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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2014 年 2 月定例会 知事提出議案等に対する討論

2014-03-11 この記事を印刷

 日本共産党の尾村利成でございます。
 日本共産党県議団を代表して、予算案6件、条例案12件、直接請求議案1件、請願5件、陳情1件について委員長報告に反対する討論を行います。

第4号議案「平成26年度島根県一般会計予算」

 まず、第4号議案「平成26年度島根県一般会計予算」についてです。
 国政においては、消費税増税、社会保障切り捨て、TPP参加、原発推進・再稼働など国民の願いに反する政治です。
 国の政治がひどい時だけに、県政が県民のくらしと福祉を守る防波堤の役割を果たさなければなりません。
 予算案では、福祉医療費の負担軽減、小学3年から中学3年までの35人学級編成の計画的実施、小中学校の特別支援学級や高等学校への教員配置充実、保育士の確保・保育サービス充実に向けての支援事業などが盛り込まれました。また、住宅リフォーム助成や県産木材利用助成制度などが継続されました。わが党は、これらの事業や予算増額措置については、評価するものであります。
 今、県民のくらしはどうなっているでしょうか。深刻なデフレ不況のもと、くらしと営業は困窮の度を深めています。労働者の賃金は20ヶ月以上連続で減少し、年金は減り続けています。円安による原材料費の高騰で中小企業は痛めつけられ、生活必需品の値上げが家計を襲っています。
 こんな時に消費税が増税されれば、消費はさらに冷え込み、経済と県民生活は一段と危機に陥ってしまいます。
 予算は政治の顔、政治の鏡と言われています。県民の苦しみを解決し、くらし応援の県予算が待たれています。
 そのためにも、医療、福祉では、高い国民健康保険料・税を引き下げるため、県としての法定外独自支出金を拠出すべきです。また、介護保険の負担軽減措置を講じるなど社会保障予算の拡充を図るべきであります。
 農業においては、持続可能な農業経営の実現、耕作放棄地の解消に向け、価格保障の充実など再生産を保障する施策を農業政策の柱に据えるべきです。県として、農業に壊滅的打撃を与え、食の安全、医療、雇用などのルールを壊すTPP交渉撤退の意思を表明するべきです。
 産業・雇用対策では、新産業創出、企業誘致頼みから脱却し、島根県内に現にある力を育て、伸ばし、それによって雇用と消費を増やす内発型・循環型の地域振興策に転換すべきです。そのためにも、再生可能エネルギーの導入・普及の本格的推進を求めます。
 教育では、子どもたちを競争に追い立て、ふるい分けする学力テストは中止し、ゆきとどいた教育実現に向けて教育予算を大幅に増額すべきです。
 県民の命と安全を守るために、県として原発ゼロを決断し、原発再稼働に反対し、省エネ・節電の徹底、再生可能エネルギーへの抜本的な推進計画を立てて実行するべきであります。
 県民の願いは、医療、福祉、教育の充実であり、この立場から来年度予算案を鑑みた時、予算案に賛成できません。

第17号議案「平成26年度島根県病院事業会計予算」
第18号議案「平成26年度島根県電気事業会計予算」
第19号議案「平成26年度島根県工業用水道事業会計予算」
第20号議案「平成26年度島根県水道事業会計予算」
第21号議案「平成26年度島根県宅地造成事業会計予算」

