前に戻る

議会の取り組み

議会の取り組み詳細

2022 年 9 月定例会 知事提出議案に対する討論

2022-10-11 この記事を印刷
 日本共産党の大国陽介です。会派を代表して、条例案1件、一般事件案1件について委員長の報告に反対の討論を行います。

【第104号議案「地方公務員法の一部を改正する法律の施行等に伴う関係条例の整備に関する条例」】
 
 初めに、第104号議案「地方公務員法の一部を改正する法律の施行等に伴う関係条例の整備に関する条例」についてであります。
 本条例案は、定年年齢引き上げにかかる改正地方公務員法が、2023年4月に施行されることに伴い、関係する条例に規定される定年年齢や再任用制度、定年引き上げ後における現行の定年年齢を超える職員の給与等について、所要の見直しを行うものであります。
 この間、年金の支給開始年齢が60歳から65歳へと繰り延べられてきましたが、雇用と年金の接続を図り、安心して暮らせる収入を確保することが求められていました。
 現行の「雇用と年金の接続」は、定年後、再任用による対応となっていますが、これは非正規雇用としての任用であり、生活関連手当の支給対象外となるなど、給与等の処遇は、定年を境に悪化しています。今回の改定により、60歳以降も正規職員として勤務できる期間が延長され、生活関連手当が支給されるという点においては、現行より改善となるものです。
 しかしながら、60歳に達した以後の給与月額が「原則7割水準」とされることには、大きな問題があるものと考えます。
 地方公務員法第24条1項は、「職員の給与は、その職務と責任に応じるものでなければならない」と規定し、給与は、職員の勤務に対する対価であるとともに、職務と責任に応じて決定されなければならないという「職務給の原則」が明らかにされています。
 年齢を理由として賃金を引き下げることは、生計費原則に反するだけでなく、この「職務給の原則」にも抵触しかねないものと考えます。
 事実、教育現場では、60歳で定年を迎えたのちも、学級担任を持つなど、昼夜を分かたず働き、仕事量も責任も何ら変わりない働き方が常態化しているではありませんか。
 定年年齢の引き上げにあたっては、職員個々の生活に合わせた働き方や権利の拡充と合わせて、経験豊富なベテランの職員が、公務公共サービスの充実に資するため、能力にふさわしく力が発揮できるものでなければならないことを強調するものです。
 よって、本条例案には賛同できません。

【第121号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」】
 
 次に、第109号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」であります。
 本議案は、市町村に対し、建設事業に要する経費の一部を負担させることができるとした地方財政法や道路法などに基づき、県が行う建設事業に対して市町村の負担割合を定めるものであります。砂防事業の急傾斜地崩壊対策事業や都市計画事業の街路事業、農業・農村整備事業の防災ダム事業など、防災や広域的な役割を果たす事業、産地や農地の保全は、本来、県が行うべきものであり、市町村に過大な負担を求めるべきではありません。
 市町村負担のあり方を抜本的に見直すとともに、廃止を検討すべきであります。よって、可決とした委員長の報告には賛同できません。
議事録及び録画中継は県議会のHPにてご覧になれます。尾村県議の動画