2018 年 2 月定例会 議員提出議案に対する討論
2018-03-07 この記事を印刷
日本共産党の大国陽介です。議員提出議案1号「2025年国際博覧会の誘致に関する決議」(案)について、日本共産党を代表して、反対の討論を行います。
【議員提出議案1号「2025年国際博覧会の誘致に関する決議」】
日本共産党は「万国博覧会」がもつ意義や理念に反対するものではありません。万博は「産業や技術の進歩・展望」を示し、広く教育的に広げようという目的で開催されるもので、この意義や理念には、おおいに賛同するものであります。
しかし、大阪府・大阪市などがすすめる「万博」には、次の3つの点について見過ごせない問題があることを指摘するものです。
第1は、大阪府の2025年度版の誘致基本構想では、万博会場は、大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」であり、万博会場に隣接して、カジノを含む総合型リゾート施設・IRの事業が計画されていることです。
カジノなどギャンブルは、刑法で禁じられている賭博です。カジノは、何の財も生み出さず、社会的荒廃を招くのは明白で、万博の理念とは相入れないものであり、万博会場がカジノに隣接して建設されることは相応しいものではありません。
第2に、大阪府や大阪市の巨額な負担が懸念されています。万博会場の建設費は、約1250億円にのぼる上に、地下鉄の延伸などに730億円を要すると試算されています。
かつて、バブル経済のもと大阪湾の「夢洲・ゆめしま」「咲州・さきしま」「舞洲・まいしま」で、ゼネコン浪費型の巨大開発事業が進められてきました。
しかし、事業はバブル崩壊とともに破綻し、大阪府・大阪市は大きな財政負担を背負うことになりました。これに対して、真剣な検証と総括を行なわず、再び巨大開発を進めるならば、ムダな大型開発の二の舞になりかねません。
第3に、予定地の夢洲(ゆめしま)は、埋め立て完了後に390ヘクタールの人工島になります。約100ヘクタールを万博会場、70ヘクタールをIR用地にする予定です。近い将来、「南海トラフ地震」が起きる可能性が大きいと指摘されています。大地震・大津波により大きな被害を受ける恐れのある夢洲(ゆめしま)に、半年にわたって大勢の人を集中させようとする計画は、あまりにも無謀です。
以上3点の理由から、「万博」の誘致・開催にあたっては、夢洲及び、カジノを含む総合型リゾート施設(IR)と切り離し、最小の予算で最大の成果が得られる別の候補地を選定し誘致を行なうべきと考えます。
よって、現在進められている大阪府の誘致案には、賛同できないことを申し上げ、意見書案に反対の討論と致します。