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2012 年 9 月定例会 一般質問 (国の原子力政策と中国電力の経営姿勢について、島根原発の安全対策について、看護師確保・勤務環境改善について)

2012-09-25 この記事を印刷
○尾村利成議員 日本共産党の尾村利成でございます。

 質問の第1は、国の原子力政策と中国電力の経営姿勢についてです。

 福島原発事故から1年半がたちました。今も事故は収束せず、被害がなお拡大しております。事故によってふるさとを離れ、避難生活を送る人はいまだに十数万人に上っております。政府と電力会社は、この夏の電力不足をあおって原発の再稼働を画策しました。猛暑続きであったにもかかわらず、全ての電力会社で供給力が需要のピークを上回り、電力不足は起きませんでした。国民からは、大飯原発の再稼働は必要ではなかった、政府や電力会社は国民をだましたとの怒りの声が上がっております。

 福島原発事故後、原発再稼働に反対し、原発のない社会を求めて、日本中で草の根の運動が広がり続けています。首相官邸前では、ことしの3月から毎週金曜日に、原発ゼロを求め再稼働に抗議する行動が行われています。県内においても、7月から島根県庁前庭で毎週金曜日の夕方に、原発ゼロを求める集会が開催されています。9月2日には松江市で、「もう動かさない!原発ゼロでいこう集会」が開催され、県内外から1,300人が参加いたしました。

 政府が新エネルギー戦略決定のため実施した意見公募、パブリックコメントでは、87%が原発ゼロを求める意見でした。原発ゼロが圧倒的多数なのは、福島第一原発事故の深刻さを国民が重く受けとめているからであります。政府は、この国民世論を真摯に受けとめるべきであります。9月14日、政府は革新的エネルギー・環境戦略を決定いたしました。この戦略は、2030年代に原発稼働ゼロとしながら、使用済み核燃料を再処理して利用する核燃料サイクル維持を掲げています。原発ゼロを掲げながら、他方で新たな核燃料をつくる再処理を続けるというのは、全く矛盾した姿勢と言わざるを得ません。政府の決定は、原発ゼロを口にしながらその実現を先送りし、原発に固執する原発存続宣言にほかなりません。

 当初、この戦略は閣議決定される予定でしたが、原発ゼロを目指すという文言に対し財界とアメリカが強く反発し、閣議決定は見送られました。民主党政権は、濃縮ウランと原子炉を押しつけるアメリカと、原発再稼働や建設によって引き続き甘い汁を吸おうとする財界の猛反発に屈したのであります。本来、国民の意見に忠実に応えるなら、新エネルギー戦略の決定は原発ゼロとなったはずであります。原発ゼロの国民世論を無視し、それに反する政府の政策決定は、民主主義に反するものであります。政治の主人公は国民です。県民の命と安全を守るべき県行政は、原発ゼロを求める世論を真摯に受けとめるべきであります。県として原発ゼロをまず決断し、持続可能な再生エネルギーを基本に据えた施策を展開すべきであります。知事の所見を伺います。

 次に、原子力規制委員会についてです。

 9月19日には、原子力行政の安全規制を担う原子力規制委員会が発足しました。規制委員会は、原発の安全基準の策定を始め、原発で重大な事故が起きた場合を想定した対策の強化や、最新の技術的知見を反映した制度導入などに関する権限を持ちます。規制委員会の委員長に就任した田中俊一元原子力委員長代理は、人類は原子力をコントロールできる、より安全な原子炉を開発してほしい、このように公言するなど原子力推進の立場に立っており、規制委員会のトップとしてはふさわしくありません。また、委員の人事案は国会の同意を得ておらず、最初から国民の信頼を裏切ったものとなっています。このような規制委員会に、原発再稼働や島根原発3号機稼働の是非を決定する資格はありません。知事の所見を伺います。

 次に、中国電力の経営姿勢についてです。

 私ども日本共産党は、8月24日、広島の中国電力本社に出向き、原発再稼働中止、3号機の建設・運転の中止を強く要請しました。この要請に対し中国電力は、1号機は60年稼働したい、一律に年数で廃止するのは妥当ではないとし、2号機のプルサーマル計画は撤回しない、そして3号機の運転に向けては会社の社運をかけていると強弁いたしました。中国電力の回答は、原発ゼロを願う国民世論に真っ向から挑戦するものであります。私は、9割もの国民が原発ゼロを願っており、原発容認はわずか1割しかない、中国電力の経営姿勢は国民の願いと大きく乖離していると、厳しく抗議しました。中国電力の国民の声を聞かない経営姿勢は絶対に許されません。知事の所見を伺います。

