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2012 年 9 月定例会 議員提出議案に対する討論

2012-09-13 この記事を印刷
 日本共産党の尾村利成でございます。

 日本共産党島根県議団を代表して、議員提出第9号議案「竹島領土権確立に関する決議」について、反対の討論を行います。

議員提出第9号議案「竹島領土権確立に関する決議」


 本決議案の通り、竹島は、歴史的にも国際法上も島根県に属するわが国固有の領土であることは明白であります。

 韓国の李明博大統領の竹島上陸は、日韓両国間の緊張を高める行動であり、遺憾であります。そして、天皇の訪韓条件として、日本の植民地統治時代の独立運動家への謝罪を求めた大統領発言は、「不適切」と言わざるを得ません。なぜなら、今の天皇は憲法上、政治的権能をもっていません。日本政府に対する植民地支配の清算要求ではなく、その謝罪を天皇に求めること自体、筋違いであります。

 決議案では、衆参両院の竹島決議について、「竹島問題の解決に向けて新たな動きを見せている」とし、竹島の日を国で制定することを求めています。これら決議採択や法制定は、両国間における対立と緊張をエスカレートさせるものであり、問題解決への妨げとなりかねません。

 竹島問題の解決にあたって大切なことは、感情的対立・緊張を激化させず、歴史的事実と国際法上の道理に則り、冷静な外交交渉で解決をはかることと考えます。

 この立場から本決議案には、賛同できないのであります。

 日本が竹島を領土編入した1905年という年は、日本が韓国を植民地化する過程と重なっていました。1904年には、第一次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上、外交権を奪われ、異議を申し立てる条件がありませんでした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。韓国併合の不法性を認めないもとでの領有権主張では、韓国側にとって、竹島問題は日本による侵略の象徴であり、話し合いすら拒否する要因となってしまいます。植民地支配の不法性を認め、その土台の上で、歴史的事実をつき合せ、問題解決をはかるべきであります。

 日本共産党は、わが国固有の領土である竹島問題の解決を心から願うものであります。

 今、最大の問題は、日韓両国間において、竹島問題を冷静に話し合うテーブルがないことです。竹島問題には、複雑な経過と背景があり、その正しい解決のためには、緊張を激化させる行動を双方が慎み、相互の主権を尊重し、平和友好の精神を貫きながら粘り強く交渉し、解決をはかることを求めるものです。

 以上で、討論を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画