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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2019 年 11 月定例会 知事提出議案に対する討論

2019-12-17 この記事を印刷
 日本共産党の大国陽介でございます。
 日本共産党県議団を代表して、条例案3件、一般事件案8件について討論を行います。

 【第130号議案 島根県水と緑の森づくり税条例の一部を改正する条例】

 はじめに、第130号議案「島根県水と緑の森づくり税条例の一部を改正する条例」についてであります。
 本条例案は、県民税の均等割の税率の特例として課されている「水と緑の森づくり税」の適用期間を5年間延長するものであります。本税の課税方式は、県民税の均等割額年1500円に500円を加算する均等割一律課税となっており、この賦課方式は、所得の少ない人ほど税の負担割合が重くなるもので、不公平な税であるといわざるを得ません。
 よって、本条例案を「可決」とした委員長の報告に反対であります。

 【第132号議案 島根県森林環境譲与税基金条例】

 次に、第132号議案「島根県森林環境譲与税基金条例」についてであります。
 本条例案は、森林環境譲与税を財源として、森林整備等を実施する市町村の支援に要する経費に充てるための基金を設置しようとするものであります。
 森林環境譲与税は、森林環境税を地方自治体に配分するもので、森林管理等を目的として新たに行う事務や事業の財源に充てられるものであります。
 森林環境税は、2023年度末で期限切れとなる復興特別住民税の看板を掛け替えて課税されるもので、森林の吸収源対策や公益的機能の恩恵を口実に、国やCO2排出企業が引き受けるべき負担を国民個人に押しつけるものです。
 また、各自治体の配分基準において、人口指標の割合が林業従事者数の割合よりも高く設定され、私有人工林が多い市町村よりも都市部に対して多額に配分されるという問題点もあります。
 森林の公共的・多面的機能を踏まえるならば、森林整備のための安定的な財源は、国の一般会計における林業予算を拡充するとともに、需要のある自治体への地方交付税を拡充すべきであると考えます。
 よって、本条例案を「可決」とした委員長の報告には賛成できません。
 合わせて、これに伴う第133号議案「島根県水と緑の森づくり基金条例の一部を改正する条例」についても賛成できません。

 【(公の施設の指定管理者の指定)第138号議案、139号議案、141号議案、142号議案、145号議案、146号議案、147号議案、148号議案について】

 次に、第138号議案、139号議案、141号議案、142号議案、145号議案、146号議案、147号議案、148号議案についてであります。
 これらの議案は、美術館や体育館、公園などの県有施設を指定管理者制度によって、株式会社等の民間企業へ管理を指定しようとするものであります。
 そもそも「公の施設」は、地方自治法第244条に規定されるように「住民の福祉を増進する目的」を持って、その利用に供するための施設でなければなりません。公の施設を、公共性を持たず、営利を目的とする民間会社に任せ、代行させて、果たして自治体の責任が果たせるのか、危惧されます。
 よって、これらの議案を「可決」とする委員長の報告には反対であります。
 なお、指定管理者制度の運用にあたって、「公の施設」に相応しく、業務の公共性や専門性が担保されるよう、次の4点について提案するものです。
 第1に、施設の設置者として、直接の雇用関係の有無にかかわらず、それぞれの施設で働く労働者の雇用継続に責任を持つこと。
 第2に、働く労働者の賃金・労働条件を県職員に準拠した処遇を行えるように、契約および指定管理料を改善すること。
 第3に、適切に運営されている施設については労働者や利用者の不安をあおらないようにするため、「公募」によらず「非公募」で引き続きの指定を行うこと。
 第4に、仮に「公募」する場合においても、「コスト優先」の考え方ではなく、施設の運営実態に基づき、業務の安定性や継続性、質が担保される選考基準と指定管理料にすること。
 これらのことを提案し、討論といたします。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画