 中電は経営5カ年ビジョンにおいて、積極的な情報公開を進め、説明責任を果たすと宣言しています。しかし、昨年の3・11大震災後にも、原発立地自治体である松江市に対し多額な寄附を、匿名でまた行いました。電気料金は適正原価に適正報酬を加えて算出されており、多額な寄附について、事業者による説明責任は不可欠なものであります。私は、事業者による自治体への多額な寄附は、原発推進政策への誘導につながるとともに自治体施策の変質につながり、原子力安全行政をゆがめるものと考えます。原子力の安全を担保する上からも中国電力の隠蔽体質を改善させる必要があると考えますが、いかがですか。知事の所見を伺います。

 質問の第2は、島根原発の安全対策についてであります。

 今述べましたように、原子力規制委員会は規制に値しない機関となっています。事業者である中国電力は、利潤第一主義で原発稼働に執着しています。国も事業者も原発推進の立場に立ち続けているときだけに、県民の命と安全を守る県の役割が今問われております。この立場から、県としてとるべき原発の安全対策について、6点伺います。

 まず第1は、島根原子力発電所の安全対策等に関する意見交換会についてです。

 島根原子力発電所の安全対策等に関する意見交換会は、島根原子力発電所の状況等について中国電力と国から説明を受け、その内容について、県、市、住民と意見交換を行い、島根原子力発電所における安全管理の確認と透明性の推進を図ることを目的に、平成22年11月に設置されました。意見交換会の開催要綱では、この意見交換会を年に3回から4回程度開催するとしながら、しかし実際この意見交換会は、平成22年12月、そして平成23年3月と、2回しか開催されておりません。県として、住民の意見を聞く姿勢が不十分であるということを指摘するものであります。

 そこで、伺います。

 意見交換会を定期的に開催し、住民の公募対象は原発から半径30キロ圏内に拡大することを求めます。また、意見交換会に参加する住民の公募数を抜本的にふやすべきであります。所見を伺います。

 第2に、県原子力安全顧問会議についてです。

 私は、さきの6月議会で、複数の原子力安全顧問が原発関連企業から寄附を受け取っていることを指摘いたしました。県は、顧問の中立、公正性、透明性を確保するため、自己申告調査を実施いたしました。県としての迅速な対応については評価をするものであります。知事は、原発再稼働や3号機稼働に当たって、専門家の意見を聞いて対応をするとしています。再稼働や3号機稼働に専門家の意見や助言が一つの判断材料となるならば、県原子力安全顧問会議の透明性が求められるはずであります。すなわち一人一人の顧問の発言、見識は、広く県民に開示されるべきです。顧問会議を公開すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

 第3に、地域防災計画についてです。

 福島原発事故では、住民に対して放射能影響予測システムSPEEDIの計算結果の公表がおくれました。そのため、住民の避難がおくれたり、放射性物質が拡散する方面に避難した人もありました。福島県民は、浴びる必要のない放射線量を浴びてしまったのです。この福島事故の教訓を島根の地域防災計画に生かす必要があります。避難を想定した場合、季節や気象条件、地形によって風向きが変わり、放射性物質の拡散方向が変わることを考える必要があります。原発事故に備え、SPEEDIの予測データの活用を、県や自治体の地域防災計画に反映させるべきであります。所見を伺います。

 第4に原発安全協定についてです。

 原発から半径30キロ圏内の出雲、雲南、安来は、立地自治体並みの安全協定締結を強く求めています。しかし、中国電力は、この3市の願いに背を向け、協定締結に否定的、消極的であります。そこで、県が最大限の役割を私は今発揮すべきと考えるのです。これら3市は緊急防護措置区域UPZに入っており、広域避難計画の策定が求められています。これら自治体も、原発事故時には大変な被害をこうむることとなります。被害の根源である原発への立入調査権や原子炉の停止を求める権利が、当然これら3市にあるはずであります。

 そこで、提案するものです。安全協定第12条では、県は周辺地域住民の安全確保のため特別な措置を講ずる必要があると認める場合は、中国電力に対して直接、適切な措置を講ずることを求めるとする適切措置要求権があります。この適切措置要求権を発動すべきであります。県として、中国電力に対し、出雲、雲南、安来との間で立地自治体並みの安全協定締結を強く求めるべきです。知事の所見を伺います。

 第5に、活断層調査についてです。

 この間、国は、東北地方太平洋沖地震で得られた新たな知見等を踏まえ、全ての原子力発電所に関して、その敷地内の破砕帯についての評価を行いました。全国の原発で敷地内活断層の有無について再点検する中で、活断層の可能性を否定できず、再調査を指示される原発が相次いでいます。敦賀原発、大飯原発、志賀原発などは、敷地内の断層は活断層の可能性があり、追加調査となりました。島根原発敷地内の断層は、地震動によって地盤に変異を及ぼす可能性がある弱面と評価されました。原発敷地内に活断層があれば、原発の建設はできないはずではありませんか。この点で、建設当初の国の審査や電力会社の調査がいかにずさんなものであったのかということを指摘するものであります。

