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2013 年 11 月定例会 一問一答質問 (滞納国民健康保険料 (税) の非道な徴収実態について、看護師の勤務環境改善について、中国電力の原発再稼働表明について)

2013-12-02 この記事を印刷
○尾村利成議員 日本共産党の尾村利成です。
 まず、滞納国民健康保険料の非道なる徴収実態について伺います。
 初めに、徴収現場のひどい実態を告発いたします。
 松江市の国民健康保険加入世帯は、2万7,000世帯です。そのうち、松江市は昨年度、保険料の支払いがおくれた人に対し、年間に1万件を超す差し押さえ予告書を出していました。予告書には、指定期日までに納付されない場合はあなたに連絡することなく預貯金、給与など直ちに差し押さえますと書いてあります。威圧的、脅迫的対応そのものではありませんか。
 出雲市では、滞納保険料は2年で解消するとの方針のもと、強権的な対応をとっています。一例を申し上げます。ある男性は、給料や借り入れの残高など生活実態を全て市にさらけ出し、自分たちは1カ月に1万円しか払えませんと懇願しました。しかし、市は、1カ月1万円では足らない、月に3万5,000円は支払えと強要し、払いたくても払えない無理な納付額を押しつけています。
 こういう徴収第一主義の実態は、県として正させるべきではありませんか、どうですか。

○健康福祉部長(原仁史) 県が実施しました国民保険料に係る預貯金差し押さえの実態調査でございますけども、この調査は、差し押さえ金額や差し押さえ日などの状況について市町村の担当部署に対して確認したものでありまして、議員御指摘のような実際の現場での生々しいといいますか厳しい督促の実態ですとか、あるいは強圧的な納付相談の状況など、納付者側が受けとめておられるような実態まではなかなか正直言ってつかめないというところが実情です。今後は、市町村に出向いて行う指導・助言の場などを通じまして、そうしたところまでの状況把握に努めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、国民健康保険料の徴収業務につきましては、議員がおっしゃるように、徴収第一主義ではなく、本人の生活の困窮度などをよく把握した上できめ細やかかつ柔軟な対応に努めること、言うならば公務員として誠実な対応を心がけることが必要であり、市町村に対しましてもそういった姿勢で対応するよう働きかけてまいりたいと考えております。

○尾村利成議員 鳥取県が児童手当を差し押さえ滞納県税に充当した問題で、11月29日、広島高裁松江支部は、一審と同様、児童手当の返還を鳥取県に命じました。すなわち、高裁でも、差し押さえ禁止財産を狙い打ちにした差し押さえは違法と断じたのであります。鳥取県は上告断念の方針であり、判決内容は確定する見込みであります。
 私は、さきの決算委員会でも指摘しました。島根県でも、差し押さえ禁止財産である年金を狙い打ちにした違法な差し押さえが横行しています。滞納者の生活実態を無視した無慈悲な徴収、違法な差し押さえの中止を強く求めておきます。
 次に、看護師の勤務環境改善についてです。
 安全・安心の医療、介護は、国民の切実な願いです。看護師や医療労働者は、日夜、一人一人の命を大切にするために頑張っています。
 夜勤は有害な業務であり、保護と規制が求められます。島根県は、県内の看護師の過酷な勤務の実態をどのように認識していますか、伺います。

○健康福祉部長(原仁史) 県は、毎年10月1日現在で実施します看護職員実態調査におきまして、夜勤の状況についても調べております。平成25年度の調査によりますと、回答のあった43病院の1人当たりの月平均夜勤回数は7.6回でございました。最も夜勤回数の多い病院は、月10回でございました。
 私自身、先般、現場の看護師の方などから夜勤の実態をお聞きしました。また、担当課の職員も病院を訪問するなどしまして、現場の職員の方の生の声を聞いてきたところです。そうした中で、夜勤が月10回以上ある、あるいは時間外労働も多く疲れがとれない、また身体面、精神面ともに限界、家族の団らんの時間がとれないなどの切実な声を伺いまして、夜勤を行う看護師等が極めて厳しい勤務環境に置かれているということを改めて実感したところでございます。

○尾村利成議員 夜勤の規制、夜勤の改善について、看護師確保法の基本指針、そして厚生労働省の5局長の通知、人事院の夜勤判定、看護協会のガイドライン、どのように規定していますか、説明してください。

