調査委員会なんかもできて、いろんな検討もされてますね。そしてまた、やはり一般市民の方々あるいは議会の御意見なども、やはり総合的に考えて決めていく必要があるというふうに思います。これが1つです。
それから2番目に、専門家の意見ですけれども、専門家はやはり原子力のことを知ってるわけですから、原子力の関連の研究をするっていうのは、通常当たり前のことであります。そういう寄附などにつきましても、そういう寄附が受けられるような仕組みがたしかできてるんだろうと思います。ただ、そこで、その寄附をもらうから影響があるんではないかと、それはそういう御指摘も当然あると思います。ただ、やはりそういう方々は、それぞれの分野において自分の科学的な知識に基づき、良心に基づいておやりになるわけでございまして、原発を推進するとか反対するとか、やはりそうした方々も事故がないようにいかにしたらいいかというのを、ずっと努力をしてきておられると私は思います。そういう先生方にも、専門家、顧問の会議でありますとかいろんなところで会ってお話も聞いておりますけれども、それはそれぞれ実績を持った、経験の深い方々であるわけであります。
ただ、そういう適格性を、専門委員として適格性を損なうようなことがあるのかどうかっていう、それは関心はあるわけでありまして、そういう意味におきましては、極端な利害関係があるといったようなことはやはり問題があり得るわけでございますから、県としては、原子力安全・保安院等がそういう専門家を指定するときに、自己申告という形でそういうデータをもらったりして、その上で委員の指名などもしておるようでありますから、県もそういう仕組みを導入するためにはどうしたらいいのかとか、あるいはほかにいい道があるのか、今検討しているところでございます。そういうことです。
○尾村利成議員 その専門家の意見を聞くのは大変いいことなんですね。私は今この問題を指摘したのは、具体に言いましょう。ある一人の先生は、過去5年間で、関西電力のグループ会社である原子力エンジニアリング、それから原子炉メーカーの三菱重工、それから原子力関連企業や団体でつくる日本原子力産業協会、そして日本原子力発電、これらから総額で824万円の寄附を受け取ってるわけですよ。原発マネーを受け取っていれば、私は原発問題での審査、議論の中立性に影響を与える、こう考えざるを得ないわけです。ですから、その点で私はしっかりとやるべきことを県としてやっていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。
最後、活断層であります。
海底3断層が連動した場合、一部の揺れの周期で、従来の基準地震動600ガルを上回ることが判明いたしました。私は徹底した調査が必要であり、基準地震動の見直しが求められていると考えますが、どうですか。
○知事(溝口善兵衛) この活断層の問題につきましては、国の専門家会議が東日本大震災を受け、見直しの作業をずっとやってきております。ことしの1月27日に、活断層の離隔距離が5キロメートルを超える活断層の連動可能性について検討をしなさいという指示を電力会社に出しております。そうしたことを受けまして、2月の末でありますけれども、島根原発に関しましては、宍道断層と他の断層の連続性、海底活断層の連動性について、中国電力から専門家会議に報告がなされ、審議が行われております。そして、3月7日の会議では、島根原発につきましては敷地前面の海域の3つの活断層については連動をするものとして、再度評価をやり直すようにという見解をまとめられております。
それを踏まえまして、中国電力では再評価をしまして、一部において従前の想定を上回る揺れが想定されたことから、それを前提にした耐震安全性の評価を行うということを6月中旬に決定をしております。この耐震安全性評価の結果がいずれ出ると思うんですけれども、その評価結果を国には厳格に確認をしていただきたいというふうに私どもは思っております。
そしてまた、県としましては、そうした中国電力の評価結果でありますとか国の確認結果につきまして、県は県として、また専門家の方々に意見を聞くというプロセスをとっていきたいというふうに考えているところであります。
○尾村利成議員 時間が来ましたんで、一言申し上げて終わりたいと思います。
島根原発周辺の活断層は、これまで何度となく過小評価されてきた、こういう経緯があります。徹底した調査が必要だと思います。私は、県政の主人公は県民だと思います。原発ゼロの島根を圧倒的多数の県民が願っている、このことを主張して質問を終わります。