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議会の取り組み

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2016 年 9 月定例会 議員提出議案に対する討論

2016-09-28 この記事を印刷
 2016年(平成28年)9月定例会討論[2016年6月28日]
 録画中継は県議会のホームページにてご覧になれます。
 http://www.shimane-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=gikai_result&gikai_day_id=95&category_id=1&inquiry_id=287


 日本共産党の大国陽介でございます。日本共産党県議団を代表して、議員提出第8号議案に反対、議員提出第9号議案に賛成の討論を行います。

 【議員提出第8号議案「参議院選挙における合区の解消を求める意見書」について】

 まず、議員提出8号議案、「参議院選挙における合区の解消を求める意見書」についてであります。
 本意見書案は、先の参議院選挙において、「鳥取・島根と高知・徳島が『合区』とされ、都道府県ごとに集約された地方の意見を、参議院を通じて国政に届けられなくなるという結果をもたらしたことは非常に大きな問題」と指摘し、2019年の参議院選挙に向けて「合区を早急に解消し、都道府県単位で選出された代表が国政に参加することができる選挙制度の構築」を求めるものであります。
 問題とされている「合区」は、昨年7月に可決成立した改正公職選挙法によるもので、1票の格差を是正するために一部の県のみを合区としたことは、単なる数合わせを行ったにすぎません。意見書案が指摘する通り「地方の声が国政に届きにくくなり、地方切り捨てにつながる」との批判は当然のことであり、全く同感であります。また、合区による一票の格差是正は、今後の人口変動の予測を見れば、今後も新たな合区が必要となり、合区された県と合区でない県との不平等感は一層顕著になっていくものと考えられます。
 一方、改正公職選挙法の付則では、2019年の参院選に向け、選挙制度の抜本的見直しについて検討を行い、必ず結論を得ると明記されています。
 そもそも、参議院の選挙制度改革をめぐって問われていることは何でしょうか。
2009年、最高裁は、「投票価値の平等の観点から現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要」と指摘し、2012年、再度出された最高裁判決では、参院選について「違憲状態」とし、抜本改革の実行を求めました。同時に、「都道府県を参議院選挙の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はない」とも述べています。つまり、選挙制度は、憲法が要請する投票価値の平等がきちんと担保されるよう改めなければならない、ということであります。
 しかしながら、意見書案は、あくまでも都道府県単位での議員選出を求めるものとなっており、投票価値の平等という憲法上の要請にこたえる制度改革を求めるものとはなっていません。一部の県のみが合区される不平等は解消されなければなりませんが、同時に、憲法上の要請である投票価値の平等は制度改革にあたって、最も重視されなければならないものと考えます。
 我が党は、ブロック制による比例代表など、多様な民意を正確に議席に反映させることが可能となる選挙制度へと抜本的に改革すべきと考えています。
以上の理由により、本意見書案には賛同できません。

 【議員提出第9号議案「地方議員の厚生年金制度への加入を求める意見書」について】

 次に、議員提出第9号議案「地方議員の厚生年金制度への加入を求める意見書」についてであります。
 本意見書案は、「議員の年金制度を時代に相応しいものとすることが人材の確保につながっていく」とし、地方議員の厚生年金制度加入の為の法整備の実現を求めるものであります。
 この法整備は、以前の議員年金の制度とは異なり、常識的な対応であると考えるものであり、本意見書案に賛成いたします。
 一方、年金制度全体の問題として、受給資格が得られる期間を「25年」から「10年」に短縮する法案が成立していますが、その施行日は消費税が10%にあがったときとされ、実現が棚上げになっていることや、無年金、低年金問題も深刻です。
 年金保険料の引き上げ、給付削減、支給開始年齢の先延ばしなど、国民の年金不信が広がっているもとで、今も将来も信頼できる年金制度の確立が強く求められていることを強調し、討論といたします。

議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画