 そこで、伺います。

 宍道断層や周辺の海底活断層による大地震が弱面に及ぼす影響など、徹底した活断層調査、連動性調査を国と中国電力に求めるべきであります。そして、その調査結果は第三者の専門家機関で検証し、県民に説明すべきであります。所見を伺います。

 最後に、島根原発3号機についてです。

 国は、3号機は建設継続とし、今後の運転、検査、安全確認等については原子力規制委員会で対応することとしました。島大の研究チームが実施した松江市民意識調査では、84%の市民が原発のない島根を望んでおり、県民の願いは原発からの決別であります。福島原発事故は、安全な原発などあり得ないことを証明しました。原発は巨大な死の灰を抱え、それを閉じ込めておく保障がなく、冷却水がなくなればコントロール不能に陥ります。また、放射性廃棄物の処理方法に至っては、全く見通しが立っていません。現在の原発技術は本質的に未完成で危険なものであり、社会的に許容できません。こうした危険な原発の新規稼働は許されません。3号機の建設・運転は中止すべきであります。知事の所見を伺います。

 質問の第3は、看護師確保、勤務環境改善についてです。

 国民の命と健康を守って、日夜献身的に働く看護職員は、全国で年間約12万5,000人が離職しています。その離職理由としては、人手不足で仕事がきつい、夜勤が多くてつらい、休みがとれないなどの悲痛なものとなっています。この間、私は看護師との懇談を重ねてきました。看護師からは、重度の患者さんがふえ、業務が複雑化し、定時に仕事が終わりません。日勤で残業した後、寝ることなく深夜勤務に入っています。人員不足のため、就業の1時間前に勤務についています。夕方4時から翌朝9時までの16時間を超す2交代勤務では生活リズムが狂い、健康・生活も破壊されてしまいます。いつ医療事故を起こすのか心配です、などの厳しい現場の実態が語られました。

 看護師などが健康で安全に働き続けることができてこそ、患者の安全が守られ、質の高い医療、看護が提供できるのではないでしょうか。今でさえ看護師不足が深刻な中、このまま看護師の労働条件が改善されず離職が続けば、さらなる看護師不足によって、日本と島根の医療は崩壊してしまいます。安全・安心の医療、介護を実現するためにも、看護師など夜勤交代制労働者の大幅増員と、夜勤を始めとする労働環境改善のために法規制が必要です。

 昨年6月、厚生労働省は医政局長、労働基準局長、職業安定局長、雇用均等・児童家庭局長、保険局長の5局長連名で「看護師等の『雇用の質』の向上のための取り組みについての通知」を発出いたしました。通知では、看護師等の勤務環境の改善なくして持続可能な医療提供体制や医療安全の確保は望めない、夜勤交代制労働者の勤務環境改善は喫緊の課題としています。

 そこで、5局長通知に関して、2点伺います。

 第1に、通知に基づき、島根県でも労働局、医師会、看護協会、病院協会、県などを構成員とする看護師等医療従事者の勤務環境等に関する懇談会が設置されました。実効ある懇談会とするためにも、現場で働く看護師の声をしっかり掌握すべきです。県として、懇談会に現場の声や実情が反映する対策を講じるべきと考えます。健康福祉部長の所見を伺います。

 第2に、厚労省5局長通知が、どの程度現場で周知徹底されていると認識していますか。通知内容の実現に向けて、県としてのさらなるイニシアチブの発揮を求めますが、いかがですか。所見を伺います。

 次に、新人看護職員の教育制度の充実に向けた課題についてです。

 平成22年度の島根県の新卒者の1年以内の離職率は4.8%であります。新人看護職員が1年以内にやめていく背景には、看護現場の超過密労働とともに、学校で身につけた力と現場で求められる力とのギャップがあることにあります。新人看護師が自信を持って働けるよう、看護学校での基礎教育の改善とあわせた新人看護職員の卒後研修制度の制度化を図ることが必要と考えます。所見を伺います。

 最後に、退職した看護師の再就労の支援についてです。

 免許を持ちながら看護現場で働いていない潜在看護職員は、全国で約55万人程度に上ると言われております。看護師不足を解消するためにも、潜在看護職員の看護現場への復帰が求められています。県においては、看護協会と連携した再就業促進策に取り組まれています。その内容としては、1つに、再就業の相談対応や就業先のあっせんなどナースセンターでの無料職業紹介。2つに、就業を希望する看護師が、最近の医療、看護に関する知識を学ぶことにより、職場復帰を支援する再就業支援講習会の開催。3つに、看護部長経験者などを県内に配置し、相談窓口を設置する就業相談員の配置などであります。看護師の全てが看護協会に入ってはおりません。入会しておりません。また、退職に当たって看護師が看護協会を退会するという、こういう現状もございます。