 次に、第17号議案「平成26年度島根県病院事業会計予算」についてです。
 県立中央病院では、希望者に対して看護師2交代勤務が行われています。2交代勤務は看護師の健康の悪化、ひいては離職につながりかねません。また、患者にとっては、安全・安心な看護の提供の面から有害であることを指摘します。
 経営効率化による民間委託推進は、医療機関の医療に対する責任が曖昧にされる恐れがあり、病院が自らやるべき業務や安全、衛生等についてチェックができず、県民サービスの低下が懸念されます。
 貧困と格差が広がる中で、県民誰もが安心して県立中央病院を受診できるように、紹介状のない受診時の加算料や差額ベッド料の負担など保険外併用療養費の廃止を検討し、保険証1枚でかかれる公的医療保険制度の充実に努めるべきです。
 次に、第18号議案から第21号議案までの電気、工業用水道、水道、宅地造成事業の公営企業会計予算についてです。
 島根県公営企業は、県内河川に多目的ダムを建設し、水力発電を開発し、上水道、工業用水道事業を行い、その工業用水によって工業団地を造成するなど、これらの事業の一連の実施を基本としています。
 この事業形態は、過大な需要予測によって多額投資に見合う需要が期待できず、損失負担が県民に転嫁される弊害が生まれています。
 江の川水道事業や斐伊川水道事業は、積算根拠・需要予測を誤ったため、使わない水まで住民負担となっており、高い水道料金に市民は悲鳴を上げています。
 松江市において、平成24年度の給水停止実施件数が927件にものぼっている事態は、異常と言わなければなりません。
 県として、受水団体の資本費負担軽減を図るなど財政措置を講じるべきです。
 以上の立場から、これら予算には賛同できません。

第22号議案「使用料、手数料等の額の改定等に関する条例」
第31号議案「島根県立総合福祉センター条例の一部を改正する条例」
第39号議案「島根県立体育施設条例の一部を改正する条例」
第40号議案「島根県立青少年社会教育施設条例の一部を改正する条例」

 次に、第22号議案「使用料、手数料等の額の改定等に関する条例」、第31号議案「島根県立総合福祉センター条例の一部を改正する条例」、第39号議案「島根県立体育施設条例の一部を改正する条例」、第40号議案「島根県立青少年社会教育施設条例の一部を改正する条例」についてです。
 これらの議案は、4月実施予定の消費税増税に伴い、県が徴収する各種使用料、手数料の額をいっせいに引き上げるものです。
 消費税法第60条第6項の規定では、一般会計で扱う公共料金分は、納税額が発生しないこととなっています。すなわち、県には、原則納税義務がありません。
 よって、増税分を値上げする使用料、手数料の引き上げは反対です。

第27号議案「職員の管理職手当の特例に関する条例の一部を改正する条例」

 次に、第27号議案「職員の管理職手当の特例に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
 本条例は、管理職手当の減額を平成27年度まで2年間継続して実施するものです。
 職員定員削減で職員の業務量は増大し、管理職をはじめ、職員の労働条件は悪化の一途にあります。
 県職員給与は、公務員労働者の生活だけでなく、年金、恩給、最低賃金、生活保護費の基礎ともなり、その引き下げは、消費購買力の低下につながり、地域経済の建て直しにマイナス影響を及ぼします。そして、県職員給与引き下げは、民間賃金にも波及し、賃下げの悪循環を招きます。
 この立場から、管理職手当の減額中止を求めます。

第32号議案「島根県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例」

 次に、第32号議案「島根県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例」についてです。
 後期高齢者医療の財政安定化基金への拠出割合は、広域連合が3分の1、国と県が同額の3分の1ずつを拠出することとなっています。本条例は、その拠出率を引き下げるものであります。
 2014年4月から75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度の4回目の保険料改定が行われます。島根県では、対前期比2.4%もの値上げが予定されています。
 しかし、島根県には、現在、約15億円もの財政安定化基金があります。今、やるべきことは、高い保険料を引き下げるために、基金を取り崩すことです。今回の拠出率引き下げは、国や県の財政支援額の後退であり、反対であります。
 後期高齢者医療制度は、国民を年齢で区切り、高齢者を別枠の医療保険に強制的に囲い込んで負担増と差別医療を押し付ける悪法です。すみやかに制度を撤廃し、元の老人保健制度に戻すことを強く求めます。

第35号議案「島根県障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例等の一部を改正する条例」

 次に、第35号議案「障害者総合支援法関連の基準条例の一部を改正する条例」についてです。
 本条例は、グループホームとケアホームを一元化するとした障害者総合支援法の施行に伴い、グループホームへの一元化後の人員、設備、運営基準を定めるものです。
 一元化に対し、障がい者団体からは、ケアホームをグループホームに吸収させることで報酬単価の低い方に合わせられ、十分なケアが保障されないとの危惧の声が出されています。
 障害福祉サービス低下につながりかねない法施行に伴う条例改正には反対です。

