2023 年 9 月定例会 知事提出議案 、請願に対する討論
2023-10-05 この記事を印刷
日本共産党の大国陽介です。会派を代表して、一般事件案1件、請願1件について、委員長報告に反対の討論を行います。
【第112号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」】
はじめに、第112号議案「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」であります。
本議案は、市町村に対し、建設事業に要する経費の一部を負担させることができるとした地方財政法や道路法などに基づき、県が行う建設事業に対して市町村の負担割合を定めるものであります。
砂防事業の急傾斜地崩壊対策事業や都市計画事業の街路事業、農業・農村整備事業の防災ダム事業など、防災や広域的な役割を果たす事業、産地や農地の保全は、本来、県が行うべきものであり、市町村に過大な負担を求めるべきではありません。
市町村負担のあり方を抜本的に見直すとともに、廃止を検討すべきであります。よって、可決とした委員長の報告には賛同できません。
【請願第4号「「健康保険証の廃止」中止撤回と現行保険証を残すことを求める請願」】
次に、請願第4号「「健康保険証の廃止」中止撤回と現行保険証を残すことを求める請願」についてであります。
マイナンバーカードをめぐる混乱は深まるばかりです。本人以外の公的給付金受取口座の誤登録が約14万件、マイナ保険証に他人の情報が登録されたケースが8441件、他人の年金記録が閲覧されたケース170件や障がい者手帳の誤登録が自治体の2割で明らかになるなど、トラブルは多方面に及んでいます。
健康保険証との一本化をめぐって、保険診療に支障をきたしている実態が次々と明らかになっています。全国保険医団体連合会が行った調査では、負担割合の誤表示等のトラブルについては13.8%の医療機関がエラーを経験し、加えて、「カードリーダーの「高額療養制度を利用する」を押さないと負担割合が反映されず、一律3割負担になってしまう」ケースや、マイナ保険証によるオンライン資格確認で得られた負担割合に基づき請求し、後で返礼(へんれい)されるケースなど、負担割合をめぐるトラブルが相次いで報告されています。
マイナンバーカードと保険証の一本化によるトラブルは、他人の医療情報がひもづけされていたなど、命にもかかわる危険があり、絶対にあってはならないことです。
国民は、健康保険の加入と保険料の支払いを義務付けられ、保険証は自治体や保険組合などが責任をもって交付する仕組みですが、マイナンバーカードと保険証の一本化によって、マイナンバーカードを持たない人は、毎年「資格確認書」の申請が必要になります。マイナ保険証は、5年ごとの更新が必要となります。「申請・更新」を忘れたり、出来なかったりしたら保険料を払っていても「無保険」扱いされ、保険医療が受けられなくなってしまいます。
政府は、「資格確認書」を申請なしでマイナ保険証をもっていない人に送付することも検討すると言い出しましたが、これまで通り保険証を存続すればいいのです。来年秋の保険証廃止は断念し、国民と医療現場の声に従って、健康保険証を存続させるべきと考えます。
よって、本請願は採択すべきであり、「不採択」とした委員長の報告には反対であります。