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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2015 年 11 月定例会 知事提出議案、議員提出議案に対する討論

2015-12-18 この記事を印刷
 日本共産党の大国陽介でございます。
 日本共産党県議団を代表し、条例案3件、一般事件案1件、意見書案1件について委員長報告に反対の討論を行います。

 第130号議案「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例」
 第133号議案「島根県電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例を廃止する条例」

 はじめに、第130号議案「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例」、第133号議案「島根県電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例を廃止する条例」についてであります。
 これら条例の改定・廃止は、いわゆる「マイナンバー制度」の導入に伴うものであります。
 マイナンバー制度は、赤ちゃんから高齢者まで、住民登録をしている全員に生涯変わらない12桁の番号を割り振り、社会保障や税の情報を国が一括管理するものです。「行政手続きの利便性向上のため」などとの利点が強調されますが、一人ひとりの社会保障の利用状況を国が一体で把握し、社会保障費の抑制・削減を「効率的」に進めようとするのが本当の狙いであります。
 さらに、国民にとっては個人情報の漏えいや不正使用の危険性を抱えるものになってしまいます。これまでは、年金、医療、介護、雇用の情報や納税・給与の情報はそれぞれの制度ごとに管理されていましたが、マイナンバー制度によって、これらが一つに結ばれることになり、大量の個人情報が一つのかたまりとなります。
 本年10月から番号の通知が行われており、来年1月から運用が始まりますが、国民監視を強化し、個人情報漏えいの危機にさらすマイナンバー制度は、今からでも中止すべきであると考えます。
よって、制度導入に伴うこれらの議案には賛成できません。

 第131号議案、「特定地域の振興を促進するための県税の課税免除等に関する条例の一部を改正する条例」

 次に、第131号議案、「特定地域の振興を促進するための県税の課税免除等に関する条例の一部を改正する条例」についてであります。
 本条例改定案は、地域再生法の改定に伴い、東京23区内から本社機能を移転する企業に対し、税制面での優遇策を講じようとするものであります。
 強調したいのは、この制度を利用し、税の優遇を受けられるのは、一部の企業であり、ほとんどの中小零細企業は、これを利用することができないということであります。今、地方の再生及び地域の活性化で求められているのは、外からの呼び込みではなく、農林水産業などの第一次産業や地場産業、そして、現に地域で頑張っている企業を底上げする施策こそ必要であります。
 よって、本議案には反対であります。

 第141号議案「公の施設の指定管理者の指定について」

 次に、第141号議案「公の施設の指定管理者の指定について」であります。
 本議案は、近畿日本ツーリスト株式会社と一畑電気鉄道株式会社との共同事業体「ミュージアムいちばた」を古代出雲歴史博物館の指定管理者に指定するためのものであります。
 公の施設は、地方自治法第244条が規定するとおり、住民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供するための施設であります。公の施設を、公共性を持たず、営利を目的とする民間会社に任せ管理運営を委ねることが、いったい自治体としての責任を果たすことになるのか、危惧いたします。
 とりわけ、指定管理者のもとで働く労働者の雇用環境は、公の施設にふさわしいもとはなっていません。現場では非正規雇用がまん延し、公の施設の継続性や公平性の確保に対し、行政としての責任が果たせるのか疑念が残ります。
 よって、本議案には反対であります。

 議員提出第12号議案、「ヘイトスピーチ対策の充実強化を求める意見書」

 最後に、議員提出第12号議案、「ヘイトスピーチ対策の充実強化を求める意見書」についてであります。本意見書案は、近年問題となっているヘイトスピーチ、憎悪表現・差別扇動を「自由や民主主義とは相いれず、健全な市民社会とは両立し得ないもの」と指摘し、政府関係機関に対し、国連人種差別撤廃委員会からの勧告等も真摯にうけとめ、対策の充実強化を求めるものであります。本意見書案に対し、委員長の報告は、「継続」でありますが、意見書の提出を求める立場から、これに賛同することはできません。

 以上で討論を終わります。

議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画