 そこで、伺います。

 看護協会との連携をさらに密にしながら、県としても、看護師の退職時に復職希望者の登録システムを構築するなど、再就業希望者を支援する体制を強化すべきと考えますが、いかがですか。所見を伺います。

 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

○知事(溝口善兵衛) 尾村議員の御質問にお答えを申し上げます。

 私からは、原発に関連しての質問についてお答えをいたします。

 最初の御質問は、原発ゼロこそ民意であり、これを真摯に受けとめ、県としては持続可能な再生エネルギーを基本に据えた施策を展開すべきだ、所見を問うと、こういう質問であります。

 今般の政府の原発ゼロの方針についての経過につきましては、議員から詳しい御説明がございました。なかなかわかりにくいところがあったりするわけでありますが、私どもも政府に確認をいたしたりしたところでみますと、今回の政府の戦略につきましては、本体自体は閣議決定をされず、今後自治体との意見交換を行ったり、あるいは国民の理解を得たり、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行していくんだと、こういうことでございます。

 そういう意味で、2030年代原発稼働ゼロに向けての方針は、政府として大きな方針を定められたと。それから、いろいろお聞きしますと、まずそういうことに向けて始めてみようと、最大限の努力をしてみようと、それがまた可能になるのかならないのか、よくそういうことも考えながらやっていこうというようなことでございまして、いわば具体的な工程表のようなレベルまで詰められたものにはなってないように思います。そういう意味におきまして、私どもは、この政府の戦略が今後さらに具体化されるべきものだと認識をしております。県としては、引き続き政府の明快な考え方などを聞いていく必要があるというふうに思います。

 いずれにしても、現段階では全て先までは見通せないということのようでございますが、いずれにせよ、エネルギー政策は政府が各界の意見などをよく聞いて定めていくものであります。県としましては、これから政府の対応をよく注視し、県議会、周辺自治体、住民の方々、あるいは専門家の意見などをよくお聞きしながら必要な対応を検討し、県としての意見を政府に随時伝えていきたいというふうに考えております。

 また、県におきましては、そういう中で県内の小水力発電、小規模地熱発電の導入についての可能性調査を実施をするとか、今後のメガソーラーの候補地における事業者の公募を行うとか、再生可能エネルギーの利活用に最大限の努力をしていきたいというふうに考えておるところであります。

 次に、このたび原子力規制委員会の委員長になられた方の国会の議院運営委員会での発言だと思いますけども、その発言についての所見を問うという御質問でございます。

 私も、この国会の議院運営委員会の議事録に目を通しました。委員長は原子力の危険性を十分認識した上で、原子力の専門家として一定の見解を述べられたものではないかというふうに感じたところであります。いずれにしましても、この原子力規制委員会の委員長及び委員につきましては中立、公正性が求められることから、国が一定の基準を設け選定をし、調査を行って、その結果も公表した上で基準に適合する者を選定されたというふうに考えております。

 次に、委員長及び委員は本来国会で同意された上で任命されるものであるけれども、今回は総理が任命をすることによって規制委員会ができたと、これについての所感を問うと、こういうことでありますが、規制委員会を設立するまでに一定の期間が定められておったわけでありますけども、国会の閉会により、法律に基づき、総理の任命による決定をせざるを得なかったという事情ではないかというふうに思っているところであります。

 次に、中国電力と尾村議員の関係の方々が話をされた際の中国電力の発言についてどう思うかという御質問がありました。

 まず、御指摘の中国電力の社員の発言が、中電社内のどういった意思決定のもとに行われたものであるのか、そういう性格がよくわかりませんので、私が具体的なコメントをするのは非常に難しいように思います。ただ、一般論として申し上げますと、原発そのものをどうするかと、どういうふうに取り扱っていくかということにつきましては、国が国の政策として決められるものであります。そして、中電等各電力会社は、政府が決められる政策の枠組みの中で電力供給事業を営む立場にあるわけであります。もちろん政府の政策決定などに当たりまして、電力会社のサイドからいろんな意見を伝えていくということはあろうかと思いますが、そうでない場合は、やはり政府の決められた枠組みの中で活動するわけでありますから、発言もおのずからそういうものに通常の場合は限定されるだろうというふうに考えます。

