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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2014 年 6 月定例会 委員長報告に対する討論

2014-07-04 この記事を印刷
 日本共産党の尾村利成でございます。
 日本共産党県議団を代表して、条例案5件、議員提出議案1件について委員長報告に反対する討論を行います。

第80号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」
第81号議案「県立学校の教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」
第82号議案「市町村立学校の教職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例」

 まず、第80号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、第81号議案「県立学校の教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、第82号議案「市町村立学校の教職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
 これらの議案は、55歳以上の県職員、教育職員、教職員の昇給を抑制するものであります。
 この年齢差別とも言える昇給抑制は、該当職員の生計や生活設計を壊すとともに、働きがいを奪うものです。また、若手職員にも大きな不安を与え、士気の低下につながりかねません。
 公務は、年齢が進むと職務が高くなり、職責も重くなります。昇給抑制は、職務給の原則に照らして問題であり、職務に相応しい処遇の確立こそ必要であります。
 公務員給与の抑制は、県内の消費購買力の低下につながり、地域経済の立て直しにマイナス影響を及ぼします。また、民間賃金にも波及し、賃下げの悪循環を招き、デフレ不況からの脱却に逆行するものであります。
 よって、これら条例案には反対であります。

第85号議案「島根県県税条例の一部を改正する条例」

 次に、第85号議案「島根県県税条例の一部を改正する条例」についてです。
本議案は、2014年度の地方税法改正によって、法人住民税の法人税割の税率を引き下げ、その引き下げ分を国税である地方法人税として徴収することによるものであります。
 消費税率の引き上げに伴い、自治体間の税収格差が大きくなるとして、国は新たに地方法人税を創設しました。地方法人税は、地方交付税の原資とし、税源の偏在による自治体間の財政力格差を水平調整するものと位置付けられています。
 しかし、自治体間の税収格差の是正は、地方交付税がもつ財政調整と財源保障の二つの機能を強化することによってなされるべきであります。
 地方法人税創設による税収格差調整は、消費税増税と消費税を地方財政の主要財源に据えていく狙いと一体のものであり、反対であります。

第89号議案「島根県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」

 次に、第89号議案「島根県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」についてです。
 本条例案は、乳児を4人以上入所させる保育所について保健師または看護師を1人に限って保育士とみなすことができるようにするものであります。
 保育士は保育に従事する専門職であり、看護師は園児の健康状態を把握し、保健及び看護活動を行う専門職であります。
 一人一人の子どもの健全な育ちを保障するためには、保育士の専門知識が求められており、専門性の異なる看護師を保育士の代替とすることは、保育の質を下げることになりかねません。
 子どもの健康を保障するためには、保育所への看護師配置は必要であり、看護師配置を可能とする財政支援を講じるべきです。
 そして、子どもたちの発達を保障し、多様化する保育ニーズに対応するため、保育士の配置基準の改善が求められています。
 以上の立場から、本条例には賛同できません。

議員提出第2号議案「集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の変更に反対する意見書」

 次に、議員提出第2号議案「集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の変更に反対する意見書」についてです。
 安倍政権は、7月1日、国民多数の反対の声に背いて、集団的自衛権行使の容認を柱とした解釈改憲の「閣議決定」を強行しました。
 集団的自衛権の行使は、日本への武力攻撃がなくても、他国のために武力を行使するものです。
 閣議決定は、「憲法9条のもとでは、海外での武力行使は許されない」という従来の政府見解を180度転換し、「海外で戦争する国」への道を開くものとなっています。
 この重大な転換を国会審議もなく、与党の密室協議を通じて、一内閣の判断で憲法解釈を勝手に変えることは、立憲主義を根底から否定するものであります。
 自衛隊はこれまで、一人の戦死者を出さず、一人の外国人も殺しませんでした。アメリカの戦争に自衛隊を参戦させ、日本を「殺し、殺される国」にする暴走を許すわけにはいきません。
 安倍内閣は、「必要最小限の実力行使に限定する」などと言いますが、いったん海外での武力の行使に踏み切れば、相手からの反撃を招き、際限のない戦争の泥沼に陥ることは避けられません。集団的自衛権にはことの性格上、「必要最小限」などと言うことはありえません。
 戦争の放棄、戦力不保持、交戦権否認をうたった憲法9条を踏みにじる集団的自衛権の行使容認は、憲法破壊のクーデターとも呼ぶべき暴挙であります。
 よって、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の変更に反対する本意見書は、可決すべきであります。
 わが党は、憲法違反の「閣議決定」を撤回することを強く求めるものであります。世界に誇る日本の宝である憲法9条を亡きものにする逆流とたたかい、すべての良識ある国民の声を一つに集め、憲法を守り、生かすために全力で奮闘する決意であります。

請願第36号「労働者の安全安心な生活を担保する保護ルールの確立を求める請願」

 最後に、請願1件についてです。
 請願第36号「労働者の安全安心な生活を担保する保護ルールの確立を求める請願」についてです。
 「解雇の金銭解決制度」や「ホワイトカラー・イグゼンプション」の導入、「限定正社員制度」の普及について慎重に検討することを求める1項目めについて、委員長報告は不採択でした。私もこの項目は、不採択とした委員長報告の表決結果には賛成であります。
 しかし、私が不採択を主張する理由は、委員長報告の趣旨とは異なります。委員長報告の不採択理由は、「日本経済の発展を促すためには、規制改革を推進する必要があり、その考えを否定するわけにはいかない」とのことであります。
 私の不採択理由は、その逆で「解雇の金銭解決制度やホワイトカラー・イグゼンプションの導入、限定正社員制度の普及について慎重に検討することなど論外であり、雇用のルールを壊す労働法制の規制改革の推進は断念すべき」と考えるからであります。
 2項目、3項目めの派遣労働者の処遇改善、雇用・労働政策にかかる議論は公益委員、労働者代表委員、使用者代表委員で構成される審議会等で行われるべきとした請願については、不採択とした委員長報告に反対の立場で討論します。
 まず、1項目めです。
 「解雇の金銭解決制度」は、金で不当解雇を合法化する究極の解雇自由化にほかなりません。労働時間規制を掘り崩す「ホワイトカラー・イグゼンプション」導入は、長時間労働や「残業代ゼロ」を押し付け、過労死を助長するものです。地域や職務、労働時間を限定した「限定正社員制度」は、その職種や仕事がなくなれば解雇することができる不安定で低賃金の「名ばかり正社員」をつくり出すものです。
 これら労働者の権利を破壊する雇用改革を慎重に検討するなど全く論外であります。労働者の権利と生活を根底から脅かす労働法制の緩和は許されません。
以上の立場から、この1項目めの請願は、不採択を主張します。
 派遣労働の拡大は、正社員の賃下げや長時間労働など労働条件悪化をもたらしました。働く人間を「使い捨て」にする社会は、若者から希望を奪い、貧困と格差を広げ、日本社会から活力を奪っています。
 また、労働法制・働くルールの変更は、政府、労働者、使用者の3者が参加し、その合意のもとですすめるべきものです。
 よって、派遣労働者の処遇改善、雇用・労働政策にかかる議論は公益委員、労働者代表委員、使用者代表委員で構成される審議会等で行うべきことを求めた2項目め、3項目めの請願は採択することを求めます。
 以上で討論を終わります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画