第37号議案「島根県立高等学校等条例の一部を改正する条例」
請願第4号、第13号「ゆきとどいた教育をすすめるための請願書」
請願第29号「『高校無償化』への所得制限導入に反対し、『教育費無償化』の前進を求める請願」

 次に、第37号議案「島根県立高等学校等条例の一部を改正する条例」についてです。
 本条例は、高校授業料の無償化制度を見直し、2014年度から所得制限を導入する高校無償化廃止法の施行に伴い、授業料や受講料の納付を定めるものです。
 OECD(経済協力開発機構)34カ国で公立高校授業料を徴収しているのは3カ国だけであり、教育費無償化は世界の流れです。
 所得制限導入により、授業料が無償の生徒と有償の生徒が同じ教室で学ぶ状況がつくり出されてしまいます。このことに、現場から困惑の声が出されています。
 授業料有償化は、社会全体で学びを支えるという教育無償化の理念に反するものであり、反対であります。
 教育に関連して、請願第4号ならびに、第13号の「ゆきとどいた教育をすすめるための請願」、ならびに、請願第29号「『高校無償化』への所得制限導入に反対し、『教育費無償化』の前進を求める請願」の3件を討論します。
 これら請願は、保護者負担軽減のため、県独自の奨学金制度創設など支援を拡充すること、そして、国が給付制奨学金制度をつくるよう国への意見書採択を求めるものです。
 世界の先進国では、奨学金は給付が当たり前です。家計が大変な生徒や若い世代の学ぶ権利を保障するためにも、奨学金は給付型へ方向転換すべきです。
 よって、これら3件の請願の採択を主張します。

第38号議案「県立学校の職員定数条例及び市町村立学校の教職員定数条例の一部を改正する条例」

 次に、第38号議案「県立学校の職員定数条例及び市町村立学校の教職員定数条例の一部を改正する条例」についてです。
 本条例は、児童数及び生徒数の変動等に伴い、職員の定数を改正するものです。
 本県の小中学校において、教員の5.4%が講師です。県立高校・特別支援学校における講師比率は13%の状況です。本県教育が臨時的任用教職員によって支えられている現状を是正するために、正規教職員の採用を増やすべきです。
 教員の多忙化を解消し、ゆきとどいた教育実現、教職員が「いじめ」に向き合う条件整備を強化するためにも、教員定数の削減には反対です。

第42号議案「島根県農業構造改革支援基金条例」

 次に、第42号議案「島根県農業構造改革支援基金条例」についてです。
 本条例は、農地中間管理機構を設置し、担い手への農地集積・集約化を促進するために基金を設置するものです。
 政府が決定した生産調整廃止や米の直接支払い交付金廃止、農地中間管理機構創設による大規模経営への農地集積化などの農政改革方針は、国民の主食である米の需給や価格安定に対する国の責任を全面放棄するものです。
 日本農業再建の道は、一つに、TPP参加をやめ、農産物の輸入をコントロールすること、二つに、生産費を償う価格保障と所得補償を組み合わせた経営所得安定対策を確立すること、三つに、家族経営、集落営農、大規模経営など多様な担い手の確保に取り組むことです。
 以上の立場から、本条例には賛成できません。

第45号議案「島根県民生委員定数条例」

 次に、第45号議案「島根県民生委員定数条例」についてです。
 本条例は、地域改革推進第3次一括法の民生委員法改正により、民生委員の定数を条例で定めるものです。
 民生委員は、民生委員法に基づき、厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員であり、民生委員は児童福祉法に定める児童委員を兼ねています。
 民生委員・児童委員制度は、全国統一の制度であり、全国に配置されている約23万人の民生委員・児童委員は、高齢者の「孤独死防止」や「児童虐待防止」など地域住民と福祉を結ぶ重要な役割を果たしています。
 全国民生委員児童委員連合協会から「厚生労働大臣の委嘱による全国一律の制度をなし崩しにしないでほしい」との意見書が提出されました。国は、民生委員の数を増やし、サポートすべきであります。