○健康福祉部長(原仁史) 今議員がおっしゃいました基本指針、いろいろほかにも厚労省の5局長通知ですとか人事院の夜勤判定、いろいろありますが、それらはいずれも、夜勤回数は月8回以内を目標または基本とするということにされております。

○尾村利成議員 改めて伺います。夜勤は月8日以内という基本指針、5局長通知、人事院の夜勤判定、看護協会ガイドライン、これらは県内の現場において守られていますか、どうですか。

○健康福祉部長(原仁史) 先ほど申し上げました看護職員実態調査によりますと、回答のあった43病院のうち、夜勤を行う職員の1人当たり平均夜勤回数が月8回を超えておる病院が15病院、約3分の1ですが、ございました。したがいまして、現時点では、全ての病院で基本指針に掲げられました努力目標であります月8回以内を達成しているという状況にはありません。

○尾村利成議員 答弁のとおりです。夜勤は月8日以内という基本指針が守られていない現状がございます。
 私はこの間、看護師さんから、基本指針に反する過酷な勤務の具体的な実態を伺ってきました。一部その声を御紹介したいと思います。
 一月の夜勤の回数はいつも10回以上です。病院から私たちは大切にされていないように思います。身体面、精神面ともにもう限界です。また、ある看護師さんは、月に10回もの夜勤に疲れました。ヒヤリ・ハットが続き、このまま勤めていたら医療ミスを起こしかねません。もうやめたいと思っています。また、ある方は、準夜は午前12時半までなのに、実際に勤務が終わるのは午前3時になるときもある。時には午前5時まで勤務することもあります。こういう声であります。
 私はそこで、県にお願いしたいわけです。看護師確保法の第8条では、県は病院の開設者に対して基本指針に定める事項について指導と助言を行うと規定しています。夜勤のあり方を含め、処遇改善について基本指針を遵守するよう、病院に対する指導と助言を強化すべきではありませんか、どうですか。

○健康福祉部長(原仁史) 看護職員が県全体で不足している中で、各病院とも看護職員の確保、定着のために勤務環境を改善する努力はされていると思いますが、先ほど申し上げましたとおり、夜勤回数が月8回を超えている病院が相当数あるという実態では、勤務環境の改善は十分であるとは言えないというふうに思います。県としましては、個々の病院の実情や考え方をよく聞いた上で、労働局など関係機関とも連携し、さまざまな機会を捉えて、基本指針の目標達成に向けた一層の努力をしてまいります。

○尾村利成議員 厚生労働省、それから労働基準監督署、労働局、次のように規定しています。使用者は労働時間を適正に把握する措置を講じなければならない、このように言っています。しかしながら、松江の日赤、大田の市立病院、安来第一病院などではタイムカードが導入されていません。そのため、勤務時間が正確に反映されておらず、不払い残業が常態化しています。
 タイムカードを導入するなど、労働時間を適正に把握することが必要と考えますが、どうですか。

○健康福祉部長(原仁史) 平成13年に厚生労働省から、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準というものが出されております。その基準では、使用者は労働者の始業時刻及び終業時刻を確認し、これを記録することとされております。具体的には、使用者がみずから現認することにより確認し記録する、またはタイムカード等の客観的な記録を基礎として確認し記録する、これのいずれかの方法によることとされております。
 県としましては、この基準について、労働局と連携しまして、改めて研修会などの場で周知してまいりたいと考えております。

○尾村利成議員 具体的な指導そして助言をお願いしておきたいと思います。使用者には、労働時間、適正に把握する責務があるわけであります。
 そこで、現場の正確な実態をつかんだ上で、勤務環境の改善対策を講じなければならないと私は思います。県として、現場の具体的な実態を正確につかむためにも、夜勤の実態調査、時間外勤務の実態調査、休職原因や復職の有無など休職率調査などを実施すべきと私は考えますが、どうでしょうか。

○健康福祉部長(原仁史) 看護職員の実態調査では、看護職員の勤務形態につきましては夜勤回数及び交代制の状況の把握までにとどまっております。看護職員の勤務環境を改善するためには、議員御指摘の項目や勤務間隔、正循環・逆循環といった交代周期など、さらに詳細な状況を把握する必要があるというふうに思います。できるだけ早期に追加の調査等を行い、より詳しい実態把握に努めたいと考えております。

○尾村利成議員 よろしくお願いしたいと思います。
 この問題で、知事に最後に伺います。
 安全・安心の医療を確立するためには、看護師さんの大幅な増員と勤務環境の改善が求められると私は思います。看護師を始めとする医療労働者への知事としての感謝並びに期待のメッセージ、そして今後ともさらなる看護師確保対策推進を実施する決意を伺いたいと思います。

