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議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2021 年 9 月定例会 知事提出議案、請願等に対する討論

2021-10-08 この記事を印刷
 日本共産党の大国陽介です。会派を代表して、一般事件案1件、請願1件について委員長の報告に反対の討論を行います。

【第121号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」】

 はじめに、第121号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」であります。
 本議案は、市町村に対し、建設事業に要する経費の一部を負担させることができるとした地方財政法や道路法などに基づき、県が行う建設事業に対して市町村の負担割合を定めるものであります。砂防事業の急傾斜地崩壊対策事業や都市計画事業の街路事業、農業・農村整備事業の防災ダム事業など、防災や広域的な役割を果たす事業、産地や農地の保全は、本来、県が行うべきものであり、市町村に過大な負担を求めるべきではありません。市町村負担のあり方を抜本的に見直すとともに、廃止を検討すべきであります。
 よって、可決とした委員長の報告には賛同できません。

【請願第29号「インボイス制度中止について」】

 次に、請願第29号「インボイス制度中止について」であります。本請願は、2023年から始まる「適格請求書等保存方式・いわゆるインボイス制度」の実施中止を求める意見書の提出を求めるものであります。
 現在、年間の売上高1000万円以下の業者は消費税の納税を免除されていますが、インボイス制度は、消費税を価格に転嫁することが困難な零細事業者に課税業者になることを迫るものです。
 制度が始まれば、消費税の申告の際「仕入れ税額控除」を受けようとする際、「適格請求書―インボイス」が必要となります。このインボイスを発行するためには、事前に事業者登録をする必要があり、登録をすると、現在は免税事業者であっても課税事業者になります。つまり、制度導入後は、インボイスのない仕入れ税額控除は認められず、納税額が増えることになります。
 インボイスを発行するには課税業者になるしかありませんが、赤字経営でも身銭を切って消費税を納めなければならず、煩雑な納税事務にも悩まされることになります。免税業者のままでいた場合、取引から排除されかねないほか、消費税の納税額が増える取引先から値引きを強要されることが懸念されます。
 免税事業者に課税事業者になるよう強要することは許されません。一方で、インボイスをもらえないと消費税の納税額が増えるという仕組みは課税事業者の経営も脅かします。インボイス制度は、業者同士を消費税の課税か免税で分断し、円滑な取引関係までをも壊しかねません。
 今月から、事業者の登録が始まりましたが、インボイス制度は中小業者、農家、個人事業主など、幅広い人たちに影響を及ぼすもので、コロナ禍で苦境に立たされる事業者をさらに苦しめることになり、この導入は、中止すべきであります。
 よって、本請願は採択すべきであり、不採択とした委員長報告に反対であります。以上であります。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画