第46号議案「島根県指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例」

 次に、第46号議案「島根県指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例」についてです。
 本条例は、地域改革推進第3次一括法の施行により、介護保険法の一部が改正され、指定居宅介護支援等の事業の人員、運営基準を条例において定めるものです。
 介護現場では、国が定めた人員配置基準が低いために、過酷な労働となり、加えて低賃金構造のもとで離職者が増えるなど現場の人員不足が進んでいます。
 今、必要なことは、利用者の重度化が進んでいるもとで、人員配置基準を実態に合わせることです。
 国が責任を持つべき社会保障については、ナショナルミニマムや標準を定めるとともに、自治体が独自に上乗せできる財源を保障するべきです。
 この立場から、本条例には賛成できません。

請願第25号「出雲市河下港への海上自衛隊の誘致活動の支援の請願書」

 次に、請願第25号「出雲市河下港への海上自衛隊の誘致活動の支援の請願」についてです。
 本請願は、河下港の有益な活用を図るために海上自衛隊の誘致活動実施に対する支援を求めるものです。
 安倍政権は、米軍と自衛隊の一体化を推進し、国防軍創設、集団的自衛権行使、憲法改正を狙っています。
 改憲派は、憲法9条をなくし、自衛隊を海外での戦争に参戦させる憲法違反の自衛隊海外派兵恒久法の制定をもくろんでいます。
 このような危険な情勢のもと、日本海の軍事強化につながる河下港への自衛隊誘致は許されません。

請願第33号「『高齢者の負担増と保険給付の削減を押し付け、市町村に責任を転嫁する介護保険の見直しに反対する意見書』の採択を求める請願」

 次に、請願第33号「『高齢者の負担増と保険給付の削減を押し付け、市町村に責任を転嫁する介護保険の見直しに反対する意見書』の採択を求める請願」についてです。
 政府は、要支援者の訪問・通所介護を保険サービスから切り離し、特別養護老人ホームの入所対象者を原則要介護3以上に限定し、所得が一定額を超える人の利用料を2割に引き上げようとしています。
 利用者に大幅なサービス利用制限と負担増を強いる制度改悪は、家族負担をいっそう深刻にし、利用者の重度化を加速させるものであり、介護保険制度の危機と経済・社会の荒廃をいっそう深刻にするものです。
 「高齢者の尊厳の保持」、「利用者本位」という介護保険制度の理念に反する制度改悪は中止するべきであり、本請願採択を主張します。

陳情第191号「特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める陳情書」

 次に、陳情第191号「特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める陳情」についてです。
 特定秘密保護法は、政府の判断によって、どんな行政情報も恣意的に「特定秘密」と指定され、事実上、永久的に国民に隠し続けることができる法律です。
 例えば、「原発をテロから守る」という口実で、福島原発事故の汚染水がどこで漏れたかも秘密とされます。内閣情報室も原発情報は特定秘密になり得るとハッキリ認めており、島根原発の情報も秘密とされかねず、危険極まりない法律です。
 国民の目と耳、口をふさぎ、国民主権、基本的人権、平和主義という日本国憲法の基本原則をことごとく蹂躙する違憲立法は、撤廃する以外ありません。
 よって、本陳情の採択を求めます。