 また、そういう意味では、原発の安全性でありますとか、あるいは高経年化した原発についてどういうふうに取り扱うかというのは、政府の原子力規制委員会が新たな安全基準に基づいてチェックをするわけであり、それによって各原発が評価をされるわけでありますから、電力会社はそれに基づいた対応をする必要があると、そういう立場ではないかと思います。

 次に、電力会社の匿名の寄附についての御質問がありました。

 電力事業者は、いわば地域の電力供給について、法律の枠組みによりまして独占的な地位を与えられておる公益事業者であります。したがいまして、寄附を行うにしても透明性が確保されなければならないと、これは一般原則だろうと思います。そうしたことは中国電力にも伝えておりますし、私は監督者である政府に対しましても、そうした透明性を持たせる仕組みをもう少し考えるべきではないかということは伝えておりますが、まだ具体化するようなことにはなっておりません。いずれにしても、法律に定められた枠組みの中における私企業ではありますけども、公益的な事業を行う事業者でありますから、寄附などにつきまして一定の透明性が必要だという考えであります。

 次に、島根原発の安全性等に関する意見交換会というものを平成22年12月に設置をしました。多くの方々から意見を聞く必要があるということで設置をしたわけでありますが、それについての御質問であります。

 その後、23年3月にこの会合を開いておりますが、その後福島原発の事故が起こり、政府における事故の調査でありますとか、各界における調査でありますとか、あるいは原子力の安全の規制をどういうふうにするか、いろんな議論がなされ、そして島根原発につきましては定期検査時期に該当して原発がとまるといったことになって、なかなか、どういうテーマで議論をするかということについて定まらないところがありましたし、政府の動きをよく見ていかなきゃいかんということで、これまでの開催はその後は行ってませんが、先般、原発の安全規制を担当する原子力規制委員会が発足して、今後新たな安全基準などが示されていくわけであります。こうした状況から、意見交換会につきましても、国や事業者、関係自治体、住民とともに意見をお聞きしたり議論をする事柄がある程度明確になったところで、適切な時期に開催を考えていきたいというふうに思っているところであります。

 ただ、きょうの朝刊の報道なんかを見ますと、規制委員会の安全基準をつくる作業自体が、年度末までにつくりパブリックコメントを求めたりすると、来年度に入るような報道もあります。まだまだこうした動きが確定をしておりませんが、そういうものもよく見ながら、そうした開催について検討をしていきたいというふうに思います。

 また、参加者につきましては御指摘もありましたが、私どもも、原子力防災対策の設定区域が拡大をされるということになるでしょうから、そういう点も勘案しながら必要な見直しは行っていきたいと考えておるところであります。

 これと同じような観点からの質問でありますが、県の原子力安全顧問会議の公開についての御質問がありました。

 議員御指摘のとおり、顧問お一人お一人の発言でありますとか見識が県民の方々に開示をされるということは重要なことであります。本年3月に開催しました第1回の顧問会議におきましては、議事録の公開を行っております。それから、報道機関は会議の場に同席をすると申しますか、公開をしております。会場がそう大きくないもんですから一般の公開までには至りませんでしたが、こういうことを通じて公開しております。今後も、場所等にもよりますけども、一般の方々も入っていただいて聞いていただくということも検討したいと思います。いずれにしても、公開を原則として開いていく考えであります。

 また、顧問の方々だけに意見を聞く会と同時に、いわゆる安対協というのがありますけども、島根県原子力発電所周辺環境安全対策協議会、あるいは意見交換会にも出られますが、そうした場合には当然公開をされておるということになるわけであります。

 それから次に、SPEEDIの活用についての御質問がありました。

 福島原発事故を受けまして国が新たに見直した防災基本計画では、災害が発生した際のSPEEDIの活用について明記されております。今後、原子力災害対策指針で具体的な活用方法が示される予定であり、それを踏まえて地域防災計画の内容を検討していく考えであります。いずれにしましても、万が一、事故が発生したような場合、避難など防護対策が適切に行われるよう、SPEEDIの迅速かつ的確な活用ができる体制づくりも行っていく考えであります。

 次に、安全協定についての御質問であります。

 福島原発事故によりまして、その影響は広範囲に及んだわけであります。周辺自治体が立地自治体並みの協定を求める気持ちはよくわかるわけでございます。一方、各原発の稼働をどうするかという問題は、国のエネルギー政策の中で国が最終的に判断をするものであります。したがいまして、各原発につきましてどの地域までの同意が必要かという点につきましては、電力会社だけではなかなか決めがたいように私は見ております。電力会社も各地域にありますから、そういうものにも関連をするわけでございまして、私どもとしては周辺自治体の意見はよく聞いてまいります。鳥取県を含めてでございますけれども、よく聞いて総合的に判断をしますが、安全協定をどこまで立地自治体並みにするかという点につきましては、やはり私どもとしては国に対して、国自身が一定の考え方を示さないと進まないんではないかという注意喚起をしておるところでありますし、国に検討を求めておるという状況でありますが、国のほうはまだまだそういうところまで作業が進んでないように思います。引き続き、私どもも国の関与を求めていく考えであります。