○知事(溝口善兵衛) 先ほど来のやりとりにもありますが、看護師の方々を始めとしまして医療に携わる皆さん方には、昼夜を問わず患者の方々の心身両面において支える大きな役割を演じておられるわけでございまして、そのことに対しまして、関係の皆様に対しまして深く感謝の意を表する次第であります。病院などに入院をされたり病院に来られる方々はいろんな不安、悩みを抱えておられるわけでありまして、そうした患者さんにとりまして、看護師の皆さんは身近で最も頼りになる方々であります。私どもとしましても、看護師の方々を始め医療に携わる方々の勤務の環境がさらに改善をするように努力をしてまいりたいと思います。
 島根県におきましては、お医者さんあるいは看護師の方々が多くの地域において不足をしているわけであります。これはいろんな原因がございますが、県としても、奨学金制度を導入をし、それを拡充をするとか、あるいはお医者さんなどにつきましては地域医療支援センターを設けまして、島根で勤務をしながらキャリアアップができる、そういう対応もしております。今後とも、関係の皆様の意見もよく聞きながら、県としてできる限りの対応をしてまいりたいというふうに思います。

○尾村利成議員 看護師さんや医療労働者が健康で安全に働き続けることができてこそ、患者の安全が守られると思います。そして、質の高い医療、看護を提供することができるものと私は考えます。今、知事答弁がございました。看護師さんなど医療労働者の大幅な増員、勤務環境改善に向けて一層の御尽力をお願いして、次の質問に移ります。
 原発の問題であります。
 11月21日、中国電力は、国への安全審査申請表明を行いました。福島原発の事故はいまだ未解明であり、実効ある避難計画もまだできていません。こういう中での原発の再稼働宣言など、私は断じて容認するわけにはなりません。この局面での知事の認識を何点か問いたいと思います。
 知事、まず第1点目、福島原発の事故原因、究明されたと思いますか。

○知事(溝口善兵衛) 福島原発の事故の原因につきましては、政府における調査委員会でありますとかいろんな形で調査も進んでおりますし、原子力規制委員会もその調査をしておるわけでございます。もちろん100%その原因が解明されたという事態には至っておりませんけれども、相当程度の原因の分析はできまして、それに基づきまして規制基準等が新たに作成をされ、原発の安全審査をするために、そういう準備ができたところから審査を受け付けますということを規制委員会は各電力会社に伝えておると、こういうことでございます。中国電力におきましても、そういう準備ができたので審査を申請をするということで、松江市、島根県に対しまして申請の事前了解を求めてこられておるというのが現状でございます。

○尾村利成議員 福島では原子炉の状態はわかってませんね、まだ。そして、規制委員会の事故分析検討会での議論も始まったばかりであり、事故原因は未究明であります。
 知事、新規制基準、これは安全を担保する万全の基準と考えていますか、どうですか。

○知事(溝口善兵衛) その点につきましては、各原発につきまして、規制委員会の指示等に基づきまして各電力会社が安全対策を講じてきて、規制委員会の基準に合致するというふうに判断をするところから、電力会社がですね、申請を出して規制委員会の審査を受けると、こういうことでございます。そこはやはり原発の所在する環境等によりましてそれぞれ状況は違う、講ずべき状況も違うところがあるわけでございまして、その点は原子力規制委員会が個々に各原発ごとに厳密な審査をされると、こういうことでございます。その結果を私どもは聞きまして、またその審査結果に基づきまして、例えば県の原子力安全顧問でありますとかいろんな方々の意見を聞いて総合的に判断するというのが私どもの立場であります。

○尾村利成議員 私は、新基準は、これまでも議論してきましたけれども、抜け穴だらけのずさんな基準と言わざるを得ません。後に、この問題はまた後で質問したいと思います。
 そして、実効ある避難計画、策定されていると思われますか、どうですか。

○知事(溝口善兵衛) 万が一の対応ということも、原発の総体的な安全性を確保するために大事な課題でございます。政府におかれましても、そうした対策を講ずるよう地域の計画をつくるということを指導されておられるわけであります。それから、9月におきましては、そうしたものを各原発ごとに調査・検討しなければならないということで、国及び所在県、市町村等とチームをつくりましてその検討に入っておると、こういうことでございます。ただ、島根県のほうは、そういう国の指示がある前から、万が一の事態が起こったときに避難ということがまず必要なわけでありまして、その避難先の確保を中国地方の隣県にお願いをするとか、そして周辺の市におきましてはどの地区の方々がどこに万が一の場合は避難をすると、そういう計画づくりをやっておると、そういう過程でございまして、万が一の対応につきましてもできるだけの努力を今しておると、こういう状況でございます。