第59号議案「島根県エネルギー自立地域推進基本条例の制定請求」

 最後に、直接請求・第59号議案「島根県エネルギー自立地域推進基本条例の制定請求」についてです。
 本条例の請求目的は、政府の「エネルギー基本計画」にのみ依存せず、島根の風土にふさわしいエネルギー政策と地域経済の自立と活性化を結合した新たな仕組みをつくるものであります。
 条例制定にあたって、短期間に約8万3千筆もの署名が寄せられました。この熱い県民の願意を重く受け止め、公正・正確な指標で慎重に審査することが県政と県議会の責務であったはずです。
 しかしながら、先の質疑で萬代県議が指摘した通り、県が算定したエネルギー指標と条例制定請求代表者算定の指標には、大きな乖離がありました。総務委員会では、県側の算定数値をもとに審査され、公平・公正な審査とは言えません。
 県の算定数値は、熱供給と水力発電分が過小評価され、かつ、省エネ実施効果が未算入であったではありませんか。
その結果、知事や県議会からは、「財源の確保、技術開発などで国の関与や対応が必要」であり、「現実的で実効あるエネルギー自立計画を実施することは困難」との否定的意見が相次ぎました。
 しかし、国の再生可能エネルギー導入予算が貧困な中でも、域内の「民生・農林水産用エネルギー需要」を上回る量の再生可能エネルギーを生み出し、「エネルギーを100%自給」している自治体は、全国で50市町村にも達しています。
 これら自治体は、地域資源の発見、利用、効果を追求し、積極的に「エネルギーの地産地消」をすすめてきました。
 島根県においても、省エネ化・再生可能エネルギー推進のポテンシャルは十分に備わっています。島根は、日本海特有の風力資源と太陽光資源にも恵まれています。また、中山間地には豊富な森林資源が残され、農林業から生み出される稲わら、木くずや廃材などを利活用したバイオマス資源が膨大に存在するなど多くの地域資源があるではありませんか。
 エネルギー自立は可能です。なぜなら、島根県には、エネルギー自立のポテンシャルのみならず、エネルギー自立を推進する県民の意思が満ち満ちているからであります。
 県民は短期間にエネルギー自立を願う約8万3千筆もの署名を県政、県議会に寄せました。この署名数は、省エネ推進と再生可能エネルギー普及に向けた県民の決意の結晶であります。この県民の願いと決意こそ、エネルギー自立地域を形成する確かなポテンシャル、可能性ではないでしょうか。
 県政と県議会は、エネルギー自立を願う県民との連帯、協働にこそ力を注ぐべきです。県政と県議会がイニシアチブを発揮し、省エネ・再生可能エネルギー推進を一人ひとりの県民に呼びかければ、必ず島根県民は応えてくれるはずです。
 県、市町村、NPO、専門家、事業者、県民が省エネ・再生可能エネルギー推進の一点で力を総結集すべきです。この「オール島根」のエネルギー自立地域形成に向けた取り組みこそ、産業振興、雇用確保、地域活性化の確かな道であり、島根再生の切り札となることを確信するものであります。 
 本日、3月11日は、3年前に福島事故が発生した日であります。
 東日本大震災・福島原発事故から3年目を迎えた今でも、福島では14万人が先の見えない避難生活を強いられ、事故は収束するどころか、放射能汚染水が制御できない非常事態が続いています。
 しかしながら、安倍政権は原発を「重要なベースロード電源」と位置づけた「エネルギー基本計画案」を発表し、安全性が確認された原発は再稼働をすすめると明言しています。これは、今なお 原発被害に苦しむ福島の人々への重大な背信であり、原発ゼロを願う国民多数の民意への挑戦にほかなりません。
 福島事故の教訓は、原発は過酷事故を起こせば制御できないことを明らかにしました。人類は、原発とは共存できません。
 福島では、県議会ですべての会派が原発ゼロを宣言しました。そして、福島県は、福島復興ビジョンにおいて「今回の原子力災害で最も深刻な被害を受けた福島の地においては原子力に依存しない社会をめざす。そのため、再生可能エネルギーに関する最先端の研究拠点の誘致、関連産業の集積、省エネルギーや地域でエネルギー自立をはかる取り組みを強力にすすめる」と宣言しました。
 島根県政、島根県議会は、福島と固く連帯し、国待ち、国依存の姿勢を改め、島根から安全、安心のエネルギーを発信すべきです。そして、日本一とも言える省エネ・再生可能エネルギー推進県をめざすことこそ、県民のくらしと命を守り、活力ある住みよい島根をつくることになるではありませんか。そのためにも、本条例を可決することを強く求めます。
 以上で討論を終わります。

議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画