 次に、活断層及び活断層の連動性の問題についてであります。

 福島原発事故以降、国は全原発を対象にしまして、地震により敷地内の破砕帯が変異する可能性について再点検するように、また、周辺活断層の連動について再検討するようにという指示を各電力会社に出しております。これに基づきまして、中国電力はこれまでのところ、次のような報告を国に行っております。1つは、敷地内の破砕帯ではシームと呼ばれる地質構造的に比較的弱い面、弱面の活動性についての調査結果を出しております。2つ目は活断層の連動についてでありますが、3つの海域活断層の連動性についての検討の結果を国に、中電は伝えております。こうした報告に対しまして、国の対応等は以下のとおりであります。

 まず、敷地内破砕帯の評価につきましては、国は現時点で活動性が問題になるものではないとの見解を示されております。第2に、3つの海域活断層の連動性につきましては、既に報告済みの地震動評価・主要設備の耐震安全性評価に加え、今後詳細な評価結果が中国電力から国に報告される見込みであります。そして、これら2つの問題につきましては、原子力規制委員会が厳格な審査を経て結論を出されるものと考えております。県としましては、原子力規制委員会がどのように取り扱うのかよく注視をしながら、専門家の方々などに意見を聞くなど対応を検討していく考えでございます。

 最後の答弁になりますが、3号機の稼働についての御質問であります。

 政府のいわゆる戦略の関連で、現在建設中の原発に対し、枝野大臣はこういう発言をされております。経産省が既に設置許可を出した原発は変更する考えがないと。許可を出したものはそのまま規制委員会に引き継がれるということでありまして、島根原発3号機についても該当するとの説明を受けたところであります。

 それで、規制委員会に引き継がれましたから、規制委員会はいずれにしても安全基準をつくって個々の原発の安全性の評価をして、その上でどうするかということを決めるわけであります。もちろん3号機につきましては、完成後の審査も当然必要でしょうし、その後再稼働に関する安全性のチェックも行われると、こういうことだと理解をしております。

 いずれにしましても、国においては、各地の原発の稼働につきましてはさまざまな安全性のチェック等を経た上で判断するものと考えております。仮に国から3号機についての稼働要請があったような場合には、国から詳しい説明を求め、議会、周辺自治体、県民の方々、専門家の意見などをよく聞いて、県として総合的に判断をする必要があろうというふうに考えておるところでございます。ただ、先ほど、けさの新聞報道、御紹介申し上げましたが、安全基準そのものの策定にまだ相当時間がかかるということでございますので、すぐにどうこうということにはならないだろうと思っておりますが、規制委員会の動きをよく注視をしてまいります。以上であります。

○健康福祉部長(布野典男) 私からは、看護資格と勤務環境改善についてお答えします。

 初めに、厚生労働省5局長通知に基づく懇談会につきましてお答えします。

 5局長通知に基づく昨年設置された懇談会は、医師会や看護協会、県などの関係者が意見交換を行い、共通認識を持つことにより、看護師等の医療従事者が健康で安心して働ける環境の整備や必要な人材の確保を図るなど、これを目的としております。この目的を達成するためには、医療現場の実情を十分に把握することが重要であり、今年度は県内全病院を対象としたアンケート調査が予定されているところであります。県としましては、この懇談会に委員として参画をしており、必要に応じて現場職員の意見聴取の実施などを提案していきたいというふうに考えております。

 次に、5局長通知の現場での周知徹底及び県のイニシアチブについてお答えします。

 厚生労働省の5局長通知は、各都道府県知事及び関係団体宛に平成23年6月に通知され、県としましては直ちに県内の全病院に周知したところであります。一方、現場におきまして徹底されているかということにつきましては、今年度行われますアンケート調査の結果により把握していきたいと考えております。

 県としましては、今後も各種研修会や講演会などを利用しまして通知内容のさらなる徹底を図るとともに、その実現に向けまして、労働局や関係団体と連携を深め、市町村や医療機関の具体的な取り組みを支援してまいります。

 次に、看護学校での基礎教育の改善と新人看護職員の卒後研修の制度化についてお答えします。

 基礎教育につきましては、厚生労働省において新人看護職員研修の制度化、義務化などの議論を踏まえまして、平成23年3月に指導要領の改正が行われたところであります。改正後の指導要領に基づく教育を受けた看護職員が誕生するのは、早くとも平成26年4月になることから、当面は改正後の運用を見守ることが必要ではないかと考えます。

