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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2018 年 9 月定例会 知事提出議案に対する討論

2018-10-05 この記事を印刷
 日本共産党の大国陽介でございます。
 日本共産党県議団を代表して、議案3件について各委員長報告に反対の討論を行います。

【第99号議案 特定地域の振興を促進するための県税の課税免除等に関する条例の一部を改正する条例】

 初めに、第99号議案「特定地域の振興を促進するための県税の課税免除等に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
 本条例改定案は、地域再生法の改定に伴い、特別償却施設である家屋等を新設・増設した場合に、不動産取得税と固定資産税の初年度分の課税を免除するものであります。
 強調したいのは、この制度を利用し、税の優遇を受けられるのは、東京23区から移転してくる、一部の企業であり、ほとんどの中小零細企業・小規模事業者は、これを利用することができないということであります。今、地方の再生及び地域の活性化で求められているのは、外からの呼び込みではなく、農林水産業などの第一次産業や地場産業、そして、現に地域で頑張っている企業を底上げする施策こそ必要であります。
 また、所得に応じて、あるいは所有資産に応じて税を納めるのが民主社会における税制の大原則であり、一部の体力のある企業のみを税で優遇する制度は、税本来のあり方から逸脱するものと考えます。
 これらの理由により、可決とした委員長の報告には賛成できません。

【第101号議案 島根県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例】

 次に、第101号議案「島根県養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」についてです。
 本条例案は、介護保険サービスを提供する養護老人ホームにおける看護職員の配置基準を緩和するとともに、サテライト型養護老人ホームにおいて主任生活相談員の配置基準を緩和するものであります。
 具体的には、今まで常勤配置が必須とされていた看護職員について、常勤換算方式を認め、非常勤者の合計勤務時間数が常勤者分の時間数に達していれば、基準が満たされるというものです。
 即ち、この緩和は、サービスの質の低下に繋がるではありませんか。県内の養護老人ホームの入所者状況は、75歳以上が86・7%を占め、要介護認定を受けている方は55%に達し、そのうち介護ニーズの高い要介護3以上の方は23%を超えています。
 今、必要なことは、養護老人ホームの職員配置基準を抜本的に充実させるなど、安全・安心の生活環境をつくることに他なりません。
 よって、本条例案には反対であり、可決とした委員長の報告には賛成できません。

【第107号議案 県の行う建設事業に対する市町村の負担について】

 次に、第107号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」であります。
 本議案は、市町村に対し、建設事業に要する経費の一部を負担させることができるとした地方財政法や道路法などに基づき、県が行う建設事業に対して市町村の負担割合を定めるものであります。
 砂防事業の急傾斜地崩壊対策事業や都市計画事業の街路事業、農業農村整備事業の防災ダム事業など、防災や広域的な役割を果たす事業、山地や農地の保全は、本来、県が行うべきものであり、市町村に過大な負担を求めるべきではありません。市町村負担のあり方を抜本的に見直すとともに、廃止を検討すべきであります。
 よって、可決とした委員長の報告には賛同できません。
 以上、討論といたします。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画