○尾村利成議員 確認します。実効ある避難計画は策定中だと、進行形だということでいいですね。

○知事(溝口善兵衛) そういうことでございます。

○尾村利成議員 知事、中国電力が国への安全審査申請を急ぐ理由は、これは誰が考えてもそうだと思うんですが、私は原発の稼働が目的だと考えます。どうでしょうか、どうお考えですか。

○知事(溝口善兵衛) その点は先ほど申し上げたとおりでございますが、福島原発事故の後、国の原発に対する規制が法律によって変わったわけであります。そして、新たな法律によって規制委員会ができたわけであります。そういう新たな枠組みの中で、各電力会社は新しい規制基準を維持するように求められておるわけであります。そして、そうした規制基準に適合しない場合は、それに応じた対策をとる必要があるわけであります。その場合には、いろんな施設の変更をしなきゃいかん。既に国の指示において変更を行って、工事が終わってるものもあります。まだ途中のものもあります。これから行うものもあります。そういうもの全てについて、電力会社は規制委員会に対しまして設置変更の許可を受けなければならないという法律の枠組みがあるわけでございまして、それに基づいて、中国電力は今般、中国電力が行っている対応でいいのかどうか、それを規制委員会に審査をしてもらうと、その届け出をしたい、届け出をするに際して安全協定に基づいて松江市と島根県に事前了解を得たいと、こういうものでございます。そして、審査が規制委員会によって終わりますと、規制委員会は関係の所在の市町村に説明をすると、こう言っておりますから、それを聞きまして我々は総合的に判断をするという手順になっておると、こういうことでございます。

○尾村利成議員 知事ね、ここ大事なとこなんですよ。中国電力は原発を再稼働したいから、安全審査申請を出したいわけです。知事はこの間、原発が稼働しようと、または未稼働であろうと、規制委員会の審査を受ける必要がある、こういう御答弁されてきましたね。この論でいくと、この考え方でいくと、島根原発1号機は安全審査を受けないといけないという立場なんですよ。それでいいですか。

○知事(溝口善兵衛) それは準備ができたところから申請をするということになっておりますから、中国電力において、まだそういう準備が整ってないというふうに説明があったかと思います。

○尾村利成議員 準備も何も、全く安全対策とってないんですよ。だから、私は1号機の廃炉をきちっと要求すべきだと、このように思うわけであります。
 新基準の問題で議論したいと思います。新規制基準、それから中国電力の安全対策は、過酷事故を想定しながら、汚染される冷却水の処理や地下水の調査、対策が含まれておりません。放射能汚染水対策が何ひとつ盛り込まれていない新基準、そして中国電力の安全対策は不備ではありませんか。ずさんではありませんか。所見を伺います。

○知事(溝口善兵衛) 新しい規制基準によりますと、福島原発の事故を踏まえまして、過酷事故が起きないように地震そして津波対策が強化をされた、そういう基準になっておるわけです。したがいまして、今までの対応では不十分なものがありますから、電力会社は規制基準に合うように対策をとらなきゃいかんと、それをやっておるわけでございます。
 そういう中で、仮に過酷事故に至った場合も事故が深刻な事態に進むのを防止するために、従来なかったシビアアクシデント対策の実施が新設、義務づけられております。また、その場合の汚染水対策につきましては、海洋への汚染水の放出を抑制するための設備の設置が新規制基準の中で定められております。

○尾村利成議員 知事、福島原発では今何が起こってるのか。福島原発では、1日に約800トンから1,000トンの地下水が原発敷地内に流入しているわけであります。その地下水の経路、そして流速、流量などの実態が正確に把握されていません。島根原発でも、この地下水の調査とか対策などは皆無ですよ。御存じですか。

○知事(溝口善兵衛) 先ほど申し上げました海洋への汚染水放出を抑制するための設備の設置が新規制基準の中で定められております。それは規制委員会が、原発の所在地ごとにそういう状況がいろいろ違いますから、そこは具体的な対策を、電力会社の対策を規制委員会が申請を受けてチェックをする、審査をする、こういう手続になっておるわけであります。