 また、新人看護職員の臨床研修につきましては、平成21年7月の法改正に際しまして、小規模の診療所を含む全ての医療機関におきまして研修体制を整えるのは困難であるなどの理由から、医療機関への義務づけは見送られ、努力義務とされたところであります。県としましては、臨床研修をみずから実施する病院に対しまして経費を助成するとともに、みずから研修を実施することのできない病院などにつきましては、合同研修を看護協会に委託して実施するなど、全ての新人看護職員が臨床研修を受けることができるよう支援しているところであります。

 最後に、退職した看護師の再就業希望者を支援する体制づくりについてであります。

 県内の厳しい看護職員不足の中、再就業希望者への復職支援は非常に重要なことと認識をしております。県では、従来から看護協会と連携いたしまして、ナースセンター事業の一環としまして、病院等を退職する看護職員のうち希望者に対しまして、再就職先のあっせんや情報提供などを行う登録制度なども行っているところであります。今後も看護協会や現場の意見を聞きながら、より多くの復職希望者に対しまして気軽に利用してもらえるような就業相談など、復職支援の充実強化に努めてまいります。以上であります。

○尾村利成議員 知事、私は今回質問するに当たって、こう考えるわけです。国が原発ゼロという民意をきちっと反映した施策を打たない、中国電力も原発推進という姿勢に執着している、これは民意との間に乖離がある、だから県民の安全を守るためにも県がきちっと安全対策をもっとやるべきだという、そういうことを申したかったわけです。

 何点か反論もさせていただきたいんですが、1つは原子力規制委員会、知事は国会が閉会したと言われました。しかし、与党民主党が人事案を提出したのは、国会が閉会するずっと前のことですよ。どうだったのかといえば、この人事案というのは、与党民主党の議員からも原子力村出身の委員さんがいるからだめだという、だから同意が得られないから野田さんは引き延ばしたわけですよ。こういう代物じゃないですか。私が言いたかったのは、こういう原子力規制委員会に原発の安全の基準なんかを策定させていいのか、再稼働や新規稼働を本当に決定する資格があるのか。私はないと思います。知事は原子力規制委員会の動きを注視するというふうに言われたけれども、私は注視ではなくて、原子力規制委員会の動きをしっかり監視する、もっと言えば、この規制委員会のメンバーでは私はだめだということを思うわけです。その点がどうですかということを言いました。答えられるんなら答えてください。

 それから、中国電力との関係も、私は一中国電力の社員と話ししたんじゃないんです。日本共産党島根県委員会、そして県議会議員として中国電力に申し入れをしたわけです。3号機をやるべきではないと。そうしたら、中国電力の責任ある人が出てきて、自分たちは3号機を運転するんだということを言ったわけですよ。中電の社長自身も、そういうことをインタビューで言ってるじゃないですか。私は、こういう中電の姿勢は県民に真っ向から挑戦する態度で許されないと思う、知事はどうですかって聞いたんです。

 それから、知事は、中国電力が匿名の多額の寄附を行った、これについては透明性が必要だという御答弁をされました。本当に透明性が必要だと思われるならば、中国電力にこういう今の匿名な寄附を、黙って誰とは言わずに匿名の寄附を自治体にやるような、公益企業がそういうような隠れてやるようなことはやめるべきだと、このことを中電に知事は是正を求めるというふうにすべきじゃないですか。答弁では透明性が必要ということまでは言われた、だけど私は是正を求めてほしい、このことを言いたいと思います。

 それから、知事は、安全協定の問題では、これは国の関与を求めるということを言われました。しかし、それじゃあ県の役割は一体何なんですか。安全協定というのは、島根県と松江市と中国電力の3者が、この地域の原発の安全対策をしっかりやるためにつくった協定でしょう。だから、国の関与を求めたっていいんだけれども、国はどうですかという相談したっていいけれども、県としてのきちっとやるべきことが書かれてるわけですよ。だって、立入調査権だってあるじゃないですか。原子炉の停止を求める権限だって付与されてるじゃないですか。きちっと原子力安全協定の第12条に、県は中国電力に適切な措置を要求できると書いてあるじゃないですか。

 事実、知事だって昨年の6月議会で我が党の萬代県議に対し、この質問をしたとき、知事は、私からも社長に対してよく検討してもらいたいということを申し入れたい、言ってるじゃないですか。答弁の後退と言わざるを得ません。私は、この点で、県としてできることであるならば、この3市が求めてるんだから、これは住民の安全をより担保するという観点で、私は中電に要求するのが筋だと思います。

