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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2012 年 11 月定例会 平成 23 年度決算認定に対する討論

2012-12-14 この記事を印刷
 日本共産党の尾村利成でございます。
 日本共産党県議団を代表して、一般会計及び特別会計、病院事業会計、公営企業会計の6件の決算認定について、認定とした委員長報告に対し、反対の討論を行います。
 予算並びに決算は、政治の顔、政治の鏡であると言われています。
 議会における決算確定は、次年度の予算編成に資するため、広範な角度から住民の立場で行政評価を検証するものであります。
 この立場から、討論を行います。

平成23年度一般会計及び特別会計の認定について


 まず、認定第4号議案「平成23年度一般会計及び特別会計の決算認定について」です。
 財政分析指標を見ると、公債費負担比率は29.8%で、前年度に比べ、0.4ポイント減少したものの、高い水準にあります。
 また、実質公債費比率は16.0%で、前年度に比べ、1.0ポイント改善し、地方債の発行にあたって、国の許可が必要となる18%を下回ったものの、依然として高い状況が続いています。
 地方債現在高は9,944億円余で、前年度に比べ、約130億円減となりましたが、未だ高い状況が続いています。
 県財政悪化の原因は、この間の身の丈を超えた公共投資にありました。財政再建にあたって大切なことは、不要不急、県民合意のない事業にメスを入れ、徹底した総点検を行うことです。
 自治体の仕事は、「住民のくらしと福祉、安全を守ること」です。この点で、県民の願いは、医療、福祉、教育の充実です。この点で、県民の願いと平成23年度決算を鑑みた時、平成23年度決算は不認定とせざるを得えません。

各論


 各論的に10点申し上げます。
 第1に、財政健全化基本方針に基づき、総人件費抑制策がすすめられました。職員定員削減計画の上乗せ、手当の見直し、臨時職員の雇用経費の削減は、職員の士気や組織の活性化の低下につながります。このことは、県民サービスの低下に連動しかねません。職員の労働条件の改善を求めます。
 第2に、一般施策経費の削減は、県民サービスを低下させ、市町村へ負担を転嫁しました。住民に身近なサービスを提供する市町村への支援策を充実するべきです。
 第3に、県税収入確保の名のもとに、個人住民税の差し押さえ件数は、1,691件に及んでいます。前年度より減少したものの、納税緩和措置の周知徹底、生活に困窮した県民への生活再建支援に力を注ぐことを求めます。
 第4に、貧困と格差が拡大し、憲法25条が保障する生存権が危ぶまれるもと、民生費、衛生費などの社会保障予算が貧困です。
 平成23年度、後期高齢者医療制度における短期証の発行数は311人に及び、国民健康保険の滞納世帯は約10%で、その制裁措置として命綱である保険証を取り上げられた世帯は、約900世帯に達しています。
 介護保険料の未納者数は約3,000人にのぼり、給付制限を受けている高齢者も生まれています。福祉医療費の1割負担は、障がい者など受給者に耐えがたい痛みを押し付けています。
 県として、市町村の国保会計に法定外独自支出金を拠出し、また、介護保険の軽減措置を講じるとともに、福祉医療の1割負担は撤回すべきです。
 第5に、都市計画道路・城山北公園線拡幅事業のように、そこに住む関係住民が反対し、松江の城下町を壊す事業は見直すべきです。現行2車線・道幅11メートルから4車線・道幅29メートルへの過大なる拡幅は中止すべきです。
 第6に、島根農業の再生、持続可能な農業経営の実現、耕作放棄地の解消に向け、価格補償の充実こそ農林水産業費の主役にすべきです。
 県として、農林水産業を土台から破壊し、食の安全、医療、雇用などのルールを壊すTPP参加に断固反対の意思表明をするべきです。
 第7に、企業誘致偏重から、地域に根を張って頑張る中小企業、地場産業育成に商工予算の柱をシフトすべきです。地域経済を良くするためには、企業呼び込み方式から地域に現にある力を育て、伸ばし、それによって雇用と消費を増やす内発型・循環型の地域振興策が必要です。
 第8に、同和対策事業の特別措置法が終結したにもかかわらず、本県においては、同和教育をすべての教育の基底に据え、同和教育を特殊化、別格化する立場に今も固執しています。
 また、民間の同和団体に対する突出した補助金の支出が逆に不公正を生み出しています。同和教育は終結し、同和団体への補助金は、他の補助金交付団体との公平性を図るべきです。同和対策事業の法的根拠が消滅した以上、県の組織や事業名称に同和という表現や特別な扱いはやめるべきです。
 第9に、教育においては、子供たちをテストに追いたて、競争によって序列化をはかる過度な競争教育こそ教育を荒廃させている最大の元凶です。学力テストは中止すべきです。
 また、本県教育が臨時的任用教職員によって支えられている現状を是正するために、正規教職員の採用を増やし、臨時教職員の待遇改善を求めます。
 最後に、日本で唯一、県庁所在地に原発が立地する島根こそ、原発からの撤退を決断し、自然エネルギーの普及と促進に向け、知恵と力を注ぐべきです。
 安全協定第12条の適切措置要求権を発動し、中国電力に対し、徹底した活断層調査を要求するべきです。また、出雲市、安来市、雲南市との立地自治体並みの安全協定を締結するよう県としてイニシアティブを発揮すべきです。

平成23年度島根県病院事業会計決算の認定について


 次に、認定第1号議案「平成23年度島根県病院事業会計決算の認定について」です。
 経営効率化による民間委託推進は、医療機関の医療に対する責任が曖昧にされ、病院が自らやるべき業務や安全、衛生等についてのチェックが弱まり、県民サービスの低下が懸念されます。
 県立中央病院では、希望者に対して看護師2交代勤務が行われておりますが、2交代勤務は、看護師の健康の悪化、ひいては離職につながり、患者にとって、安全・安心な看護の提供の面から有害であることを指摘します。

平成23年度島根県公営企業会計決算について


 最後に、第135号議案、第136号議案、認定第2号議案、認定第3号議案の電気事業、水道事業、工業用水道事業、宅地造成事業の公営企業会計決算についてです。
 島根県公営企業は、県内河川に多目的ダムを建設し、水力発電を開発し、上水道、工業用水道事業を行い、その工業用水によって工業団地を造成するなど、これらの事業の一連の実施を基本としています。
 この事業形態は、県民の立場から弊害が生まれています。
 それは、第1に、公共投資と河川総合開発が大企業や誘致企業の電気、工業用水確保を主軸とした事業であるため、上水道、農業用水利などの民生が後景に追いやられていることです。
 第2に、過大な需要予測により、多額な投資に見合う需要が期待できず、損失負担が県民に転嫁されています。
 斐伊川水道建設事業では、参画水量と契約水量に大きな乖離が生じ、使わない水まで住民負担となっています。尾原ダムの水の使用率は約6割しかなく、4割の水は使われていません。事業主体として、水需要予測・積算根拠を見誤った責任を認め、料金低減策を講じるべきです。
 最後に、今回の決算審査にあたり、全体会、分科会におきまして、その過程で100項目を超す質疑、資料提供を求めました。
 これらの点ですべての執行部の皆さんから誠意あるご回答と資料の提供を頂きましたことに対して、心からの感謝を申し上げます。
 以上で、決算認定についての討論を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画