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2022 年 5 月定例会 議員提出議案に対する討論

2022-06-10 この記事を印刷
【議員提出第6号議案「国民の祝日『海の日』の7月20日への固定化を求める意見書」】

 議員提出第6号議案「国民の祝日『海の日』の7月20日への固定化を求める意見書」について、日本共産党県議団を代表して、反対の討論を行います。
 本意見書案は、現在、「7月の第3月曜日」となっている「海の日」を「7月20日」に固定することを求めるものです。
 「海の日」は、1995年に、国民の祝日に関する法律で「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日として「祝日」として制定され、1996年7月20日から実施。その後、2001年の祝日法改正で、「7月20日」から「7月の第3月曜」に改められました。
 我が党は、海の環境や資源について考え、海に親しむ契機にするために国民の祝日として「海の日」を設けること自体に異論はありませんが、「7月20日」を海の日とすることには賛同できません。
 7月20日の「海の日」の由来となっているのは戦前の「海の記念日」で、「海の記念日」が設けられたのは、真珠湾攻撃で対米英戦争を開始した1941年で、当時の逓信省(ていしんしょう)管船(かんせん)局長の発言によれば、「徹底なる戦時体制を必要とし、なによりも国力を充実すべき。…海の記念日はかように、堅実なる国力の充実を図るための契機足らんとする」ことが、その理由でした。
 戦争の遂行上、海上輸送で船員や船舶の徴用とその調達のために、海運関係者だけでなく、国民こぞって支援の雰囲気をつくるのがそのねらいで、汽船「明治丸」で1876年7月16日に青森・北海道方面に巡行し、20日に横浜に帰った明治天皇の行動に着目し、20日を海の記念日に決めたのです。明治天皇のこの巡行の目的は、明治新政府の地租金納制や徴兵制に対する不満が強かった東北の民衆の感情を抑えるためだったと言われています。
 戦争の遂行のために制定された日を戦後に引き継いで、「国民の祝日」とすることは、戦後の日本において、ふさわしいものではないと考えます。加えて、連休、とりわけ3連休は労働者にとっても強い要求であること、レジャー等の関連団体の合意も得られていることを付言するものです。
 これらの理由により、本意見書案には賛同できません。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画