○尾村利成議員 ですから、その対策が全くなされてないわけです、今現在。こういうもとで安全審査申請を出すことは許されないわけですよ。
 科学者は、日本列島は地震の活動期に入ったと警告しています。新基準には、福島事故の契機となった東北地方太平洋沖地震の知見が何ひとつ反映されていません。基準地震動の見直し、検証のない新基準は地震対策として全く不十分だと考えますが、どうですか。

○知事(溝口善兵衛) 福島原発における地震の状況を踏まえまして規制基準ができておるわけです。その中には、非常に具体的なものと、包括的に安全性を増すような規制を強化するということで対応をとってるものと、2つの面があると思います。具体的にいろんなこういう工事をしなさいという規定の部分もありますし、そうではなくて考え方が書いてあって、こういう対策をとりなさいというのがあって、それは審査の過程でチェックをします、こういうことであります。それはやはり原発の所在地によって状況が違うからだろうと思いますけども、そういう仕組みになっておるわけであります。
 そこで、地震につきましては、基準地震動をどういうふうに設定するかということとかかわるわけでありますけども、地質構造等を以下のような方法で評価をするということになっております。1つは、活断層につきましては、十二、三万年前まで調査しても活動性が明確にできない場合は40万年前にさかのぼって活動性を評価する、この評価をするわけですね。それから、連続あるいは近接して分岐、並行する複数の活断層がある場合にはその連動性があるかという評価をすると、こういうことでございます。それから、敷地の地下の構造によりまして地震動が増幅されるようなケースがあるようでございまして、そういう地下構造があるのかどうか、3次元的な調査をしてチェックをすると、こういうことになっておりまして、まだそういう評価は、規制委員会が行う場合もあるでしょうし、規制委員会が指示をする場合もありますでしょうし、それは審査の過程でいろいろ状況に応じて規制委員会が指示をされたりすると、こういうふうに理解をしております。

○尾村利成議員 原発の耐震設計の基本というのが基準地震動なんですね。私が先ほど来言ってるのは、新基準は、3・11、すなわち東北地方太平洋沖地震、これがどのようにして起こったのか、そして原発にいかなる影響を与えたのか、一切盛り込まれてないんですよ、これが。福島事故を受けて、いかなる基準地震動を策定していくのか、検証していくのか、この点が不十分なんですよ。
 島根原発周辺で言えば、海底活断層の連動性があるでしょう。宍道断層、そして鳥取沖の西部、東部断層、そして西に行けば大田沖断層、この連動性の問題も調査しないと私はいけないと思うんです。この点では、地震対策は不十分だと言わざるを得ません。
 安全審査申請の事前了解ですね、これを行うということは、私は原発再稼働の道にほかならないと考えるものです。拙速に年内に結論を出すことなど論外であり、県民の意見を十分に聞くべきではありませんか。安全審査申請の事前了解は了承するべきではない、このように私は考えますが、どうですか。

○知事(溝口善兵衛) 先ほど来申し上げておりますが、電力会社は新しい基準に適合してるかどうかの審査を規制委員会にしてもらわなければいけない状況であります。それによって事前に安全委員会、国のほうにおいて指示をした工事もありますし、それから、いろんな評価をした上でこれから工事をしなきゃいかんものもあるでしょうし、いろんなものがあるわけであります。むしろ審査をしないと、安全性が本当に確保されてるのかどうかということがチェックができないという状況にあるわけでありますから、審査の申請をして審査をしてもらうということは規制委員会の考えに基づいた行動であります。私どもとしては、審査がどういうふうに行われたのか、そういうことをよく聞いた上で、それでいいのかどうかということについて、県民の方々あるいは議会、あるいは専門家の意見なども聞いて総合的に判断をしたいと、こういうことでございます。そういうことを常に申し上げておるわけであります。

○尾村利成議員 私は、安全審査申請の事前了解はやってはならない、やるべきではないと思います。それは第1に、審査する基準、新規制基準、この審査の物差しですね、これがずさんです。安全担保するものではありません。これが1つ目の理由。2つ目は、中国電力の安全対策、先ほど地震対策、汚染水対策言いました。これは不十分です。そして3つ目に、安全審査申請に地元の合意はありません。そして4つ目に、この審査は原発再稼働への道、稼働への第一歩につながるものです。そういう意味で、審査申請、事前了解を与えないことを強く求め、質問を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画