2016 年 9 月定例会 委員長報告に対する討論
2016-10-07 この記事を印刷
日本共産党の大国陽介です。日本共産党県議団を代表して、一般事件案1件、請願1件について、委員長の報告に反対の討論を行います。
【第114号議案 「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」】
はじめに、第114号議案、「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」であります。
本議案は、市町村に対し「建設事業に要する経費の一部を負担させることができる」とした地方財政法や道路法などに基づき、県が行う建設事業に対して市町村の負担割合を定めるものであります。
砂防事業の急傾斜地崩壊対策事業や都市計画事業の街路事業、農業農村整備事業の防災ダム事業など、防災や広域的な役割を果たす事業、山地や農地の保全は、本来県が行うべきものであり、市町村に過大な負担を求めるべきではありません。
大阪府、新潟県、和歌山県では、市町村負担金を「原則廃止」にしました。本県においても、市町村負担のあり方を抜本的に見直すとともに廃止を検討すべきであります。
以上の立場から、可決とした委員長の報告には賛同できません。
【請願第13号 「繰り返される韓国の国会議員による竹島不法上陸に対して、実効的制裁措置と国際司法裁判所への単独提訴を政府に求める請願書」】
次に、請願第13号、「繰り返される韓国の国会議員による竹島不法上陸に対して、実効的制裁措置と国際司法裁判所への単独提訴を政府に求める請願書」についてであります。
本請願は、竹島問題について「日韓両国の話し合いでの解決という時期はとっくに過ぎている」とし、日本政府及び外務省に、韓国に対する実効的制裁措置と国際司法裁判所への単独提訴を行うよう求める意見書の提出を求めるものであります。
請願も指摘している通り、本年8月の韓国国会議員による竹島上陸や2012年8月の李明博(イ・ミョンバク)前大統領および閣僚の上陸は、一方的で不当なものであり、到底許されるものではありません。
竹島は、歴史的にも国際法的にも、島根県に属する我が国固有の領土であることは明白です。
竹島を日本に編入した1905年という時期は、日本が韓国を植民地化する過程と重なっていました。1904年には第1次日韓協約が結ばれ、韓国は事実上外交権を奪われ、異議を申し立てる条件がありませんでした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。韓国併合の不法性を認めないもとでの領有権主張では、韓国側にとって、竹島問題は日本による侵略の象徴であり、話し合いすら拒否する要因となってしまいます。植民地支配の不法性を認め、その土台の上で歴史的事実を突き合わせ、問題解決を図るべきです。
我が党は、国際司法裁判所への提訴を否定するものではありません。しかしながら、領土問題は歴史的事実と国際的道理に立った冷静な外交交渉こそ解決への確かな道と考えます。今、最大の問題は、日韓両国間において竹島問題を冷静に話し合うテーブルがないことです。
本請願は、「日韓両国の話し合いでの解決という時期はとっくに過ぎている」としていますが、韓国に対しては、植民地支配への反省を土台に、交渉のテーブルをつくることを粘り強く追求すべきです。
竹島問題には複雑な経過と背景があり、その正しい解決のためには、緊張を激化させる行動を双方が慎み、相互の主権を尊重し、平和、友好の精神を貫きながら粘り強く交渉し、解決すべきと考えます。
よって、本請願には賛同できません。
以上で全ての討論を終わります。