 それから、最後ですが、3号機の問題ですね。知事の答弁は、規制委員会の動きを注視していくということでした。しかし、3号機の運転がずっと続けば、これからもずうっとずうっとこの地域は危険な原発に縛られることになります。私は、先ほどの質問で言いましたけど、84%が原発のない島根を望んでいる、これが県民の民意だということを強調しておきたいと思います。

○知事(溝口善兵衛) 尾村議員の御質問にお答えをいたします。

 最初は、規制委員会の人事を、国会の同意でなく総理が任命をされたと、こういうことについて、その間のいきさつも御紹介をされたわけであります。いずれにしても、そうでありましても、民主党は党首である総理としてそういう決断をされて、法律にのっとった行為ですね、だから適法な手続をとってるわけです。それがいいかどうかっていうのは、いろんな意見が私はあると思います。いずれにしても、そういう形でないと規制委員会の発足ができなかったわけですね。しかし、放置するわけにもいかないんで、やむを得ざる措置として、そういう措置をとられたんだろうということであります。いずれにしましても、規制委員会はこれからいろいろ活動するわけであります。そして、そういうものについて各界の意見も求めてまいります。そういう中で、規制委員会がきちっとワークしてるのか、そういう点はよくチェックをしていく必要があるというふうに考えておるところであります。

 それから、中電への関係でありますが、共産党の島根県本部でございましたが、中電と話をされたわけですね。そのときのやりとりの中で、中電のほうからいろんな考え方、会社としての考え方が出たと。私は、私企業でありますから会社としての考えを言うことはそれはあるんだろうと思いますが、再稼働をどうするかとか、あるいは3号機などの取り扱いは、いずれにしても国が方針を決めて、規制委員会が安全チェックをして決めて、それに従うというのが電力会社の立場であります。そういう意味で、電力会社としては地域独占っていうことも絡み、公益企業であって、いろんな規制を受けて事業活動をしてるわけであります。そういう意味で、議員がお感じになったような誤解がないような形ではやるべきではないかというふうに思います。いずれにしても、それは政府が決定することですということが最終的な答えじゃないでしょうか。

 それから、寄附の透明性の問題です。これは、私は国に対して何度かやりとりをしております。国から説明を受けているのは、電力料金にどういうコストを入れるかっていう基準があるわけですね。コストに反映するような寄附金は公開しなさいと、コストに反映されないようなものは、これはいろんな事情もあるから匿名でいいというような仕分けができてるようですね。それは私は、いいのかどうかというのは、果たしてそうなのかという気持ちもありますけども、政府の関係当局には、そういう問題もよく政府として検討されるべきじゃないですかということは申し入れてるところであります。今後ともやっていきたいと思います。だから、これは中電の問題というよりも、国のそういう取り扱いの問題ではないかというふうに私は見ております。

 それから、安全性の関係でありますが、これにつきましては、立地自治体と周辺自治体の2つに分け、周辺市の立場をどう考えるかということになるんですね。これは報道等でも皆さんもごらんになってると思いますけども、島根県の市長会の場で、そういう問題も議論をされました。それで、立地市である松江市のほうは、原発に近いところにある市町村と若干離れたところにある市町村では、やっぱり若干の立場の違いがあるんじゃないかということで、関係の立地市、周辺市の間で、必ずしも合意ができておりませんね。だから、そこはなかなか難しい問題でございまして、それは県が間に入って調整をしてできるというもんでもありません。立地市と周辺自治体が話をしても、それはなかなか話が難しいと思いますね。周辺市も30キロだけじゃなくて、それはもっと離れたところでも被害が及ぶことがあるわけですから、いろんなことを考えなきゃいけないわけであります。やっぱりどっかで切るということが必要な作業になってくるわけでありまして、そういう点については、やはり原発の政策をどうするかと相当関連の深い問題ではないかというのが私の見方であります。

 そういう意味におきまして、国が一定の基準なりを示して行うというのが適当ではないかというふうに思います。例えば、30キロがUPZに入るということになりますと、それにかかる市町村については、この安全協定をひとしく結びなさいとか、あるいは結ぶかどうかはその地域の話し合いによるとか、いろんなことがないとなかなか話が進まない、これまでやってきた感触から申し上げてるわけです。中電に対しても、それはよく話は、周辺市のお考えもよく聞かないとだめですよということは言ってますが、そこは中電としては、今のところ、周辺市と立地市とでは若干の差異を設けておるということであります。

 それから、3号機の問題、これはまさに規制委員会がそうしたものをどういうふうに評価をするか、安全性の評価をするかということにかかってるだろうと思いますが、その過程を通じて、我々も規制委員会の判断等についてよくチェックをしてまいりたいというふうに考えております。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画